ジェイエスビー(3480)の株価を分析していきます。
ジェイエスビーを5つのポイントで説明
- 学生マンションの賃貸事業を主力にする企業
- 22年10月期の業績は10期連続増収、9期連続増益予想
- 経営効率と財務基盤は平均を大きく上回る
- 配当金は6期連続増配予想で連結総還元配当性向20%が目安
- 3300円を超えて買いを検討したいが信用倍率が高水準
ジェイエスビーの概要
ジェイエスビーは、学生マンションの企画開発から運営や管理までを行う、総合プロデュース企業です。
創業は1976年で、日本初の学生向け不動産賃貸業としてスタートしました。
学生マンション管理戸数は、業界トップクラスの75,946戸(21年10月期)です。
さらにコロナ禍でも学生マンションの入居率は99.9%とかなりの高水準です。
ジェイエスビーの主力事業は、この学生向けの不動産賃貸事業になります。
2011年からサービス付き高齢者向け住宅事業に参入しています。
不動産賃貸事業
引用:ジェイエスビー
ジェイエスビーの主力事業は不動産賃貸事業です。
学生マンションの企画・開発・提案、入居者募集、入居者・建物管理を一括サポートしています。
ジェイエスビーの強みは、学生マンション管理戸数がトップクラスと言う事です。
高齢者住宅事業
事業コンセプト
引用:ジェイエスビー
高齢者住宅をコアに多世代共生型の街づくりをコンセプトにしています。
事業概要
引用:ジェイエスビー
高齢者住宅も学生マンションと同様に、多様なニーズに応える住宅を展開していきます。
付帯サービスのニーズに応えることで、高付加価値化による家賃の維持や上昇に取り組む計画です。
事業セグメント
ジェイエスビーは、3つのセグメントから成り立っています。
- 不動産賃貸管理事業:学生向けマンションをはじめとする不動産の企画開発、賃貸、管理業務
- 高齢者住宅事業:高齢者住宅賃貸及び介護事業
- その他事業:不動産販売事業、学生支援サービス及び日本語学校事業等
ジェイエスビーの売上構成比率(2021年10月期)
ジェイエスビーの売上の主力は、不動産賃貸管理事業で全体の93.8%を占めています。
ジェイエスビーの利益構成比率(2021年10月期)
ジェイエスビーの利益の主力も、不動産賃貸管理事業で全体の94.9%を占めています。
この不動産賃貸管理事業の利益率は13.4%になります。
また高齢者住宅事業の利益率も12.6%あります。
売上総利益に対して、販売費及び一般管理費は40.7%を占めています。
しかし直近5年で見ると50%以上だったのが年々改善されています。
株価の推移
月足5年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:8.7倍
- PBR:1.44倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、少し割安と判断されています。
チャート分析
週足5年チャートを見てみると、直近の2900円に節目があります。
2700円台になると買い戻されて株価が反発しています。
週足移動平均線は、13MAが上向きですが26MAと52MAが下向きなので中期的には下落傾向です。
しかし、ローソク足は26MAを上に抜いてきたので上昇トレンドに入ろうとしています。
年初来高値の3235円を抜いてからでも上昇トレンドに乗れると思います。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2021年に527億円、営業利益の過去最高も2021年の53億円です。
22年10月期の売上高と営業利益は、過去最高を更新予想です。
要因として、不動産賃貸事業で物件管理戸数を約4400戸の増加と高い入居率です。
さらに非対面営業へのシフトすることで、売上原価の減少を見込んでいます。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:10.27%
- ROE:16.47%
- ROA:7.58%
- EPS:363.2円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を大きく上回る企業です。
大手ディベロッパー28社の平均営業利益率は12%なので、平均を少し下回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:46.0%
- 有利子負債倍率:0.69倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので平均を大きく上回る企業です。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を大きく下回る企業です。
利益剰余金は、総資産に対して30%以上が安心の目安と言われています。
ジェイエスビーの利益剰余金は、総資産に対して29.9%です。
しかし、利益剰余金が毎年積みあがっているので、本業が順調な事がわかります。
長期ビジョン
ジェイエスビーは2030年に向けた長期ビジョンを発表しています。
事業ビジョン
引用:ジェイエスビー
事業戦略目標
引用:ジェイエスビー
2030年までの大きな事業戦略は、大きく3つです。
- 学生マンションは、47都道府県への展開だけでなく海外進出も検討
- 新規事業としてHR(ヒューマン・リソース)事業の展開
- 学⽣向けサービス総合プラットフォーマーとして新しいマーケットを創造
中期経営計画
ジェイエスビーは23年までの中期経営計画を発表しています。
経営数値目標
23年10月期目標値
引用:ジェイエスビー
中期経営計画の初年度の21年10月期は、当初計画を超過して達成しています。
また公募増資を行った事で成長投資を加速させ、目標数値を上方修正しています。
修正後の計画は、売上高619億円、営業利益67億円になります。
セグメント別利益目標
引用:ジェイエスビー
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:36円(2022年10月期)
- 配当利回:1.13%(2022年2月18日)
- 配当性向:9.9%
配当金は、年1回の期末配当ですが6年連続増配予想です。
ジェイエスビーの株主還元は、連結総還元性向20%を目標にしています。
21年10月期は、配当性向10.5%ですが自社株買いを行ったので総還元性向は20.5%でした。
22年10月期の配当性向が9.9%なので、自社株買いが期待出来ます。
株主優待
残念ながらジェイエスビーは、株主優待の設定をしていませんでした。
まとめ
ジェイエスビーを買うなら、3300円を超えてから買いを検討したい。
2700円付近の底値を固めて再度年初来高値の3235円をつけました。
しかし、3200円を超えると直近3か月の高値圏となり売られています。
次の節目は、3300円付近になります。
現在の信用倍率が高い水準なので押し戻される可能性があります。
この3300円の節目付近の値動きを見てからでもいいと思います。
主力事業の不動産賃貸事業は景気に左右されにくいビジネスです。
事業内容は、国内トップの学生マンションの管理戸数で99.9%の入居率はかなり魅力です。
現在少子化で大学進学者も減少していますが、提携先は全国の大学等で1000校あります。
海外の留学生向け、女性向け、家具家電付等の付加価値のある物件を提供しています。
この事を考えると、今後も高い入居率で推移することが予想出来ます。
さらに学生マンションの賃貸事業で培ったノウハウを高齢者住宅事業にも活かしています。
長期的な目線で考えると、学生の減少を高齢者住宅事業で補う事になると思います。
急激な成長は難しいですが、安定した利益率で着実な成長が期待できる企業です。