ジェイ・エス・ビー(3480)の株価分析と特徴をまとめていきます。
ジェイ・エス・ビーを5つのポイントで説明
- 学生マンションの賃貸事業を主力にする企業
- 24年10月期の業績は12期連続増収で9期連続増益予想
- 経営効率と財務基盤は平均を大きく上回る
- 連結総還元配当性向20%が目安
- 週足52MAでサポートされている事を確認して買いたい
ジェイ・エス・ビーの概要
ジェイ・エス・ビーは、学生マンションの企画開発から運営や管理までを行う、総合プロデュース企業です。
創業は1976年で、日本初の学生向け不動産賃貸業としてスタートしました。
学生マンション管理戸数は、業界トップクラスの85,453戸(23年10月期)です。
さらにコロナ禍でも学生マンションの入居率は99.9%とかなりの高水準です。
ジェイ・エス・ビーの主力事業は、この学生向けの不動産賃貸事業になります。
2011年からサービス付き高齢者向け住宅事業に参入しています。
不動産賃貸事業
事業コンセプト
引用:ジェイ・エス・ビー
ジェイ・エス・ビーの主力事業は不動産賃貸事業です。
学生マンションの企画・開発・提案、入居者募集、入居者・建物管理を一括サポートしています。
ジェイ・エス・ビーの強みは、学生マンション管理戸数がトップクラスと言う事です。
収益構造
引用:ジェイ・エス・ビー
これがジェイ・エス・ビーの不動産賃貸管理事業の収益構造です。
ジェイ・エス・ビーは、今後も安定的な管理戸数の増加と高い入居の維持率を見込んでいます。
高齢者住宅事業
事業コンセプト
引用:ジェイ・エス・ビー
高齢者住宅をコアに多世代共生型の街づくりをコンセプトにしています。
事業概要
引用:ジェイ・エス・ビー
高齢者住宅も学生マンションと同様に、多様なニーズに応える住宅を展開していきます。
付帯サービスのニーズに応えることで、高付加価値化による家賃の維持や上昇に取り組む計画です。
事業セグメント
ジェイ・エス・ビーは、3つのセグメントから成り立っています。
- 不動産賃貸管理事業:学生向けマンションをはじめとする不動産の企画開発、賃貸、管理業務
- 高齢者住宅事業:高齢者住宅賃貸及び介護事業
- その他事業:不動産販売事業、学生支援サービス及び日本語学校事業等
ジェイ・エス・ビーの売上構成比率(2023年10月期)
ジェイ・エス・ビーの売上の主力は、不動産賃貸管理事業で全体の86.9%を占めています。
ジェイ・エス・ビーの利益構成比率(2023年10月期)
利益の主軸は不動産賃貸管理事業になり、全体の96.6%を占めています。
この不動産賃貸管理事業の利益率は、14.5%になります。
また高齢者住宅事業の利益率は、10.4%になります。
売上総利益に対して、販売費及び一般管理費は36.8%を占めています。
しかし、前年の数値は38.5%だったので改善されています。
株価の推移
月足5年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:7.1倍
- PBR:1.61倍
不動産業の平均PERが19.1倍、PBRが1.4倍なので、かなり割安と判断されています。
チャート分析
月足5年チャートを見ると、上場をした17年から株価は緩やかですが、右肩上がりです。
月足移動平均線は全て上向きなので長期的に上昇傾向です。
週足移動平均線は52MAは上向きですが、13MAが26MAをデッドクロスしています。
24年10月期は、売上高、営業利益を過去最高を更新予想です。
株価は、週足52MA付近でサポートされているようにも見えます。
しかし、2600円付近で2回頭打ちになっている事に注意が必要です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2023年に637億円、営業利益の過去最高も2023年の71億円です。
24年10月期の売上高と営業利益は、過去最高を更新予想です。
これは、12期連続増収、9期連続増益で過去最高の業績の更新予想となります。
要因として、不動産賃貸事業で物件管理戸数を約9000戸の増加と高い入居率です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:11.00%
- ROE:22.75%
- ROA:10.59%
- EPS:336.6円
ROEは10%以上、ROA5%以上あれば経営効率の優秀な企業の目安になります。
ジェイ・エス・ビーは経営効率が優秀な企業と言う事が分かります。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:46.5%
- 有利子負債倍率:0.71倍
自己資本比率は、不動産業の平均が41.6%なので平均を上回る企業です。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を大きく下回る企業です。
利益剰余金は、総資産に対して30%以上が安心の目安と言われています。
ジェイ・エス・ビーの利益剰余金は、総資産に対して34.9%です。
利益剰余金が毎年積みあがっているので、本業が順調と言えます。
長期ビジョン
ジェイ・エス・ビーは2030年に向けた長期ビジョンを発表しています。
事業ビジョン
引用:ジェイ・エス・ビー
事業戦略目標
引用:ジェイ・エス・ビー
2030年までの大きな事業戦略は、大きく3つです。
- 学生マンションは、47都道府県への展開だけでなく海外進出も検討
- 新規事業としてHR(ヒューマン・リソース)事業の展開
- 学⽣向けサービス総合プラットフォーマーとして新しいマーケットを創造
中期経営計画
ジェイ・エス・ビーは26年までの中期経営計画を発表しています。
経営数値目標
26年10月期目標値
引用:ジェイ・エス・ビー
中期経営計画で26年10月期は、売上高788億円、営業利益87億円を計画しています。
前回の中期経営計画では、公募増資を行った事で成長投資を加速させ、目標数値を上方修正していました。
利益計画
引用:ジェイ・エス・ビー
事業ポートフォリオ
キャピタルアロケーションの方針
引用:ジェイ・エス・ビー
ジェイ・エス・ビーは、2026年までに300億円の投資計画を発表しています。
事業ポートフォリオマネジメント戦略
引用:ジェイ・エス・ビー
ジェイ・エス・ビーは、事業ポートフォリオマネジメント戦略で以下の4つを掲げています。
- 学⽣マンション事業の更なる拡⼤
- 新規事業領域への成⻑投資
- ROICの重視による資本効率の向上
- 事業別B/S、事業別ROIC算定に向けた環境整備
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:31円(2024年10月期)
- 配当利回:1.13%(2022年2月18日)
- 配当性向:9.9%
ジェイ・エス・ビーの株主還元は、連結総還元性向20%を目標にしています。
配当金は、年1回の期末配当ですが6年連続増配してきました。
24年10月期の配当は、前期から1円減配の31円になります。
ジェイ・エス・ビーは、普通配当と特別配当の2つがあります。
23年10月期の普通配当が40円となっており、減配の実績はありません。
24年10月期の年間配当金の内訳の予想ですが、普通配当41円となっております。
そこに、グランユニライフケアサービス譲渡に伴う特別配当20円で61円となります。
株主優待
残念ながらジェイ・エス・ビーは、株主優待の設定をしていませんでした。
まとめ
ジェイ・エス・ビーを買うなら、週足52MAにサポートされている事を確認しながら買いたい。
月足と週足の移動平均を見ても、右肩上がりに上昇してきました。
株価は、2600円付近で2回頭打ちになって下落しています。
しかし、週足52MA付近でサポートされているようにも見えます。
直近は、週足52MAでサポートされていることを確認したいです。
しかし、2600円付近で2回頭打ちになっている事に注意が必要です。
しかし、3200円を超えると直近3か月の高値圏となり売られています。
次の節目は、3300円付近になります。
月足5年チャートを見ると、上場をした17年から株価は緩やかですが、右肩上がりです。
月足移動平均線は全て上向きなので長期的に上昇傾向です。
週足移動平均線は52MAは上向きですが、13MAが26MAをデッドクロスしています。
業績に関しては、24年10月期は、売上高、営業利益を過去最高を更新予想です。
これは、上場準備をしていた2015年度から9期連続過去最高を更新する見込みです。
主力事業の不動産賃貸事業は景気に左右されにくいビジネスです。
事業内容は、国内トップの学生マンションの管理戸数で99.9%の入居率はかなり魅力です。
現在少子化で大学進学者も減少していますが、提携先は全国の大学等で1000校あります。
海外の留学生向け、女性向け、家具家電付等の付加価値のある物件を提供しています。
この事を考えると、今後も高い入居率で推移することが予想出来ます。
さらに学生マンションの賃貸事業で培ったノウハウを高齢者住宅事業にも活かしています。
長期的な目線で考えると、学生の減少を高齢者住宅事業で補う事になると思います。
急激な成長は難しいと考えられますが、前回の中期経営計画は前倒しで達成しています。
ジェイ・エス・ビーは、安定した利益率で着実な成長が期待できる企業です。