東急不動産HD(3289)の株価分析と特徴をまとめしていきます。
東急不動産HDを5つのポイントで説明
- 東急不動産HDの事業ポートフォリオは綺麗に分散出来ている
- 海外事業はアメリカが主力だが近年はインドネシアにも注力
- 配当は11期連続減配をしない予想
- 優待目的でオススメの銘柄
- まずは810円付近で反発出来るに注目
東急不動産HDの概要
東急不動産HDは、不動産業界4位のディベロッパーで、大手ディベロッパーの5社の中で唯一の電鉄系企業です。
特に、首都圏を中心とした都市事業に強みを持っています。
東急不動産HDの保有している物件の約80%は都心4区(渋谷区29%、港区26%、千代田区16%、中央区13%)にあります。
三井不動産や三菱地所と比べると、中規模ビルの開発をしていて築浅物件が多いのも特徴です。
国内住宅事業では、2006年に「BRANZ」というブランドを誕生させています。
「BRANZ」シリーズは、年間1000戸台から2000戸台のマンションを供給しています。
その中でも「ブランズシティ世田谷中町」は、東京都の「一般住宅を併設したサービス付き高齢者向け住宅整備事業」の第一号選定プロジェクトになっています。
海外事業
引用:東急不動産HD
海外事業は米国、中国、インドネシア、シンガポール、パラオに進出しています。
22年3月末時点で海外事業の総投資額は1560億円になっていて、その内1210億円をアメリカに投資してきました。
賃貸住宅を中心にオフィスも含めた進行中のプロジェクトは17件です。
また近年は、インドネシアに注力していています。
東急不動産が、1975年に初めて海外進出した国で、現在では累計約4,500戸の戸建住宅を分譲しています。
その中でも2018年に3000戸の分譲マンション「BRANZ BSD」で海外初のブランズの進出を果たしています。
また、現在はジャカルタ市内の中心部で大規模複合施設開発事業「メガクニンガンプロジェクト」を進めています。
広域渋谷圏構想
引用:東急不動産HD
東急不動産HDは、東急沿線の都市開発に強みを持っています。
特に渋谷の都市開発には力を入れています。
現在は、渋谷とその周辺の開発を進める「広域渋谷構想園」という街づくり計画も行っています。
三菱地所が「丸の内の大家」と言われるように、東急不動産HDは「渋谷の大家」と言われています。
再生可能エネルギー
引用:東急不動産HD
大手デベロッパーの中でも、先行して再生可能エネルギー事業に取り組んでいます。
全施設稼働後の総発電量は、原発1基分(約1,000MW)を超える発電能力を持っています。
事業セグメント
東急不動産HDは、主に7つのセグメントから成り立っています。
- 都市開発事業:オフィスビル・商業施設などの開発、賃貸、運営やマンション等の住宅分譲
- 戦略投資事業:再生可能エネルギー発電施設・物流施設などの開発、賃貸、運営やREIT・ファンドの運用事業、海外における不動産開発の投資
- 管理運営事業:マンション・ビル等の総合管理業務や改修工事等、会員制リゾートホテル、都市型ホテル、ゴルフ場、スキー場、シニア住宅等の分譲・運営、フィットネスクラブ等、小売りのハンズ事業、環境緑化事業
- 不動産流通事業:不動産の売買仲介、買取再販事業、販売代理等や賃貸住宅・学生マンションの管理運営
東急不動産HDの売上構成比率(2023年3月期)
東急不動産HDの事業ポートフォリオは、バランス良く分散されていいます。
売上の主軸は、都市事業セグメントの都心部のオフィスビルです。
また管理運営事業が32.2%、不動産流通事業が26%を占めています。
東急不動産HDの利益構成比率(2023年3月期)
利益の主軸も都市開発事業になっていて、利益全体の48.9%を占めています。
都市開発事業の利益率は17.1%で、利益率高さは戦略投資事業に次ぐ2番目です。
また2番目に利益を稼いでいるのが、不動産流通事業です。
利益全体の28.1%を占めていて、利益率は12.8%になっています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:9.4倍
- PBR:0.85倍
不動産業の平均PERが10.9倍、PBRが1.2倍なので、株価は割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると株価は、21年6月まで高値を切り下げていました。
しかし、22年に底を打ち株価は回復しています。
月足10年チャートを見ると12MAと24MAは上向きで、60MAが上向き始めています。
週足チャートを見てみると22年6月につけた812年付近が下値目途になります。
週足移動平均線は全て上向きですが、26MAが52MAより下にあります。
この週足26MAが52MAより上になれば、さらなる上昇が期待できます。
23年6月に高値の885円をつけて調整中ですが、まずは810円付近で反発出来るかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は2023年に1兆58億円、営業利益の過去最高も2023年の1104億円。
2024年3月期も売上高、営業利益も過去最高を更新する予想です。
東急不動産HDの保有するホテルは、土地や建物を不動産オーナーから借りて運営しているところが多いのが特徴です。
売り上げの落ち込みや稼働率の低下が利益に反映されやすいので、大手の中でも営業利益に響いています。
「Go Toトラベルキャンペーンがあった時期は相当回復した」との社長のコメントがありました。
経済再開やGo Toキャンペーンだけでなくインバウンドの動き出てきているので引き続き期待できます。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:10.00%
- ROE:9.06%
- ROA:2.26%
- EPS:87.4円
総合ディベロッパー7社の平均ROEは9.1%、ROAは2.63%なので、平均的な経営効率です。
総合ディベロッパー7社の平均営業利益率は18.48%なので、平均を大きく下回る営業利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:25.0%
- 有利子負債倍率:2.17倍
総合ディベロッパー7社の自己資本比率の平均が29.13%、有利子負債倍率の平均が1.87倍です。
東急不動産HDの財務状況は、平均を大幅に下回っています。
利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。
剰余金は年々増加していますが、総資産に対して14.3%しかありません。
中期経営計画2025
経営数値目標
引用:東急不動産HD
株主還元策
引用:東急不動産HD
東急不動産HDは、「株主に対する利益還元を最重要政策のひとつ」と考えていて、株主還元に積極的です。
2030年までの中期経営計画にも「安定的な配当政策を継続維持しつつ、30%以上の配当性向を目標として利益配分を決定する」としています。
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:28円(2024年3月期予定)
- 配当利回:3.40%(23年6月30日終値)
- 配当性向:32.0%
上の表では18年3月期に8円になっていますが、実際は配当金は10期連続減配無しです。
24年度3月期も中期経営計画に基づいて4円増配予定です。
21年度3月期の配当性向53.1%だった事も考えると、減配はしたくない方針なのが分かります。
株主優待
東急不動産HDは、株主優待券だけでなく継続的に長期保有している人に向けて、継続保有株主優遇制度を設けています。
継続保有株主優遇制度
500株以上で3年以上継続保有すると対象期間の保有株式数に応じて、オリジナルカタログギフトを年1回(6月末)がもらえます。
カタログギフトの内容
- 東急ハンズの商品
- 東急不動産HDが運営しているリゾートホテル、ゴルフ場、スキー場等の支払いに利用可能な施設利用券
- 東急スポーツオアシスのご利用券
- 食品
- 寄付
上記の中から1つ選ぶことが出来ます。
保有期間と保有株式数
引用:東急不動産HD
保有期間の算出は、株主名簿に、同一株主番号で、当該3月末日割当日を含む直近7回の割当日(3月末日、9月末日)に継続して記載される事が条件です。
その7回の割当日に保有されていた最小株式数でカタログギフトが決まります。
株主優待券
東急不動産HDが運営しているリゾート施設やホテル、フィットネスクラブ等を優待料金で利用出来る優待券を年2回(6月末、12月上旬)発行しています。
東急ハンズのお買物優待カードは3月末日割当日の保有株式数に応じて、年1回(6月末)に発行しています。
引用:東急不動産HD
まとめ
東急不動産を買うなら、優待目的に向いている銘柄なのでオススメ。
まずは、810円付近で反発出来るかに注目。
特に新興企業の入居が多い渋谷エリアのオフィス賃貸は、三菱地所の丸の内と違って不況の影響を受けやすいが特徴です。
また、ホテル事業に関しても土地や建物をオーナーから借りています。
コロナショックの様に使用率が低くなると利益率にダイレクトに反映されます。
しかし、経済が活発になったりインバウンドの需要を大きく受けれる事もメリットです。
東急不動産HDの業績は、2013年から右肩上がりに成長を続けています。
また直近の業績は、2期連続で過去最高を更新しています。
24年3月期も売上高と営業利益で、過去最高を更新予想です。
また東急不動産は、東京都の「一般住宅を併設したサ高住整備事業」の第一号認定を受けています。
また大手ディベロッパーの中でも、他社に先駆けて再生可能エネルギー事業にも取り組みを見せています。
海外事業では、アメリカで17件の賃貸住宅とオフィスのプロジェクトに取り組んでいます。
さらに長年注力してきたインドネシアでの大型複合開発があります。
国内では「広域渋谷圏構想」の再開発事業もあるので今後の期待ができます。
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