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株価分析(不動産)

カチタス(8919)の株価を分析【グロース銘柄】

カチタス(8919)の株価を分析していきます。

 

カチタスを5つのポイントで説明

    • 中古住宅再生販売で業界ダントツNO.1
    • 地方都市での認知NO.1だが子会社のリプライスは都市圏で成長中
    • 経営効率と財務は優秀でROEの推移に注目
    • 配当性向40%で基本的には前年以上の配当を出す方針
    • 移動平均線は下落傾向だが3000円の節目を超えれるかに注目

 

 

カチタスの概要

カチタスは、中古住宅の再生事業で業界トップの企業です。

 

2017年から、ニトリと資本・業務提携を行っています。

 

ニトリと資本・業績提携する事で、家具・インテリア付き中古住宅の販売を提供しています。

 

カチタスの営業エリアは、全国に展開していますが都市圏より地方に注力しています。

 

特に人口5万人程度の中小規模都市や、他社があまり展開していない地域に細かく展開しています。

 

これにより仕入や販売機会を最大化することで、地方でのカチタスの認知度はNo.1になりました。

 

実際に22年3月期の販売件数4627件の内、83%が三大都市圏以外の中小規模の都市です。

 

子会社のリプライスは、三大都市圏や政令指定都市での事業を展開しています。

 

リプライスの22年3月期の販売件数1493件の内、62%は三大都市圏になっています。

 

2016年の経営統合してから、物件をマンションから戸建て、仕入れを競売から買取にシフトしています。

 

これにより売上や営業利益も成長していて、カチタスとのシナジーを生み出しています。

 

業界NO.1の販売件数

引用:カチタス

 

カチタスは、中古住宅買取再販と言うニッチな事業で業界NO.1の企業です。

 

2位以下のライバルには、10倍以上の差を付ける販売件数の実績を持っています。

 

カチタスは、商品化が困難な地方都市部や郊外の戸建の築古物件に事業領域を集中しています。

 

これは、都心部マンションを中心に展開している他社が参入しづらいエリアです。

 

カチタスは人口5万人~30万人の地方都市で、平均30年の築年数をターゲットにしています。

 

強みは「自社販売力・調査力・RF企画力・施工力」です。

 

リプライスは人口30万~50万の都市や都市郊外で、平均20年の築年数をターゲットにしています。

 

強みは「仲介ネットワーク・スピード・プライシング精度」です。

 

ニトリホールディングスとの協業

引用:カチタス

 

カチタスは、2017年にニトリと資本・業務提携を発表しました。

 

この目的は、お互いの強みを活かすことでより良い住環境を提供する体制を目指す事です。

 

業務提携の進捗状況ですが、ニトリの家具やインテリアが付いた中古住宅の提供や販売を行っています。

 

またニトリの家具をカチタスの物件にヴァーチャルで設置する「VHS(ヴァーチャルホームステージング)」を実施しています。

 

VHS(ヴァーチャルホームステージング)

引用:カチタス

 

VHSを実施することで、「家具付き住宅」よりもコスト的にも家具の搬入も手軽に実施できます。

 

またVHSを実施している物件は、成約率が向上しています。

 

さらに価格の見直しをする前にVHSを実施することで、値引きを抑制する運用が実現出来ています。

 

 

事業セグメント

カチタスの事業は、中古不動産再生販売事業の単一セグメントです。

 

ビジネスモデル

引用:カチタス

 

 

株価の推移

月足5年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:24.5
  • PBR:0.74倍

不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、かなり割高と判断されています。

 

チャート分析

カチタスの株価は、上場してから2021年11月まで右肩あがりに成長してきました。

 

しかし、3300円の節目を割り込んで3000円付近まで下落しています。

 

月足5年は、12MAと24MAは右肩上がりになっています。

 

しかし、ローソク足は2つの移動平均線を割り込んでいるので当面は下落傾向です。

 

週足5年チャートを見てみると52MA以外は下向きです。

 

また12MAと24MAは52MAを割り込んでいるので中期的には下落傾向です。

 

この3000円から3300円の節目は、約8か月の調整期間でした。

 

いい意味でも悪い意味でもこの節目は、しっかりした節目になっていると思います。

 

まずは、この3000円で反発出来るかに注目です。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上の過去最高は2022年に1012億円、営業利益の過去最高も2022年の131億円です。

 

カチタスは、23年3月期も増収増益を見込んでいて過去最高を更新予想です。

 

カチタスの成長余力

引用:カチタス

 

カチタスの主要顧客は、地方在住の年収200~500万円で、持家志向のある借家世帯です。

 

このターゲットにしている世帯は、現在138万世帯になっています。

 

住宅購入検討期間を約10年と仮定しても、年間で13.8万件の需要があることになります。

 

これに対して22年3月期は4627件の実績だったので伸びしろはまだまだあります。

 

また2023年時点で、空き家のストックは849万戸になっています。

 

2038年には空き家のストックが2254万戸になるとも言われています。

 

中古住宅の再生販売の市場規模は、中長期的にもまだまだ成長の余力があります。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:12.36%
  • ROE:28.73
  • ROA:14.93
  • EPS:121.1

 

不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を大きく上回る企業です。

 

不動産大手28社の平均営業利益率は12%なので、平均的な利益率です。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:52.0%
  • 有利子負債倍率:0.57倍

 

自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので大きく上回る健全な企業です。

 

有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を大きく上回る企業です。

 

利益剰余金は、増加傾向で総資産に対して41.2%も積み上げている企業です。

 

 

中期経営計画

カチタスは2024年までの中期経営計画を発表しています。

 

経営数値目標

引用:カチタス

 

第3次中期経営計画では、売上高と営業利益の年平均成長率を10%に設定しています。

 

またカチタスは、資産効率性を表すROAを重要な経営指標にしています。

 

財務戦略・株主還元

引用:カチタス

 

カチタスは、2024年までの中期経営計画で配当性向を40%に引き上げています。

 

さらに、特別な事情がない限り、配当は前年度以上とすることを方針にしています。

 

 

配当金と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:49円(2023年3月期)
  • 配当利回:1.63%(2022年6月10日)
  • 配当性向:40.4%

 

カチタスは、2024年まで配当性向40%、特別な事情がない限り前年以上の配当金と設定してます。

 

財務状況も優秀なので減配のリスクは少ないと思います。

 

株主優待

残念ながらカチタスは株主優待の設定がありませんでした。

 

 

まとめ

カチタスを買うなら、3000円の節目を超えてから購入を検討したい。

 

株価は22年1月まで右肩上がりに成長してきました。

 

しかし、節目の3000円を割り込み、移動平均線も下向きなので当面は下落傾向です。

 

業績は上場した18年から毎年増収増益で、売上高と営業利益は過去最高を更新しています。

 

23年3月期の売上高と営業利益も過去最高を更新予想です。

 

不動産企業には珍しく、経営効率と財務指標が高い企業で利益余剰金も豊富です。

 

ビジネスモデルもニッチな事業ですが、市場規模と事業の成長性は確実に増えていきます。

 

その中で、カチタスは2位以下のライバルに対して10倍以上の差をつける実績です。

 

また地方都市が主力ですが、子会社のリプライスが都市圏で成長しています。

 

ニトリと資本・業務提携をしているので、エディオンや島忠等の異業種との連携の可能性も感じます。

 

また決して高配当とは言えませんが、優秀な財務基盤で安定配当の投資には向いています。

 

特に配当性向40%で、特別な事情がない限り前年度以上の配当金としているのは心強いです。

 

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