タマホーム(1419)の株価分析と特徴をまとめていきます。
タマホームを5つのポイントで説明
- 低コスト、良品質を売りにするパワービルダー
- 売上と利益の主力は住宅事業だが利益率がかなり低い
- チャートは月足と週足移動平均線は上昇傾向
- 新規購入や配当目的での購入は様子見推奨
- 自己資本比率は平均以下だが着実に改善している
タマホームの概要
タマホームは、九州を地盤に低コストで良品質の注文住宅に強みを持つパワービルダーです。
2019年度の全国の注文住宅着工数は全国4位、佐賀県、長崎県、大分県、和歌山県では1位を取りました。
住宅メーカーとしては珍しく金融事業、エネルギー事業も展開しています。
金融事業は、住宅火災保険販売やフラット35の利用促進やつなぎ融資を行っています。
エネルギー事業は、福岡県にメガソーラー発電所を持っています。
このメガソーラーの運営をして売電事業もしています。
施工の直接管理
引用:タマホーム
タマホームは、工期が短い事も購入者から人気の一つで強みにしています。
一般的に住宅の工期は一棟あたり4~6ヶ月ですが、タマホームは75日で完成します。
他社は施工管理を外部委託をしている場合が多いです。
しかしタマホームは自社で行う事で、短い工期を実現させています。
その結果、営業一人当たりの年間平均受注戸数も大手住宅メーカーの約2倍なのも特徴です。
主力商品
タマホームの主力商品は、注文住宅の「大安心の家」、「木麗な家」です。
この商品は自由設計、長期優良住宅に対応している注文住宅です。
さらに低価格という事もありコストパフォーマンスが高く人気の商品です。
事業セグメント
タマホームは、5つのセグメントから成り立っています。
- 住宅事業:戸建住宅、集合住宅の建築請負、リフォーム
- 不動産事業:戸建分譲・マンションの開発・分譲、賃貸ビルのサブリース、オフィス区分所有権の販売、不動産仲介
- 金融事業: 火災保険、生命保険等の保険代理業、住宅購入者向けつなぎ融資
- エネルギー事業:メガソーラー発電施設の運営、経営
- その他事業:家具・インテリア事業、広告代理業及び海外事業等
タマホームの売上構成比率(2022年5月期)
売上の主軸は住宅事業で、全体の約76.4%を占めています。
タマホームの利益構成比率(2022年5月期)
利益の主軸も住宅事業で全体の約44.6%を占めています。
住宅事業の利益率だけで見ると、約2.7%とかなり低いです。
また前期の利益率が約3.4%だったので、利益率が悪化しています。
これは、ウッドショックでの原価高騰と広告宣伝費の増加によるものです。
しかし不動産事業が約11.9%、金融事業が41.9%、エネルギー事業が33%の利益率になっています。
タマホームがローコストで戦える理由は、他の事業で利益があるからだと考えられます。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:11.0倍
- PBR:2.96倍
不動産業の平均PER15.2倍、PBRが1.2倍なので、割高と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると移動平均線は全て上向きなので長期的にも上昇傾向です。
週足5年チャートを見てもチャートは右肩上がりで移動平均線は全て上向きに見えます。
現在の株価は、上場来高値の3280円をつけてから横ばいです。
しかし、大きな窓を2つ開けて上昇しているので長期的には窓埋めの動きにも注意が必要です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は直近の2022年の240億円で、営業利益の過去最高も2022年の118億円。
23年5月期も7期連続の増収増益を予想していて、過去最高を更新予定です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:5.34%
- ROE:26.93%
- ROA:7.64%
- EPS:293.0円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を大きく上回る企業です。
不動産業の平均営業利益率は11.1%なので、平均よりも利益率の低い企業です。
パワービルダーの中でも低価格帯での戸建供給は、利益率が平均より低い傾向にあります。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:28.4%
- 有利子負債倍率:0.52倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%になっているので平均より低いです。
有利子負債倍率は、不動産業の平均は1.34倍なので大きく下回っています。
20年と比べて総資産はほぼ横ばいですが、財務CFと有利子負債倍率が大きく改善されています。
余剰金は、総資産に対して21.0%しかありません。
しかし直近3年でみると毎年35%以上で増加しています。
この事から、いかに本業が順調かが分かります。
中期経営計画
タマホームは、2026年に向けた新しい中期経営計画「タマステップ2026」を発表しました。
数値目標
引用:タマホーム
重点事業と主な施策
引用:タマホーム
注文住宅事業
引用:タマホーム
戸建分譲事業
引用:タマホーム
リフォーム事業
引用:タマホーム
不動産事業
引用:タマホーム
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:タマホーム
- 配当金:135円
- 配当利回:5.28%
- 配当性向:46.3%
2023年5月期の配当金は1株135円を予定していて、7年連続増配を予定しています。
配当性向は46.3%になっていますが、直近5年を見ても40%以上で設定しています。
財務状況も年々改善傾向にあるので、今後の増配に関しても期待できます。
株主優待
5月末と11月末時点で100株以上保有の株主に500円分のクオカードがもらえます。
また3年以上継続保有した場合は、1000円分のクオカードがもらえます。
まとめ
タマホームを買うなら、窓埋めの可能性があるので様子見推奨。
23年5月期の見通しの上方修正・増配・自社株買いでチャートは2つの窓を開けて上昇しました。
月足、週足のチャートを見ても移動平均線は上向きなので、株価は上昇傾向にあります。
しかし、過去のチャートを見ると大幅上昇した後は出来高が徐々に減り下落しています。
この事からも中長期的には窓埋めの可能性があるのではないかと考えます。
配当金を見ると7期連続増配予定で、5%を超える高配当銘柄です。
配当性向も40%台なので妥当な範囲で、財務状況も年々改善されてきています。
自己資本比率は平均より少し低いですが、時間の問題と思います。
現在の株価3200円台でも配当利回り5%以上あるので焦る必要はないと思います。
当面は、決算を見ながら窓埋めの2900円割れや2500円割れを待ってもいいと思います。
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