霞ヶ関キャピタル(3498)の株価を分析していきます。
霞ヶ関キャピタルを5つのポイントで説明
- 自社で不動産を保有しない戦略的コンサル型ディベロッパー
- 主力は不動産コンサル事業で物流施設に注力
- 経営効率は平均を大きく上回る
- 中期経営計画では25年から加速的に利益が成長
- 株価は底値圏だが次の節目2500円を超えれるかに注目
霞ヶ関キャピタルの概要
霞ヶ関キャピタルは、物流施設等不動産開発を自社で物件を保有せず遂行する企業です。
霞ヶ関キャピタル自身もこれを「戦略的コンサルティング型ディベロッパー」と呼んでいます。
物流事業
LOGI FLAG
引用:霞ヶ関キャピタル
霞ヶ関キャピタルは、物流ブランドの「LOGI FLAG」を立ち上げました。
今後も需要が伸びる物流施設に対して、汎用性の高い物流施設の開発が目的です。
コンセプトと施設タイプ
引用:霞ヶ関キャピタル
霞ヶ関キャピタルは、コールド型倉庫とドライ型倉庫に注力します。
これは、EC市場の利用者と冷凍食品消費が増えている事に対してのアプローチです。
また、設立後30年以上経過している冷凍冷蔵倉庫の建替需要に備える考えです。
アパートメントホテル開発事業
FAVホテル
霞ヶ関キャピタルは、「FAV HOTEL」と言う自社ブランドのホテルを開発しています。
ターゲットとコンセプト
引用:霞ヶ関キャピタル
FAVホテルのターゲットは、需要ギャップになっている約325800室になります。
FAVホテルのブランドコンセプトは、4人以上が泊まれて、客単価をビジネスホテル以下です。
定員稼働率
引用:霞ヶ関キャピタル
FAVホテルは、低い稼働率でも収益が出るのが最大の特徴です。
コロナ後のホテル稼働率が平均65%から19%まで下がりました。
しかし、FAVホテルは15%の稼働率で黒字化する構造です。
自然エネルギー事業
引用:霞ヶ関キャピタル
太陽光・風力・バイオマスなどの自然エネルギーを対象とした開発・事業投資を行っています。
その中でも太陽光発電施設の開発は25件、風力発電は8基です。
その他事業
コーポレートファンディング事業
引用:霞ヶ関キャピタル
海外事業
引用:霞ヶ関キャピタル
霞ヶ関キャピタルは、タイとインドネシアを重点エリアにしています。
事業セグメント
霞ヶ関キャピタルは、主に2つのセグメントから成り立っています。
- 不動産コンサルティング事業:不動産の取得、開発、売却、投資等に対するコンサルテ
ィング及びショッピングセンター運営 - 自然エネルギー事業:太陽光発電施設・風力発電施設の開発及び販売、電気事業者への
売電
霞ヶ関キャピタルの売上構成比率(2021年8月期)
霞ヶ関キャピタルの売上の主力は、不動産コンサルティング事業で全体の78.8%を占めています。
霞ヶ関キャピタルの利益構成比(2021年8月期)
利益の主力も不動産コンサルティング事業になり、全体の75.2%を占めています。
不動産コンサルティング事業の利益率は16.7%、自然エネルギー事業の利益率は20.4%です。
株価の推移
月足5年チャート
引用:株探
週足3年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:19.1倍
- PBR:4.46倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、割高と判断されています。
チャート分析
霞ヶ関キャピタルの株価は、一時6490円の高値をつけていました。
しかし、134万4000株の公募増資と上限20万株のオーバーアロットメントによる売り出しを実施を発表しました。
そこから大きく下落し、だらだら下落しました。
月足3年チャートを見ると株価はゆっくりですが右肩上がりです。
週足3年チャートを見ると、週足移動平均線を割り込んで下落中です。
しかし現在の株価は底値圏から反発しているように見えます。
次は2500円付近が節目になるので、まずはここをしっかり超えてもらいたいです。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2021年に142億円、営業利益の過去最高も2021年の13億円です。
22年8月期の売上高と営業利益は、過去最高を更新予想です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:10.00%
- ROE:23.36%
- ROA:4.43%
- EPS:123.0円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を大きく上回る企業です。
大手ディベロッパー28社の平均営業利益率は12%なので、平均を少し下回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:32.1%
- 有利子負債倍率:1.51倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので平均的な企業です。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を少し下回る企業です。
利益剰余金は、21年に大きく積みあがってきています。
中期経営計画
霞ヶ関キャピタルは2026年までの中期経営計画を発表しています。
利益成長
引用:霞ヶ関キャピタル
霞ヶ関キャピタルは、新たな収益モデルとして「KC2.0」を策定しました。
25年8月期までの「KC2.0」は利益貢献の仕込み期間になります。
しかし、26年8月期にはグループ当期純利益で100億円達成を目指しています。
収益構造
引用:霞ヶ関キャピタル
「KC2.0」では、収益構造を従来のコンサルティング型からパートナーシップ型に転換しています。
コンサルティング型に比べ収益化は遅れますが、総額が大きくなるのが特徴です。
物流施設に注力
引用:霞ヶ関キャピタル
不動産証券化市場は宿泊施設や商業施設が減少する中で、物流施設が増加傾向です。
霞ヶ関キャピタルの「KC2.0」では、まず物流施設に取り組みます。
これは、今後もEC市場や冷凍食品の消費が成長することを見込んでいるからです。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:20円(2022年8月期)
- 配当利回:0.85%(2022年2月10日)
- 配当性向:16.2%
配当金は、3年連続減配無しです。
配当性向は16.2%と増配余力を残しています。
しかし有利子負債倍率が高いので、まずは増配より投資で成長に期待したいです。
株主優待
引用:霞ヶ関キャピタル
霞ヶ関キャピタルは、毎年8月末時点で200株以上でプレミア優待クラブのポイントがもらえます。
まとめ
霞ヶ関キャピタルを買うなら、2500円を超えてから買いたい。
21年12月の公募増資とオーバーアロットメントの売り出しの発表で株価を大きく下げました。
使用目的は新規物流施設の開発用地取得資金や開発資金です。
不動産業なので金額も大きくなるのは仕方ありません。
創業10年未満なので、資金調達や借入での成長事業への投資は当然です。
調達資金もまだまだ成長の余地がある物流施設なので堅実な印象です。
直近5年の売上は2桁増収で、22年8月期も増収増益で過去最高を更新予想です。
経営効率のROA、ROEが平均を大きく上回っています。
直近高値の2720円を超えるためには、半期以降の決算の進捗が重要です。
第一四半期の利益は赤字傾向にありますが、21年11月期は赤字を拡大しています。
まずは2番底が2262円なのかを確認して、2500円付近の節目を超えてからの購入したいです。