ヒューリック(3003)の株価を分析していきます。
ヒューリックを5つのポイントで説明
- 時価総額、経常利益は不動産業界4位
- 上場来14年連続で過去最高益と連続増配を更新予想
- 営業利益率・ROE・ROAは大手ディベロッパーを大きく上回って業界トップ
- 主力事業は銀座を中心とした好立地物件の不動産賃貸事業
- 株価1100円を抜けてから買いたい
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ヒューリックの概要
ヒューリックは、銀座を中心に不動産投資と不動産開発を主力に行う不動産ディベロッパーです。
特に、都心5区の駅近物件を中心とした不動産賃貸事業を主力にしています。
東京駅に近いのオフィス・商業ビル、観光地のホテル・旅館や老人ホームに積極的な投資や開発しています。
実際に都心の主要エリアに豊富な物件を所有しています。
その保有ビルは、駅近物件が多いのが特徴です。
ヒューリックが保有するビルの8割は最寄り駅から徒歩5分以内と好立地です。
その好立地は、ヒューリックの保有するオフィスビルの空室率にも表れています。
東京都23区のオフィスビルの空室率4.4%に対して、ヒューリックの空室率は0.8%です。
建替事業
引用:ヒューリック
ヒューリックは、保有する物件を積極的に建替を行っています。
特に古いビルの多くは容積率を余しています。
建替する事で賃貸面積を増やして、収益力を向上させています。
近年はオフィスビルを商業施設に転換するなど、立地に合わせた建替えを実施しています。
銀座の大家さん
引用:ヒューリック
ヒューリックは、銀座エリアに非常に価値を見出しています。
その理由は小ぶりの土地や建物が多く、大手と競合するケースが少ないからです。
実際にヒューリックが銀座・有楽町エリアに所有するビルは所有物件は全30物件。
銀座エリアの強さから「銀座の大家さん」と言われています。
ヒューリック自身も「新橋の地下鉄の出口から目に見える範囲が好立地の条件」と言い切っています。
HULIC &NEW
引用:ヒューリック
都市型中規模コンパクト商業施設にも注力しています。
事業セグメント
ヒューリックは、主に4つのセグメントから成り立っています。
- 不動産事業:不動産賃貸業務、不動産開発業務、アセットマネジメント業務等
- 保険事業:保険代理店業務
- ホテル・旅館事業:ホテル及び旅館の運営業務
- その他事業:建築工事請負業務、設計・工事監理業務等
ヒューリックの売上構成比率(2021年12月)
売上の主力は不動産事業で、売上構成比の90%以上を占めています。
ヒューリックの利益構成率(2021年12月期)
利益構成比の主力も不動産事業になっていて、利益構成比が約98%になっている事がわかります。
21年度12月期は新型コロナの影響で、ホテル・旅館事業が赤字になっています。
その結果、不動産事業の占める割合がさら大きくなっています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:10.9倍
- PBR:1.28倍
不動産業の平均PERが13.8倍、PBRが1.2倍な事を考えると、株価は割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると、850円から1400円の間でボックス相場になっています。
21年9月に新株発行と売出しを発表したので大幅に下落しました。
週足5年チャートを見ると1100円付近に節目があります。
一時期1000円付近まで下落しましたが、反発しています。
しかしローソク足は、全ての週足移動平均線を割り込んでいます。
また3本の週足移動平均線は、全て下向きです。
好決算と増配を発表したので、いったんは上昇すると思います。
しかし1100円を超えれなければ、次の節目は1000円になります。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は2021年に4477億円、営業利益の過去最高も2021年の1145億円です。
2008年に上場してから12年連続最高益を更新中で、22年度も過去最高益更新予想です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:25.61%
- ROE:12.37%
- ROA:3.29%
- EPS:101.1円
平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率が非常に高い企業です。
不動産業の平均営業利益率は11.1%に対して25.61%なので、営業利益率は約3倍とかなり高いです。
EPSは、9年連続で過去最高を更新しました。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:28.8%
- 有利子負債倍率:2.19倍
不動産業の自己資本比率の平均が33.4%、有利子負債倍率の平均が1.34倍に対して大幅に下回っている財務状況です。
剰余金も、総資産に対して約15.9%しかありません。
中期経営計画
事業戦略
引用:ヒューリック
中期経営計画では、今後の成長が見込まれる4K事業に関わる不動産ビジネスに取り組んでいます。
4K事業とは、高齢者・健康、観光、環境、教育のことです。
実際に「リソー教育」と「コナミスポーツ」と業務提携を行っています。
またヒューリックは、人口動向や事業リスクを考えて、他のディベロッパーと違う方針をとっています。
それは、マンション開発・海外不動産・地方オフィスへの投資や大規模開発は行わない事です。
経営指標
引用:ヒューリック
2029年に経常利益1800億円を目指していて、年100億円規模で増加を計画しています。
株主還元方針
引用:ヒューリック
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:ヒューリック
- 配当金:40円(2022年12月期予定)
- 配当利回:3.73%(22年1月28日終値)
- 配当性向:40.6%
配当は、2008年に上場してから14期連続増配を予定しています。
中期経営計画でも、2022年に連結配当性向を40%程度まで引上げるとしているので問題ありません。
株主優待
ヒューリックは、毎年12月末日時点に300株以上保有でカタログギフトがもらえます。
- 保有期間3年未満:3000円相当のカタログギフトから1つ
- 保有期間3年以上:6000円相当のカタログギフトから2つ
「あしなが育英会」への寄付項目を設けていて、優待商品の代わりにその相当金額を寄付出来ます。
まとめ
ヒューリックを買うなら、1100円を抜けてから買いたい。
2008年に上場してから14年連続で営業利益と増配を更新予定なので魅力はかなり高いです。
また営業利益率・ROE・ROAは大手ディベロッパーを上回っているのも魅力です。
引き続き年100億円ペースで増益を計画しているので、必然的に配当も期待できます。
しかし、短期では1100円の節目で頭打ちになってもおかしくないです。
1100円の節目を超えれないと1000円が節目になります。
長期的には、中期経営計画に「年100億円ペースでの成長」とあります。
ここが崩れると大きく値下がりするのではないかと思います。
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