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株価分析(不動産)

ヒューリック(3003)の株価分析と特徴【12期連続最高益と増配】

ヒューリック(3003)の株価分析と特徴をまとめていきます。

 

ヒューリックを5つのポイントで説明

  • 時価総額、経常利益は不動産業界4位
  • 12期連続で過去最高益と連続増配を更新予想
  • 営業利益率、ROE、ROAは大手ディベロッパーを大きく上回って業界トップ
  • 主力事業は銀座を中心とした好立地物件の不動産賃貸事業
  • 直近の節目は1100円だが1000円割れになると長期的には買い時

 

 

ヒューリックの概要

ヒューリックは、銀座を中心に不動産投資と不動産開発を主力に行う不動産ディベロッパーです。

 

特に、都心5区の駅近物件を中心とした不動産賃貸事業を主力にしています。

 

東京駅に近いのオフィス・商業ビル、観光地のホテル・旅館や老人ホームに積極的な投資や開発しています。

 

2021年12月末時点で、オフィスビルを中心に全国に賃貸用不動産を265棟保有しています。

 

その中でも特に都心の主要エリアに豊富な物件を所有しています。

 

その保有ビルは、駅近物件が多いのが特徴です。

 

ヒューリックのこだわる物件は、東京都心5区の駅から3分以内と好立地です。

 

その好立地は、ヒューリックの保有するオフィスビルの空室率にも表れています。

 

東京都都心5区のオフィスビルの空室率6.4%に対して、ヒューリックの空室率は0.9%です。

 

建替事業

引用:ヒューリック

 

ヒューリックは、保有する物件を積極的に建替を行っています。

 

特に古いビルの多くは容積率を余しています。

 

建替する事で賃貸面積を増やして、収益力を向上させています。

 

近年はオフィスビルを商業施設に転換するなど、立地に合わせた建替えを実施しています。

 

銀座の大家さん

引用:ヒューリック

 

ヒューリックは、銀座エリアに非常に価値を見出しています。

 

その理由は小ぶりの土地や建物が多く、大手と競合するケースが少ないからです。

 

実際にヒューリックが銀座・有楽町エリアに所有するビルは所有物件は全37物件。

 

銀座エリアの強さから「銀座の大家さん」と言われています。

 

ヒューリック自身も「新橋の地下鉄の出口から目に見える範囲が好立地の条件」と言い切っています。

 

HULIC &NEW

引用:ヒューリック

 

都市型中規模コンパクト商業施設にも注力しています。

 

 

事業セグメント

ヒューリックは、主に4つのセグメントから成り立っています。

  • 不動産事業:不動産賃貸業務、不動産開発業務、アセットマネジメント業務等
  • 保険事業:保険代理店業務
  • ホテル・旅館事業:ホテル及び旅館の運営業務
  • その他事業:建築工事請負業務、設計・工事監理業務等

 

ヒューリックの売上構成比率(2022年12月)

 

売上の主力は不動産事業で、売上構成比の90%以上を占めています。

 

ヒューリックの利益構成率(2022年12月期)

 

利益構成比の主力も不動産事業になっていて、利益構成比が約98%になっている事がわかります。

 

22年度12月期は昨年に続き新型コロナの影響で、ホテル・旅館事業が赤字になっています。

 

しかし、昨年と比べて稼働・客室単価が回復してきているので赤字幅は縮小しています。

 

ヒューリックの物件ポートフォリオ(2022年12月期)

引用:ヒューリック

 

ヒューリックのアセット別ポートフォリオを見るとオフィスが49%を占めています。

 

その内、みずほFGのオフィスは8%なので、みずほFGへの依存度は低いことが分かります。

 

賃貸等不動産の含み益と賃貸可能面積は、2019年から横ばいになっています。

 

これは、ポートフォリオの再構築を進めながら、賃貸等不動産の評価損益と賃貸可能面積を維持しているからです。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:9.3倍
  • PBR:1.18倍

 

不動産業の平均PERが13.8倍、PBRが1.2倍な事を考えると、株価は割安と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見ると、850円から1400円の間でボックス相場になっています。

 

しかし、21年9月に新株発行と売出しを発表したので大幅に下落しました。

 

週足5年チャートを見ると1100円付近に節目があります。

 

一時期1000円付近まで下落しましたが、反発しています。

 

しかしローソク足は、全ての週足移動平均線を割り込んでいます。

 

また3本の週足移動平均線は、全て横ばいです。

 

まずは直近の節目は1000円ですが、長期的に見れば1000円割れになれば買い時になります。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上高の過去最高は2022年に5234億円、営業利益の過去最高も2022年の1261億円です。

 

23年度も過去最高の連続増益予想で、達成すれば12期連続になります。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:24.10%
  • ROE:12.60
  • ROA:3.73
  • EPS:113.7

 

総合ディベロッパー7社の平均ROEは9.1%、ROAは2.63%なので、平均を大きく上回る経営効率です。

 

総合ディベロッパー7社の平均営業利益率は18.48%なので、平均を大きく上回る営業利益率です。

 

EPSは、10年連続で過去最高を更新しました。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:29.5%
  • 有利子負債倍率:2.10倍

 

総合ディベロッパー7社の自己資本比率の平均が29.13%、有利子負債倍率の平均が1.87倍です。

 

ヒューリックの財務状況は、平均を少し下回っています。

 

利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。

 

剰余金は年々増加していますが、総資産に対して約17.2%しかありません。

 

 

中期経営計画

事業戦略

引用:ヒューリック

 

中期経営計画では、今後の成長が見込まれる4K事業に関わる不動産ビジネスに取り組んでいます。

 

4K事業とは、高齢者・健康、観光、環境、教育のことです。

 

実際に「リソー教育」と「コナミスポーツ」と業務提携を行っています。

 

またヒューリックは、人口動向や事業リスクを考えて、他のディベロッパーと違う方針をとっています。

 

それは、マンション開発・海外不動産・地方オフィスへの投資や大規模開発は行わない事です。

 

コアビジネス

賃貸事業

引用:ヒューリック

 

ヒューマンは、ポートフォリオに占める重点エリアの物件比率50%を目標にしています。

 

オフィス用途の比率を50%まで抑制して、バランスの取れた用途の構成を志向しています。

 

開発・建替事業

引用:ヒューリック

2029年までに100物件超の開発と建替を行う計画(確定・内定:50物件)です。

 

確定・内定物件の開発・建替は、資産額8,000億円超になります。

 

ヒューリックの中計を見てもフェーズII以降は竣工が加速しています。

 

2022年は16件をプラスで積み上げていて、2025年までに100件超の目途をつける見込みです。

 

CRE事業

引用:ヒューリック

 

CREとは、企業不動産の事です。

 

企業不動産とは、企業が事業のために保有する自社ビル、工場、倉庫などを含めた全ての不動産の事です。

 

CREのプロジェクト開拓によるソリューション提案を行う「プロジェクト推進室」を設置しています。

 

PPP事業

引用:ヒューリック

 

PPP事業とは、官民連携の事業で高い事業利回りが期待できます。

 

ヒューリックは、これまで通算11件のPPP事業の当選実績を持っています。

 

4K事業

高齢者

引用:ヒューリック

 

高齢者施設は、早期に業界トップレベルの居室数5000室(現状4000室)体制を構築を目指しています。

 

ヘルスケア関連企業との協働により、新たなシニア関連事業の創造・事業展開にも注力しています。

 

こども教育

引用:ヒューリック

 

ヒューリックは、こども向けワンストップサービスの提供ビル 「こどもでぱーと」 をシリーズ展開しています。

またリソー教育との関係性の強化のためにリソー教育の株式を追加取得しています。

 

観光

引用:ヒューリック

 

業績回復基調の継続を前提ですが、2023年度は営業利益を黒字化の見込みです。

 

また、2025年までにハイエンド層をターゲットとする7件の新規開業を予定です。

 

経営指標

引用:ヒューリック

 

2029年に経常利益1800億円を目指していて、年100億円規模で増加を計画しています。

 

中計フェーズIIでは、2025年に1500億円の経常利益を目標にしています。

 

株主還元方針

引用:ヒューリック

 

ヒューリックの株主還元は配当を中心とし、中計フェーズIIの配当性向目標を「40%以上」としています。

 

 

配当金の推移と株主優待

配当金の推移

引用:ヒューリック

  • 配当金:46円(2022年12月期予定)
  • 配当利回:4.34%(23年2月3日終値)
  • 配当性向:40.4%

 

配当は、12期連続増配を予定しています。

 

中期経営計画でも、連結配当性向を40%以上としているので問題ありません。

 

株主優待

ヒューリックは、毎年12月末日時点に300株以上保有でカタログギフトがもらえます。

 

  • 保有期間3年未満:3000円相当のカタログギフトから1つ
  • 保有期間3年以上:6000円相当のカタログギフトから2つ

 

「あしなが育英会」への寄付項目を設けていて、優待商品の代わりにその相当金額を寄付出来ます。

 

 

まとめ

ヒューリックを買うなら、直近は1100円が節目だが、1000円割れは長期的に見て買い時。

 

2期連続で最高益と増配を更新予定なので魅力はかなり高いです。

 

また営業利益率・ROE・ROAは大手ディベロッパーを上回っているのも魅力です。

 

引き続き年100億円ペースで増益を計画しているので、必然的に配当も期待できます。

 

しかし、短期では1100円の節目で頭打ちになっています。

 

1100円の節目を超えれないと1000円が節目になります。

 

長期的には、中期経営計画に「年100億円ペースでの成長」とあります。

 

ヒューリック自身が経常利益額を重要視しています。

 

この見通しの経常利益額を割れると大きく値下がりするのではないかと思います。

 

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