ケイアイスター不動産(3465)の株価を分析していきます。
ケイアイスター不動産を5つのポイントで説明
- 財務状況は良くないが経営効率は平均を大きく上回っている
- 売上の主力事業はマス層をターゲットにした新築分譲住宅
- 上場してから6期連続増収増益で22年3月期も過去最高更新予定
- 高配当銘柄で今後も成長が期待できる銘柄
- 株価は窓埋めがあるのかと2番底を確認したい
ケイアイスター不動産の概要
ケイアイスター不動産は、地域密着型の総合不動産企業として首都圏を中心に、1次取得層向け戸建住宅分譲などの不動産事業を展開している企業です。
筆頭株主である塙圭二氏は、同社の代表取締役社長で、経歴をみると不動産営業畑の出身です。
2018年度、2019年度と2年連続で戸建住宅着工棟数、全国ビルダーグループ第3位を獲得している勢いのあるビルダーです。
ケイアイスター不動産の強みは、コンパクト分譲開発によるセミオーダー新築住宅(高品質・低価格なデザイン住宅)です。
ITシステムで統合された一気通貫の供給体制により「コンパクト分譲開発」を実現して、「セミオーダー新築」戸建を全国に供給しています。
さらに、テクノロジープラットフォームによる独自のビジネスモデルをベースに、戸建住宅の全国展開および全国シェアの拡大を加速しています。
また用地の取得から開発、企画、施工、販売だけでなく、アフターサービス、リフォーム、買取りなどを対応する「社内責任一貫体制」を確立させています。
三栄建築設計、株式会社オープンハウス、ケイアイスター不動産は、「SDGs」の課題解決のために「一般社団法人日本木造分譲住宅協会」を設立して参画しています。
顧客ターゲット
引用:ケイアイスター不動産
顧客ターゲットは、ボリュームのあるマス層(年収100万~500万)に絞っています。
既存エリアでのシェア
引用:ケイアイスター不動産
ケイアイスター不動産、北関東と九州地区でシェアを確実に伸ばしています。
特に首都圏、関西、中部エリアのシェア拡大には、まだまだ伸びしろがあります。
実際に22年3月には、これらのエリアに新規出店を行っています。
事業セグメント
ケイアイスター不動産は、主に8つのセグメントから成り立っています。
- 分譲住宅事業:分譲住宅の販売や分譲住宅に係る追加工事など
- 注文住宅事業:注文住宅の販売や注文住宅に係る追加工事など
- よかタウン事業:福岡県を中心に分譲住宅販売、土地販売及び注文住宅販売
- 旭ハウジング事業:神奈川県で分譲住宅の販売及び土地の販売
- 建新事業:神奈川県で分譲住宅の販売及び注文住宅や土地の販売、土木造成工事
- 東京ビッグハウス事業:東京都を中心に分譲住宅販売、リノベーションマンション販売、リフォーム等
- ケイアイプレスト事業:関東で分譲住宅の販売及び注文住宅など
- その他事業:中古住宅事業、不動産賃貸業・不動産仲介事業等
ケイアイスター不動産の売上構成比率(2022年3月)
売上の主軸は分譲住宅事業で、売上構成比の67.5%を占めています。
ケイアイスター不動産の利益構成比率(2022年3月)
利益の主軸も分譲住宅事業で、利益構成比の76.1%を占めています。
株価の推移
週足3年チャート
引用:株探
日足半年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:4.8倍
- PBR:1.76倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、割安と判断されています。
チャート分析
株価は、21年11月に上場来高値の9370円をつけて下落傾向です。
22年3月に4460円で底打ちをして、6090円まで回復しました。
現在は2番底を探す展開になっていて、下落しています。
週足3年チャートを見ると、13MAと26MAは下向きなのでしばらくは下落傾向です。
ケイアイスター不動産の業績は、業績が好調で5%を超える高配当銘柄です。
この事から一気に落ちる事は考えにくいです。
しかし21年5月に窓を開けて上昇していますが、その時の窓を埋めていません。
窓埋めの4000円付近が節目になっていたので、窓埋めをするのかにも注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は2022年に1兆8438億円、営業利益の過去最高も2022年の236億円です。
上場してから5年間の四半期ごとの決算で前年割れをしたのは、1回だけで前年比ー0.2%です。
2020年の下期からは2桁増収で成長してきましたが、2022年は利益面で成長の鈍化を感じます。
しかし、2022年3月期も過去最高を更新予定です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:11.59%
- ROE:36.34%
- ROA:9.80%
- EPS:1011.7円
平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率が非常に良い企業です。
不動産業の平均営業利益率は11.1%なので、営業利益率は少し低いです。
EPSは、上場してから6年連続で右肩上がりです。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:27.0%
- 有利子負債倍率:1.96倍
不動産業の自己資本比率の平均が33.4%、有利子負債倍率の平均が1.34倍です。
これに対してケイアイスター不動産は、大幅に下回っている財務状況です。
剰余金も、総資産に対して約20%しかありません。
しかし、年々自己資本比率と有利子負債倍率は改善傾向にあります。
成長戦略
コンパクト分譲開発によるセミオーダー新築住宅
引用:ケイアイスター不動産
現在の住宅業界のトレンドでは、オリジナリティを求めるユーザーが多いのでどうしても高価格になってしまいます。
しかしケイアイスター不動産は、独自システムの「KEIAI PLATFORM」を活用することで、低価格での供給を実現しています。
KEIAI PLATFORM
引用:ケイアイスター不動産
新規事業エリアの拡大
引用:ケイアイスター不動産
2022年3月時点で9店舗の新規事業エリアを拡大しています。
元々強みのある北関東や九州だけでなく、首都圏や関西圏、中部圏への進出です。
これまでに出店したエリアでシェアを確実に伸ばしてきました。
今回の出店でもシェアの拡大や業績の拡大が期待出来ます。
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:280円(2022年3月期予定)
- 配当利回:5.71%(22年5月27日終値)
- 配当性向:27.6%
配当は、コロナショック時に一度減配しています。
しかし、業績拡大に伴って配当金は増配傾向で、今期も15円増配を予定しています。
2017年3月期より連結配当性向30%を採用しているので、しっかり納まっています。
株主優待
引用:株探
ケイアイスター不動産は、毎年9月30日時点に100株以上保有でクオカードがもらえます。
まとめ
ケイアイスター不動産を買うなら、2番底を確認したい。
ケイアイスター不動産は、オーナー企業、7期連続増収増益予定、経営効率も高い企業です。
また配当利回りも5%を超える高配当銘柄です。
新規事業のエリア拡大中なので、成長で株価上昇を期待できる企業です。
しかし、上場来高値をつけて下落傾向になっているのはモメンタムがなくなっていると考えられます。
コロナ禍でリモートワークの注目を得たケイアイスター不動産は、多くの人に知られる企業になりました。
好業績で高配当銘柄なので一気に下げていくことはないと考えます。
しかし、まだ21年5月に開けた窓を埋めていない事や次の節目は4000円付近にあります。
配当利回りと業績だけで飛びつかず、しっかり2番底を確認して購入したい銘柄です。
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