タマホーム(1419)の株価分析と特徴をまとめていきます。
タマホームを5つのポイントで説明
- 低コスト、良品質を売りにするパワービルダー
- 売上と利益の主力は住宅事業だが利益率がかなり低い
- チャートは月足と週足移動平均線は上昇傾向
- 3750円から4000円までの窓埋めが出来るかに注目
- 自己資本比率は平均以下だが着実に改善している
タマホームの概要
タマホームは、九州を地盤に低コストで良品質の注文住宅に強みを持つパワービルダーです。
2019年度の全国の注文住宅着工数は全国4位、佐賀県、長崎県、大分県、和歌山県では1位を取りました。
2022年度の住宅部門の当期累計受注棟数・着⼯棟数・売上棟数は、2期連続でトリプル10000棟を達成しました。
また住宅メーカーとしては珍しく金融事業、エネルギー事業も展開しています。
金融事業は、住宅火災保険販売やフラット35の利用促進やつなぎ融資を行っています。
エネルギー事業は、福岡県にメガソーラー発電所を持っています。
このメガソーラーの運営をして売電事業もしています。
施工の直接管理
引用:タマホーム
タマホームは、工期が短い事も購入者から人気の一つで強みにしています。
一般的に住宅の工期は一棟あたり4~6ヶ月ですが、タマホームは75日で完成します。
他社は施工管理を外部委託をしている場合が多いです。
しかしタマホームは自社で行う事で、短い工期を実現させています。
その結果、営業一人当たりの年間平均受注戸数も大手住宅メーカーの約2倍なのも特徴です。
主力商品
タマホームの主力商品は、注文住宅の「大安心の家」、「木麗な家」です。
この商品は自由設計、長期優良住宅に対応している注文住宅です。
さらに低価格という事もありコストパフォーマンスが高く人気の商品です。
事業セグメント
タマホームは、5つのセグメントから成り立っています。
- 住宅事業:戸建住宅、集合住宅の建築請負、リフォーム
- 不動産事業:戸建分譲・マンションの開発・分譲、賃貸ビルのサブリース、オフィス区分所有権の販売、不動産仲介
- 金融事業: 火災保険、生命保険等の保険代理業、住宅購入者向けつなぎ融資
- エネルギー事業:メガソーラー発電施設の運営、経営
- その他事業:家具・インテリア事業、広告代理業及び海外事業等
タマホームの売上構成比率(2023年5月期)
売上の主軸は住宅事業で、全体の約78.9%を占めています。
タマホームの利益構成比率(2023年5月期)
利益の主軸も住宅事業で全体の約67.7%を占めています。
住宅事業の利益率だけで見ると、4.4%とかなり低いです。
前期の利益率が約2.7%だったので、利益率は改善されています。
タマホームがローコストで戦える理由は、他の事業で利益があるからだと考えられます。
不動産事業が5.8%、金融事業が20.2%、エネルギー事業が32.7%の利益率になっています。
しかし、不動産事業が増収減益、金融事業が減収減益しています。
前期は、不動産事業が11.9%、金融事業が41.9%、エネルギー事業が33%の利益率でした。
不動産事業が減益した理由は、原価・販管費の増加と新規の分譲マンションが無かったからです。
金融事業が減益した理由は、火災保険制度改定で保険期間の短縮による手数料収入の減少とフラット35全体の利用率の低下傾向が続いているからです。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
日足6か月チャート
引用:株探
株価指標
- PER:10.3倍
- PBR:2.72倍
不動産業の平均PER10.9倍、PBRが1.2倍なので、割高と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると移動平均線は全て上向きなので長期的にも上昇傾向です。
週足5年チャートを見てもチャートは右肩上がりで26MAと52MAは上向きです。
現在の株価は、上場来高値の4125円をつけて下落をして調整中です。
23年5月期の決算発表では、過去最高の業績更新と増配を発表しました。
この影響で、株価は再び上場来高値を目指すと思います。
しかし、日足6か月チャートを見ると上場来高値から窓を大きく開けて下落しています。
まずは、窓をしっかり埋めれるかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は直近の2023年の256億円で、営業利益の過去最高も2023年の132億円。
24年5月期も8期連続の増収増益を予想していて、過去最高を更新予定です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:5.49%
- ROE:26.38%
- ROA:8.25%
- EPS:317.4円
パワービルダー5社の平均ROEは18.77%、ROAは6.17%なので、平均を大きく上回る経営効率です。
パワービルダー5社の平均営業利益率は7.84%なので、平均を大きく下回る営業利益率です。
パワービルダーの特徴のとして低価格帯での戸建供給は、利益率が低い傾向になります。
その中でもタマホームは、パワービルダー5社の中で営業利益率が最下位でした。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:31.3%
- 有利子負債倍率:0.53倍
自己資本比率は、パワービルダー5社の平均が36.42%になっているので平均より低いです。
有利子負債倍率は、パワービルダー5社の平均が1.20倍なので大きく下回っています。
利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。
剰余金は年々増加していますが、総資産に対して24.8%しかありません。
中期経営計画
タマホームは、2026年に向けた新しい中期経営計画「タマステップ2026」を発表しました。
数値目標
引用:タマホーム
重点事業と主な施策
引用:タマホーム
注文住宅事業
引用:タマホーム
戸建分譲事業
引用:タマホーム
リフォーム事業
引用:タマホーム
不動産事業
引用:タマホーム
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:タマホーム
- 配当金:185円(2024年5月期)
- 配当利回:5.65%(2023年7月11日)
- 配当性向:58.3%
24年5月期の配当金は1株185円を予定していて、8年連続増配を予定しています。
また23年5月期の配当金は1株170円を予定していましたが、1株180円に増配しています。
配当性向は59.9%になっていますが、直近5年を見ても40%以上で設定しています。
財務状況も年々改善傾向にあるので、今後の増配に関しても期待できます。
株主優待
5月末と11月末時点で100株以上保有の株主に500円分のクオカードがもらえます。
また3年以上継続保有した場合は、1000円分のクオカードがもらえます。
まとめ
タマホームを買うなら、上場来高値までの窓埋め出来るかに注目。
現在の株価は、23年5月に上場来高値の4125円をつけて、窓を開けて下落し調整中です。
月足、週足のチャートを見ても移動平均線は上向きなので、株価は上昇傾向にあります。
また23年5月期の決算発表では増収増益と増配の発表がありました。
株価は、再び上場来高値を目指す動きになると思います。
上場来高値を更新するには、窓埋め出来るかに注目です。
配当金を見ると8期連続増配予定で、5%を超える高配当銘柄です。
その反面で、配当性向も40%台から50%台に上がりました。
来期も過去最高の業績を更新予想なので、業績から考えると問題のない範囲です。
しかし、懸念点が2つあります。
それは、フラット35の利用率の低下と営業利益率の低さです。
金融事業の減収減益した理由の1つが、フラット35全体の利用率の低下です。
タマホーム自体でも利用が減少していて、注文受注棟数も前期と比べて875棟減っています。
また、営業利益率はパワービルダー5社の中で最下位の結果になりました。
しかし、前期に比べて住宅事業の営業利益率は改善されてきています。
今後も住宅事業の営業利益率の改善に期待したいです。
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