総合ディベロッパー7社を22年度の決算と23年度の決算予想を元にランキング形式で発表します。
ランキング結果
野村不動産HD
住友不動産
ヒューリック
三菱地所
三井不動産
東京建物
東急不動産HD
野村不動産HD(3231)
引用:野村不動産HD
23年3月期実績
- 売上高:6447億円
- 営業利益:995億円
- 利益率:15.21%
- ROE:10.14%
- ROA:3.11%
- 自己資本比率:31.0%
- 有利子負債倍率:1.72倍
24年3月期予想
- 売上高:7500億円
- 営業利益:1030億円
- 営業利益率:13.73%
- ROE:9.95%
- ROA:3.08%
野村不動産HDの特徴
- 野村證券系の総合不動産で不動産業界5位
- 売上の主力は住宅部門、利益の主力は都市開発部門
- 配当金は11年連続増配中で24年3月期も増配予定
- 用地調達能力は大手の中でダントツ
- 分譲マンション戸数は国内3位
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住友不動産(8830)
引用:住友不動産
23年3月期実績
- 売上高:9399億円
- 営業利益:2412億円
- 営業利益率:25.67%
- ROE:9.43%
- ROA:2.66%
- 自己資本比率:28.3%
- 有利子負債倍率:2.19倍
24年3月期予想
- 売上高:9700億円
- 営業利益:2550億円
- 営業利益率:26.29%
- ROE:9.73%
- ROA:2.75%
住友不動産の特徴
- 売上と利益の主力はオフィスビルを中心とした不動産賃貸事業
- 分譲マンション戸数は国内2位
- 不景気にも好景気にも強いビジネスモデル
- 24年3月期のEPSは12期連続予想で過去最高を更新予定
- 配当は21期連続減配無しで7年以内に倍増を宣言
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ヒューリック(3003)
引用:ヒューリック
22年12月期実績
- 売上高:5234億円
- 営業利益:1261億円
- 営業利益率:24.1%
- ROE:11.95%
- ROA:3.50%
- 自己資本比率:29.5%
- 有利子負債倍率:2.1倍
23年12月期予想
- 売上高:非開示
- 営業利益:1400億円
- 営業利益率:非開示
- ROE:12.5%
- ROA:3.64%
ヒューリックの特徴
- 上場してから14年連続増益で23年度も過去最高を更新予定
- 配当も15年連続増配予定
- 売上より利益の増加に注力している
- 22年度の経営効率がトップ
- 23年度も経営効率は総合ディベロッパー7社の中でトップを維持予定
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三菱地所(8802)
引用:三菱地所
23年3月期実績
- 売上高:1兆3778億円
- 営業利益:2967億円
- 利益率:21.53%
- ROE:7.95%
- ROA:2.47%
- 自己資本比率:31.4%
- 有利子負債倍率:1.33倍
24年3月期予想
- 売上高:1兆4690億円
- 営業利益:2640億円
- 営業利益率:17.97%
- ROE:7.69%
- ROA:2.42%
三菱地所の特徴
- 総合ディベロッパーで業界2位
- 売上と利益の主軸はオフィスビルの賃貸収入
- 不況に左右されにくいビジネスモデル
- 海外の売上の主軸はアメリカだが今後はアジアに注力
- 長期経営計画の経営数値目標の達成には強気の姿勢
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三井不動産(8801)
引用:三井不動産
23年3月期実績
- 売上高:2兆2691億円
- 営業利益:3054億円
- 利益率:13.46%
- ROE:6.92%
- ROA:2.31%
- 自己資本比率:32.8%
- 有利子負債倍率:1.4倍
24年3月期予想
- 売上高:2兆3000億円
- 営業利益:3300億円
- 営業利益率:14.35%
- ROE:7.24%
- ROA:2.38%
三井不動産の特徴
- 売上は12年連続増収予想で戦後一貫して不動産業界で売上トップ
- 総合ディベロッパーで一番自己資本比率が高いが負債額も一番大きい
- 24年3月期は2期連続の売上高と利益共に過去最高予想
- 事業ポートフォリオは綺麗に分散されている
- 初心者でも安心して長期保有出来る銘柄
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東京建物(8804)
引用:東京建物
22年12月期実績
- 売上高:3499億円
- 営業利益:644億円
- 利益率:18.43%
- ROE:9.98%
- ROA:2.55%
- 自己資本比率:25.9%
- 有利子負債倍率:2.21倍
23年12月期予想
- 売上高:4130億円
- 営業利益:660億円
- 営業利益率:15.98%
- ROE:9.70%
- ROA:2.46%
東京建物の特徴
- 日本で一番歴史のある総合不動産ディベロッパー
- 売上の主軸は東京を中心としたビル事業で97%以上の稼働率
- 海外は中国で圧倒的な強み
- 23年12月期も増収増益で過去最高を更新予定
- 10期連続増配予定
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東急不動産HD(3289)
引用:東急不動産HD
23年3月期実績
- 売上高:1兆58億円
- 営業利益:1104億円
- 営業利益率:10.98%
- ROE:7.33%
- ROA:1.80%
- 自己資本比率:25.00%
- 有利子負債倍率:2.17倍
24年3月期予想
- 売上高:1兆1200億円
- 営業利益:1120億円
- 営業利益率:10.00%
- ROE:9.06%
- ROA:2.26%
東急不動産HDの特徴
- 私鉄最大級の東急グループの一員
- 自己資本比率、営業利益率、ROAは総合ディベロッパーの中でワースト
- 海外事業はアメリカが主力だが近年はインドネシアにも注力
- 事業ポートフォリオはバランスが取れている
- 11期連続減配無し
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まとめ
大手ディベロッパー7社の中で、2023年は野村不動産と住友不動産に期待。
野村不動産HDは高配当銘柄で、12期連続増配予定です。
住宅に強みを持っている野村不動産は、大手ディベロッパーの中で用地調達はトップです。
実際に分譲マンション戸数は住友不動産に次ぐ国内3位です。
住友不動産は、12期連続EPSを増加させていて、過去最高を更新予定なのは魅力的です。
配当性向も20%以下で21期連続減配していません。
また7年以内に配当金を倍増すると宣言しています。
配当目的で保有してもいいと思います。
配当と優待狙いで忘れてはいけないのがヒューリックです。
上場来14年連続過去最高益を更新していて、14年連続増配予定です。
利益率が大手ディベロッパーの中で一番高く、売上高より利益を追求しています。
不況に強い事業を主力としているのは、三菱地所と東京建物になります。
三菱地所は不況に強いオフィスビル事業とアメリカにも強みを持っています。
東京建物は東京を中心にビルの稼働率97%以上はかなり安定した企業です。
景気に左右されにくい事業ポートフォリオを分散しているのが、三井不動産と東急不動産HDです。
三井不動産は9期連続増収を予定していて、アメリカだけでなくインドにも進出しています。
しかし、21年3月期より有利子負債額が住友不動産を超えて約3兆6600億円とトップになりました。
東急不動産は、大手ディベロッパーの中で再生可能エネルギーに取り組んでいます。
海外では、アメリカとインドネシアに注力しています。
このように7社ともビジョンや強みは全く違いますが、様々な魅力や将来性を感じます。
但し、大手ディベロッパーを含む不動産業は、自己資本比率が低く、有利子負債倍率が高い傾向にあります。