LAホールディングス(2986)の株価分析と特徴をまとめていきます。
LAホールディングスを5つのポイントで説明
- 新築・リノベーションを手掛ける総合ディベロッパー
- 売上高・営業利益・経常利益・当期純利益は2期連続過去最高益を更新
- 経営効率と営業利益率は平均を大きく上回る
- 配当金は6期連続増配予想で配当性向30%が目安
- 株価は割安だが3600円の節目を固めた事を確認して買いたい
LAホールディングスの概要
LAホールディングスは、首都圏で新築とリノベーションを手掛けるディベロッパーです。
不動産会社のラ・アトレが、20年7月に持ち株会社制に移行して誕生したのがLAホールディングスです。
LAホールディングスの最大の特徴は、新築とリノベーションを両方行っている事です。
不動産業界では、新築のディベロッパーとリノベーション企業は完全に分かれています。
その中でリノベーションを行う不動産再生事業は、LAホールディングスの約55%の売上を占めています。
価格帯は、新築もリノベーションも高価格帯の富裕層がターゲットになります。
ファンスタイルHDを完全子会社化
LAホールディングスは、沖縄県で分譲マンション開発を手掛けるファンスタイルHDを完全子会社化しました。
ファンスタイルHDは、沖縄県内のマンション開発のパイオニアです。
今後は、ファンスタイルHDが持っている沖縄県での開発や分譲事業のノウハウが業績拡大に貢献していくことが期待出来ます。
事業セグメント
LAホールディングスは、3つのセグメントから成り立っています。
- 新築不動産販売部門:新築マンション買取再販業務、デベロップメント業務、土地企画販売業務における仕入、販売
- 再生不動産販売部門:戸別リノベーションマンション販売業務、一棟リノベーション分譲業務、インベストメントプロジェクト業務における仕入、内装、販売
- 不動産賃貸事業部門:固定資産として保有する不動産の賃貸管理、販売用不動産として所
有する転売前物件のテナント等の賃貸管理、オーナーから借り上げたマンションのサブリース - その他事業:リフォーム事業、仲介事業
LAホールディングスの売上構成比率(2022年12月期)
LAホールディングスの売上の主力は、新築不動産販売部門で全体の61.1%を占めています。
22年12月期は、新築不動産販売部門で大型商業ビルを2件の販売したことが大きな要因です。
従来のLAホールディングスの主力事業は、再生不動産販売部門です。
LAホールディングスの利益構成比率(2022年12月期)
LAホールディングスの利益の主力も、新築不動産販売部門で全体の75.2%を占めています。
この新築不動産販売部門の利益率は39.3%もあります。
さらに新築不動産販売の利益率は16.9%、不動産賃貸事業の利益率は52.4%でした。
LAホールディングスは、どのセグメントも利益率が高いのが特徴です。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:6.0倍
- PBR:1.82倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、かなり割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見てみると、21年から株価は右肩上がりに成長しました。
900円、1400円と節目を作りながら上昇して、現在の節目は3500円付近になります。
月足移動平均線は全て上向きで上昇傾向です。
週足5年チャートを見ても、3000円付近に節目がある事が分かります。
週足移動平均線も全て右肩上がりになっています。
しかし上値は3600円付近で高値圏になり売られています。
まずは、3600円をしっかり固められているかを確認したいです。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2022年に182億円、営業利益の過去最高も2022年の42億円です。
23年12月期の売上高と営業利益は、過去最高を更新予想です。
22年12月期の本決算から売上高64.4%増、営業利益30.1%増の見込みです。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:18.33%
- ROE:30.08%
- ROA:6.71%
- EPS:586.8円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を大きく上回る企業です。
大手ディベロッパー28社の平均営業利益率は12%なので、平均を大きく上回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:22.3%
- 有利子負債倍率:3.13倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので平均を大きく下回る企業です。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を大きく下回る企業です。
販売用不動産の購入で長期借入を行っているので、財務状況は悪くなります。
中期経営計画
LAホールディングスは、2022年2月14日に「2022年~2024年中期経営計画」を発表していました。
22年12月期の業績では、1年前倒しで各利益を達成しています。
そこで新たに25年12月期までの中期経営計画を発表しています。
経営数値目標
引用:LAホールディングス
自己資本比率の目標は20%以上を維持しながら25%を目指しています。
経営指標のROEは20%以上を目標です。
既存事業の深化
住宅系開発
引用:LAホールディングス
商業系開発
引用:LAホールディングス
再生不動産販売
引用:LAホールディングス
不動産賃貸
引用:LAホールディングス
新規事業の創出
引用:LAホールディングス
M&A戦略の強化
今後も継続的な事業成長を実現する上で地方の中堅企業との連携を進め、更なる企業価値増大及び事業規模の拡大に取り組んでいくとしています。
M&Aの実績としては、沖縄県で分譲マンション開発を手掛ける株式会社ファンスタイルHDを完全子会社化しています。
M&Aの候補先として3つのイメージを持っています。
- 特定のマーケットにおいて高いシェアを有する地方の中堅企業
- 後継者不足など事業承継の課題を抱えている企業
- 独自の商品・サービスを有し、且つ参入障壁の高い市場で優位性を持つ企業
配当方針
LAホールディングスは、25年12月期までの配当性向を30%以上を目標にしています。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:210円(2023年12月期)
- 配当利回:5.92%(2023年2月17日)
- 配当性向:35.7%
配当金は、年1回の期末配当ですが6年連続増配中です。
現在の配当性向35.7%は、配当性向30%以上を目標にしているので問題ありません。
株主優待
残念ながらLAホールディングスは、株主優待の設定をしていませんでした。
まとめ
LAホールディングスを買うなら、3600円をしっかり固めたのを確認して買いたい。
事業内容を見ると新築とリノベーション物件を手掛けるディベロッパーは珍しいです。
しかし、今後人口減少と共にリノベーションの需要は高まります。
その中で富裕層向けに販売するという戦略は投資目的としても幅が広がります。
22年12月期の業績は過去最高を更新していて、23年も過去最高を更新予定です。
利益率や経営効率は不動産業の中でも非常に高いです。
しかし、有利子負債倍率や自己資本比率は大型物件などに備えるとどうしても厳しくなります。
今年に入って3000円付近を底値圏の節目をつけて、昨年来高値に向かっています。
また株価3600円でも配当利回り5.8%になります。
仮に下落しても、配当目当ての買いで下げ止まりが早いことも考えられます。
今後のリノベーション需要を考えると、長期保有が検討出来る銘柄です。