AMGホールディングス(8891)の株価を分析していきます。
AMGホールディングスを5つのポイントで説明
- 分譲マンション、注文建築、分譲戸建が主力の建設・不動産関連の持株会社
- 売上と利益はバランスの取れた事業ポートフォリオ
- 成長戦略は積極的なM&Aと戦略的業務提携の活用
- 株価はかなり割安だが直近3年で経営効率と財務体質が悪化している
- 株価は880円付近に節目があるが1000円を超えると高値圏
AMGホールディングスの概要
AMGホールディングスは、建設と不動産関連事業の持株会社でVTホールディングスの一員です。
VTホールディングスグループは、愛知県名古屋市に本社を置く自動車ディーラーの持株会社です。
現在、AMGホールディングスは6社のグループ会社で構成されています。
このグループ会社は、分譲マンション、注文建築、戸建分譲等を展開しています。
AMGホールディングスの前身は、愛知県と岐阜県を基盤とする分譲マンションディベロッパーのMGホームです。
このMGホームは、愛知県一宮市と岐阜県岐阜市でのマンション供給戸数は1位のディベロッパーです。
AMGホールディングスの成長戦略は積極的なM&Aと戦略的業務提携の活用です。
グループの事業内容
引用:AMGホールディングス
AMGホールディングスは、建設・不動産関連で10個のサービスを展開しています。
AMGホールディングスのグループ企業は、建設・不動産関連事業に特化しています。
土地の取得から営業・設計・施工・販売・管理まで、グループ全体でワンストップのサービスを行っています。
LAホールディングスとの業務提携
引用:AMGホールディングス
2019年に業務提携を締結したLAホールディングスグループとの開発プロジェクトが始動しました。
それが「A*G 下高井戸」と「A*G SAKAE」です。
AMGグループ会社であるアーキッシュギャラリーが「A*G 下高井戸」に関しては施工をしています。
「A*G SAKAE」は設計施工をアーキッシュギャラリーが手がけています。
事業セグメント
AMGホールディングスは、主に5つのセグメントから成り立っています。
- 分譲マンション事業:愛知県一宮市、岐阜県岐阜市を基盤に、東海エリアでファミリー向け新築マンションシリーズ「モアグレース」の分譲
- 注文建築事業:「建築家と建てる家」をコンセプトとした個性的な注文住宅及び店舗工事等
- 戸建分譲事業:神奈川県と東京都で新築戸建て分譲の企画・施工・販売
- 不動産管理事業:愛知県名古屋市、岐阜県岐阜市を中心にマンション等の賃貸
- 賃貸事業:新築マンションシリーズ「モアグレース」及びその他不動産の管理等
AMGホールディングスの売上構成比率(2022年3月)
AMGホールディングスの売上の主軸は分譲マンション事業になります。
しかし、注文建築事業と戸建分譲事業の比率を見てみると約30%になっています。
AMGホールディングスは、バランスの取れた事業ポートフォリオです。
AMGホールディングスの利益構成比率(2022年3月)
利益の主軸も分譲マンション事業で全体の39.9%を占めてます。
利益の主軸の分譲マンション事業の利益率は12%です。
注文建築事業が全体の27.7%を占めていて、利益率は11.5%です。
戸建分譲事業が全体の23.9%を占めていて、戸建分譲事業の利益率は9.3%です。
この事からAMGホールディングスの利益構成比もバランスが取れている事が分かります。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:4.3倍
- PBR:0.4倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、かなり割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見てみると、1000円を超えると高値圏になっています。
月足移動平均線は、全て上向いていますが、ローソク足は13MAを割り込んでいます。
週足5年チャートを見ると880円付近が節目になっているのが分かります。
週足移動平均線は、13MAが上向こうとしています。
しかしローソク足が26MAを割り込んでいます。
まずはこの26MAを抜けれるかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2022年に163億円、営業利益の過去最高も2022年の14億円です。
23年3月期は、増収減益予想です。
これは、住宅資材や住宅設備機器などの供給不足や建設労務費の高騰などによる原価の上昇が大きな要因です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:5.50%
- ROE:9.48%
- ROA:3.43%
- EPS:215.8円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を上回る企業です。
不動産大手28社の平均営業利益率は12%なので、平均的を大きく下回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:36.2%
- 有利子負債倍率:0.97倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なの平均的な企業です。
しかし、直近3年では自己資本比率が減少傾向になっています。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を少し上回る企業です。
有利子負債倍率も直近3年で増加傾向にあります。
利益剰余金は、総資産に対して28.8%しかありません。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:30円(2023年3月期)
- 配当利回:3.26%(2022年6月24日)
- 配当性向:18.5%
AMGホールディングスの配当金は、9年連続減配無しです。
また配当利回りは3%を超えるので高配当銘柄になります。
配当性向は18.5%なので増配の余力はあります。
しかし、自己資本比率や有利子負債倍率は直近3年で悪化しているので注意が必要です。
株主優待
残念ながらAMGホールディングスは、株主優待の設定がありませんでした。
まとめ
AMGホールディングスを買うなら、880円付近まで待ちたい。
株価は、月足10年チャートを見ると1000円を超えると高値圏にあることが分かります。
また20年間のチャートを見ると323円から1540円の間を横ばいになっています。
ただし、日々の出来高は少ないので出来高が増えた日や値幅が大きい日とその翌日は注意が必要です。
業績は3年連続増収増益で過去最高を更新していますが、EPSは減少傾向です。
しかし、2023年は原価の高騰に対応するために増収減益予想です。
建築資材の原価高騰や欠品の問題は、まだ続いていて解消されていません。
2022年の10月にTOTOとLIXILの値上げがあります。
AMGホールディングスの規模感では、利益面が厳しくなってしまう印象です。
また財務体質の悪化だけでなく経営効率の指標も悪化しています。
しかし2021年にホールディングス化しているので、今後のシナジーには期待です。
AMGホールディングスの成長戦略は、積極的なM&Aと戦略的業務提携の活用です。
実際に2021年には、岐阜県の地場ゼネコンの高垣組を子会社にしています。
今後は、東海圏だけでなく関西圏や関東圏でのM&Aや業務提携に注目です。
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