LAホールディングス(2986)の株価分析と特徴をまとめていきます。
LAホールディングスを5つのポイントで説明
- 新築・リノベーションを手掛ける総合ディベロッパー
- 売上高・営業利益・経常利益は3期連続過去最高を更新
- 経営効率は不動産業の中でもかなり高い
- 配当金は7期連続増配予想で配当性向30%が目安
- 5300円を上抜け出来るかに注目だが23年度決算発表後に株価は大幅下落中
LAホールディングスの概要
LAホールディングスは、首都圏で新築とリノベーションを手掛けるディベロッパーです。
不動産会社のラ・アトレが、20年7月に持ち株会社制に移行して誕生したのがLAホールディングスです。
LAホールディングスの最大の特徴は、新築とリノベーションを両方行っている事です。
不動産業界では、新築のディベロッパーとリノベーション企業は完全に分かれています。
その中でリノベーションを行う再生不動産業販売部門は、LAホールディングスの約47.5%の売上を占めています。
価格帯は、新築もリノベーションも高価格帯の富裕層がターゲットになります。
ファンスタイルHDを完全子会社化
LAホールディングスは、沖縄県で分譲マンション開発を手掛けるファンスタイルHDを完全子会社化しました。
ファンスタイルHDは、沖縄県内のマンション開発のパイオニアです。
今後は、ファンスタイルHDが持っている沖縄県での開発や分譲事業のノウハウが業績拡大に貢献していくことが期待出来ます。
事業セグメント
LAホールディングスは、3つのセグメントから成り立っています。
- 新築不動産販売部門:新築マンション買取再販業務、デベロップメント業務、土地企画販売業務における仕入、販売
- 再生不動産販売部門:戸別リノベーションマンション販売業務、一棟リノベーション分譲業務、インベストメントプロジェクト業務における仕入、内装、販売
- 不動産賃貸事業部門:固定資産として保有する不動産の賃貸管理、販売用不動産として所
有する転売前物件のテナント等の賃貸管理、オーナーから借り上げたマンションのサブリース - その他事業:リフォーム事業、仲介事業
LAホールディングスの売上構成比率(2023年12月期)
売上の主力は、新築不動産販売部門で全体の48%を占めています。
2番目に大きいのが、再生不動産販売部門で全体の47.5%を占めています。
従来のLAホールディングスの主力事業は、再生不動産販売部門です。
23年度の再生不動産販売部門の売上は、前年同期比約2.5倍になっています。
これは、戸別リノベーションマンションの引渡しが好調に推移したことが大きな要因です。
LAホールディングスの利益構成比率(2023年12月期)
利益の主力も、新築不動産販売部門で全体の61.3%を占めています。
この新築不動産販売部門の利益率は28.8%になっています。
前期の利益率は39.3%だったので、大幅に利益率が悪化しています。
2番目に大きい再生不動産販売の利益率は12.6%になっています。
前期の利益率は16.9%だったので、利益率が悪化しています。
一番利益率の高いセグメントが不動産賃貸部門で、利益率は45.2%になっています。
前期の利益率は52.4%だったので、利益率が悪化しています。
利益率が悪化していますが、どのセグメントも利益率が高いのが特徴です。
また利益率は悪化していますが、利益額は大幅に増益しています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:8.3倍
- PBR:1.94倍
不動産業の平均PERが15.4倍、PBRが2.4倍なので、かなり割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見てみると、21年から株価は右肩上がりに成長しました。
株価5000円付近を節目に足踏みをしている状態になります。
月足移動平均線は全て上向きなので長期的に上昇傾向です。
週足移動平均線も全て上向きなので中期的に上昇傾向です。
まずは、昨年来高値と今年最高値を超えて5300円を上抜け出来るに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2023年に314億円、営業利益の過去最高も2023年の55億円です。
24年度も売上高、営業利益、経常利益で4期連続過去最高を更新予想です。
これまでLAホールディングスは、売上高と利益面で2桁成長をしてきました。
24年度の業績予想を見ると、少し物足りなさを感じます。
しかし、25年度の売上高は510億円、営業利益82億、経常利益74億を見込んでいます。
これは、25年度に新築不動産販売部門で大型開発案件の完成・販売を予定しているからです。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:17.27%
- ROE:23.26%
- ROA:5.72%
- EPS:560.3円
総合ディベロッパー7社の平均ROEは9.3%、ROAは2.69%です。
LAホールディングスの経営効率は、総合ディベロッパー7社の平均を大きく上回っています。
総合ディベロッパー7社の平均営業利益率は19.72%です。
LAホールディングスの営業利益率は、総合ディベロッパー7社の平均を少し下回っています。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:24.6%
- 有利子負債倍率:2.84倍
自己資本比率は、総合ディベロッパー7社の平均が29.31%です。
LAホールディングスの自己資本比率は、総合ディベロッパー7社の平均を下回っています。
有利子負債倍率は、総合ディベロッパー7社の平均が1.34倍です。
LAホールディングスの有利子負債倍率は、総合ディベロッパー7社の平均を大きく上回っています。
利益剰余金は、総資産に対して30%以上が安心の目安と言われています。
LAホールディングスの利益剰余金は、総資産に対して19.5%となっています。
利益剰余金は増加傾向で、自己資本比率と有利子負債倍率も改善されています。
販売用不動産の購入で長期借入を行っているので、財務状況は悪くなってしまいます。
中期経営計画
LAホールディングスは、23年から25年までの中期経営計画を発表していました。
そこから24年1月に「中期経営計画」の最終年度に当たる25年度の計画値を上方修正しています。
基本方針
引用:LAホールディングス
LAホールディングスは、25年度までの中期経営計画でM&Aの強化を新しく追加しています。
地方の有力中堅企業との連携を進めることで、企業価値と事業規模の拡大に取り組んでいく方針です。
利益計画
引用:LAホールディングス
25年度の売上高は510億円、営業利益82億、経常利益74億を見込んでいます。
これは、25年度に新築不動産販売部門で大型開発案件の完成・販売を予定しているからです。
既存事業の深化
新築不動産販売・収益不動産開発
引用:LAホールディングス
再生不動産販売
引用:LAホールディングス
不動産賃貸
引用:LAホールディングス
新規事業の創出
引用:LAホールディングス
M&A戦略の強化
地方の有力中堅企業との連携を進めることで、企業価値と事業規模の拡大に取り組んでいく方針です。
M&Aの実績としては、沖縄県で分譲マンション開発を手掛ける株式会社ファンスタイルHDを完全子会社化しています。
M&Aの候補先として3つのイメージを持っています。
- 特定のマーケットにおいて高いシェアを有する地方の中堅企業
- 後継者不足など事業承継の課題を抱えている企業
- 独自の商品・サービスを有し、且つ参入障壁の高い市場で優位性を持つ企業
総資産の成長イメージ
引用:LAホールディングス
LAホールディングスは、25年度に総資産700億円を目指しています。
また、毎期高い利益成長を続けながら自己資本比率20%以上を維持を目指しています。
配当方針
LAホールディングスは、25年12月期までの配当性向を30%以上を目標にしています。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:220円(2024年12月期)
- 配当利回:4.71%(2024年2月14日)
- 配当性向:39.2%
配当金は、年1回の期末配当ですが7年連続増配中です。
現在の配当性向39.2%は、配当性向30%以上を目標にしているので問題ありません。
株主優待
残念ながらLAホールディングスは、株主優待の設定をしていませんでした。
まとめ
LAホールディングスを買うなら、5300円を上抜け出来るかに注目。
事業内容を見ると新築とリノベーション物件を手掛けるディベロッパーは珍しいです。
しかし、今後人口減少と共にリノベーションの需要は高まります。
その中で富裕層向けに販売するという戦略は投資目的としても幅が広がります。
23年度の業績は過去最高を更新していて、24年度と25年度も過去最高を更新予定です。
利益率や経営効率は不動産業の中でも非常に高いです。
しかし、有利子負債倍率や自己資本比率は大型物件などに備えるとどうしても厳しくなります。
23年8月に昨年来高値5260円を、24年2月に5270円で更新しました。
これまでのLAホールディングスのチャートのパターンから見ても休息は十分です。
しかし、23年度の決算発表後に株価は大幅に下落して4670円で終えました。
25年度の業績予想を考えると長期的には買い時と考えます。
また今後のリノベーション需要を考えると、長期保有が検討出来る銘柄です。