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株価分析(建設・土木)

鹿島建設(1812)の株価分析と特徴【3期連続増配と5期連続自社株買い】

鹿島建設(1803)の株価分析と特徴をまとめしていきます。

 

鹿島建設を5つのポイントで説明

  • 様々な日本初を持つ技術力と総合力の高さ
  • 海外売上比率は30%でアメリカや東南アジアに強み
  • 土木事業に強みを持っていて今後は不動産等の開発に注力
  • コロナショック後スーパーゼネコンの中で一番株価のパフォーマンスが良い
  • 株価は5年ぶりの高値圏なのでまずは直近高値を更新出来るかに注目

 

 

鹿島建設の概要

鹿島建設は、スーパーゼネコンの中でも海外売上高30%を占める企業です。

 

創業当時から現在まで、新たな領域に挑戦してきた「パイオニア精神」と「現場第一主義」を大切にしていて、数々の難工事をこなしてきました。

 

超高層ビル、原子力発電所やダム、上下水道、トンネルの土木工事が得意分野なので「西洋建築の鹿島」、「原発の鹿島」「鉄道の鹿島」、「土木の鹿島」、「ダムの鹿島」、「超高層の鹿島」と言われています。

 

手掛けた物件の品質の高さから「技術の鹿島」と今では言われるようになりました。

 

鹿島建設の技術力の高さとパイオニア精神が分かる様々な日本初

  • 日本初の鉄道工事請負
  • 日本初のコンクリートダム「高堰堤大峯ダム」
  • 日本初の研究所「鹿島建設技術研究所」
  • 日本初の原子炉「日本原子力研究所第一号原子炉」
  • 日本初の超高層ビル「霞が関ビルディング」
  • 日本初のアーチダム「九州電力上椎葉ダム」
  • 日本初の高速道路「名神高速道路山科工区」
  • 日本初ビル解体工法「カットアンドダウン工法」
  • 日本建設業初のアメリカ現地法人の設立

 

業界トップの技術研究所やグループ企業の多さから、「総合力の鹿島」としても有名です。

 

海外進出

また日本のゼネコンでは、いち早く海外進出しています。

 

アメリカでは、リトルトーキョーをきっかけに進出しています。

 

今では現地の企業の向上やオフィス、ホテル、住宅等を手掛けています。

 

さらにリピート率7割を超える高い評価を受けてます。

 

東南アジアでは、鹿島建設が得意な土木工事技術が認められて、ダムや発電所、ドッグ工事を受注しています。

 

宇宙事業

2016年にJAXAと月や火星での宇宙工事を目指す共同研究を進めています。

 

これは鹿島建設が開発した、建設機械の自動動化技術を中心として、次世代建設生産システム「クアッドアクセル」を活用されています。

 

「クアッドアクセル」とは、タブレット端末で複数の建設機械に作業計画を指示することで、無人で自動運転を行うシステムです。

引用:鹿島建設

 

 

事業セグメント

鹿島建設は、主に5つのセグメントから成り立っています。

 

  • 土木事業:土木工事に関する事業
  • 建築事業:建築工事に関する事業
  • 開発事業等:不動産開発全般に関する事業及び意匠・構造設計、その他設計、エンジニアリング全般の事業等
  • 国内関係会社:主に日本国内における建設資機材の販売、専門工事の請負、総合リース業、ビル賃貸事業等
  • 海外関係会社:北米、欧州、アジア、大洋州などの海外地域における建設事業、開発事業等

 

鹿島建設の売上構成比率(2022年3月)

 

鹿島建設の売上の主力は国内建築事業です。

 

また鹿島建設の特徴として、海外での建築不動産開発にも強みを持っています。

 

23年3月期の海外での売上高比率は約30%になりました。

 

手掛けた国は69か国ありますが、アメリカが海外売上高の50%を占めています。

 

鹿島建設はアメリカに強いとも言えます。

 

鹿島建設の利益構成比率(2022年3月)

 

鹿島建設の利益の主力は、建築事業で全体の37.8%を占めています。

 

建築事業の利益率は4.2%となっています。

 

その次に大きいのが土木事業で利益率は9.7%です。

 

ゼネコンの決算を見る中で、重要なのが工事損失引当金です。

 

この工事損失引当金とは、工事に対して赤字の見通しが立った時、先に当期の損失として計上しておく事です。

 

つまり、かなり厳しい条件での受注や原材料や人件費の高騰、工事の進捗が悪化している事がわかります。

 

鹿島建設の工事損失引当金は、スーパーゼネコンの中で1番に少ない金額です。

 

しかし、前年より増加していますが堅実な受注状況と言う事が分かります。

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:9.5倍
  • PBR:0.95倍

 

建設業の平均PERが11.4倍、PBRが0.9倍なので、株価は割安と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見ると、約5年ぶりの高値に向かって株価は上昇しています。

 

月足移動平均線は、60MAがやや下落していますが、12MAと24MAは上向きになっています。

 

週足5年チャートを見ると週足移動平均線は3本共上向きです。

 

まずは、直近高値の2142円を更新出来るかに注目です。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上高の過去最高は2023年に2兆3915億円、経常利益の過去最高は2018年の1583億円。

 

24年3月期の売上は過去最高を更新予想です。

 

建築事業の利益率回復や東南アジアでの事業回復で増収増益を見通しています。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:5.73%
  • ROE:9.88%
  • ROA:3.79%
  • EPS:216.0円

 

スーパーゼネコン5社の平均営業利益率は3.62%なので平均を大きく上回る利益率です。

 

スーパーゼネコン5社の平均ROEは6.82%、平均ROAは2.74%なので平均を上回る経営効率になります。

 

しかし、年々ROE、ROAが低下しているのも注意です。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:38.0%
  • 有利子負債倍率:0.51倍

 

スーパーゼネコン5社の自己資本比率の平均が40.9%、有利子負債倍率の平均は0.44倍です。

 

鹿島建設の自己資本比率は、平均を少し下回る自己資本比率です。

 

鹿島建設の有利子負債倍率は、平均を少し下回ります。

 

有利子負債倍率が前年と比べて増加傾向になっています。

 

これは、開発投資などの成長投資に有利子負債を活用しているからです。

 

利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。

 

剰余金は毎年増えていますが、総資産に対して29.3%になっています。

 

 

中期経営計画

利益目標

引用:鹿島建設

 

経営数値目標

引用:鹿島建設

 

投資計画

引用:鹿島建設

 

投資計画は、国内外の開発事業に6400億円を投じるとなっています。

 

この開発事業とは不動産開発事業の事です。

 

23年3月期決算での開発事業の利益率は16%と利益率の高いセグメントになっています。

 

また海外の開発事業には、4500億円投資を計画しています。

 

いかに鹿島建設が世界に目を向けているかがわかります。

 

株主還元方針

引用:鹿島建設

 

 

配当金の推移と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:70円(2024年3月期予定)
  • 配当利回:3.41%(23年5月26日終値)
  • 配当性向:32.4%

 

配当金は3期連続増配していて、24年3月期は70円を予定しています。

 

2023年までは中期経営計画で連結配当性向30%を目安としています。

 

また5期連続で自己株式の取得を行ってきました。

 

株主優待

残念ながら、鹿島建設は株主優待の設定はありませんでした。

 

 

まとめ

鹿島建設を買うなら、直近高値を更新出来るかに注目したい。

 

株価は5年ぶりの高値に向かって上昇中です。

 

週足移動平均線は全て上向きになっていて、月足移動平均線も24MAと60MAが上向きです。

 

直近高値の2142円をつけて調整に入ろうとしていますが、再び2142円を更新出来るかに注目です。

 

現在の配当利回りは3.41%と高配当銘柄で、配当性向は32.4%と増配余力もあります。

 

3年連続の増配と11年間減配していないのは安心材料だと思います。

 

国内事業は、人件費の高騰や人材不足などの課題が今後もあります。

 

しかしクアッドアクセルに代表されるように、様々な工程でデジタル化や無人化を進めて対策をしています。

 

土木や耐震技術に評価の高い鹿島建設は、今後の「国土強靭化計画」でしっかり恩恵を受けと予想されます。

 

海外事業は、売上は全体の30%と年々成長しています。

 

また24年3月期も海外事業の売上は、過去最高を更新予想です。

 

社長も「海外の売上を4割から5割まで」と言っているので、今後の海外展開も期待できます。

 

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