株価分析(建設・土木)

飛島建設(1805)の株価を分析【復興関連銘柄】

飛島建設(1805)の株価を分析していきます。

 

飛島建設を5つのポイントで説明

  • ダムやトンネルの土木工事だけでなく防災技術に強み
  • 防災だけでなく再生可能エネルギーやDX化を推進中
  • ファンダメンタルは他のゼネコンと比べても平均以下
  • 売値目途は1100円だが移動平均線を見るとリスクの方が大きい
  • 購入は中期経営計画を達成してからでも遅くない

 

 

飛島建設の概要

飛島建設は、創業1883年の土木工事を得意とする準大手ゼネコンです。

 

以前に分析した前田建設工業と熊谷組は、飛島組(現飛島建設)から独立した企業です。

 

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2003年には、経営悪化から熊谷組と経営統合の発表をしました。

 

しかし、2004年に統合後の業績回復が見込めない事から白紙に戻しています。

 

 

飛島建設は、土木工事の中でもダムやトンネル工事を得意としています。

 

創業当初に手掛けた福井県の水力発電所をきっかけにダム建設に強みを発揮しました。

 

手掛けたダムは10か所以上もあり、「水力のトビシマ」とも言われています。

 

飛島建設は、これまで手掛けたダムの技術を生かして中小水力発電事業にも取り組んでいます。

 

 

トンネル工事に関しては、青函トンネルや八甲田トンネル、東京湾アクアライン等の難工事を施工しました。

 

現在は、リニア新幹線のトンネル工事にもJV(ジョイントベンチャー)で参画しています。

 

 

また阪神淡路大震災以降は「防災のトビシマ」の異名を持つようになりました。

 

日本は、地震や水害、山崩れなどの様々な大きな災害が起こる国です。

 

飛島建設は、災害に対して今まで培った技術を活かし、国内外の防災減災に取り組んでいます。

 

 

21年2月には、ITシステム会社のアクシスウェア社を連結子会社にしました。

 

これにより、DX化の推進と建設業界へITサービスの提供等のグロース事業の収益拡大を狙っています。

 

再生可能エネルギー

引用:飛島建設

 

飛島建設は、発電事業として調査・設計から建設・運転管理までのワンストップで中小水力発電事業に取り組んでいます。

 

21年現在、3件の発電所で送電を開始していて、1件の発電所を施工中です。

 

防災のトビシマ

引用:飛島建設

 

飛島建設は、1968年十勝沖地震をきっかけに地震後の現地調査を国内外で数多く実施してきました。

 

調査から評価・設計、施工・対策、監視まで一連の防災技術をパッケージ化して提供しています。

 

飛島建設の防災技術は、建築物や自然斜面や地下・トンネル、港湾等の幅広い分野に対応しています。

 

トグル制震構法

トグル制震構法とは、飛島建設の独自技術「トグル機構」で地震エネルギーを効率的吸収する制震構法です。

 

木造、コンクリート造、鉄骨造、低層建築から高層建築まで幅広い用途にも対応しています。

 

トグル制震ブレースの特徴

引用:飛島建設

 

トグル制震ブレースは「てこ」の増幅原理を応用した技術です。

 

力と変形を伝達させる2本のトグル腕とエネルギーを吸収する1本のオイルダンパーで構成されています。

 

ダンパーの伸縮量(B)をフレームの変位(A)の2~3倍に増幅させることで、地震エネルギーを効率よく吸収することができます。

 

オイルダンパーを使ったトグル制震ブレースは、繰り返しの大地震や余震にも有効で交換も不要です。

 

震度6以上を想定した地震動を合計50回の繰り返す実験でも、性能の劣化はありません。

 

DX化の推進とITシステムの提供

引用:e-Sense

 

e-Senseとは、同時自動通訳機能を付加した多機能ハンズフリーシステムです。

 

飛島建設は、この技術を製造・外食・警備・医療・介護・航空等の他業種への展開を計画しています。

 

 

事業セグメント

飛島建設は、主に3つのセグメントから成り立っています。

 

  • 土木事業:土木工事全般に関する事業
  • 建築事業:建築工事全般に関する事業
  • 開発事業等:不動産の開発・売買・賃貸及び土木、建築事業以外のその他事業

 

飛島建設の売上構成比率(2021年3月)

 

飛島建設の売上高の主力は、土木事業になっています。

 

飛島建設の利益構成比率(2021年3月)

 

利益の主軸も土木事業になり、全体の約90%を占めています。

 

21年3月期の土木事業の利益率は約8.8%、建築事業の利益率も約1%になっています。

 

飛島建設の利益率は、他のゼネコンと比べても利益率は低いです。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足3年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:8.6倍
  • PBR:0.5倍

 

建設業の平均PERが9.8倍、PBRが0.9倍な事を考えると割安と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見ると、現在の株価の1000円付近は底値圏になっています。

 

月足移動平均線は、3本共下向きなので下落傾向です。

 

またローソク足も月足移動平均線を全て割り込んでいます。

 

週足移動平均線は13MAだけ下向きですが、26MAとデッドクロスしています。

 

さらに週足移動平均線でもローソク足は3本共割り込んでいます。

 

短期的なリバウンドを狙うなら、1100円が売値目途なのでリスクの方が大きいです。

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上高の過去最高は1993年に4782億円、営業利益の過去最高は1991年の283億円です。

 

21年3月期は、新型コロナの影響を受けて大幅な減益になりました。

 

22年3月期は増収増益予想になっていますが、最終益は減益で21年3月期と少し下回ります。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:3.18%
  • ROE:5.77%
  • ROA:1.97%
  • EPS:125.4円

 

中堅ゼネコン8社の平均営業利益率は4.9%なので、利益率が低いです。

 

上場企業の平均ROE8%、ROA3%なので、平均を下回る経営効率の企業です。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:34.2
  • 有利子負債倍率:0.49

 

100億円以上の建設業の自己資本比率の平均が44%なので、自己資本比率は低いです。

 

直近3年の有利子倍率を見ると増加傾向ですが、1倍以下の0.49倍です。

 

余剰金は増加傾向にありますが、総資産に対して24%しかありません。

 

営業CFは20年3月期にマイナスになりましたが、21年3月には改善されています。

 

投資CFは直近3年で比べると減少傾向にあります。

 

20年3月期の財務CFは大幅に増加しましたが、21年3月期にはしっかり減少させています。

 

財務CFが減少傾向で、余剰金が増加傾向にあるので本業が持ち直している状態である事が分かります。

 

 

長期経営計画

飛島建設は、2023年に向けたビジョンの実現に向けて中期経営計画を策定しています。

 

業績計画

引用:飛島建設

 

飛島建設は、23年までに売上高1600億円、営業利益率8%を目指しています。

 

その中で重要になるのが300億円の投資計画です。

 

グロース事業に5年間で200億円の投資して、5年後の売上を約4.5倍の300億円を見込んでいます。

 

21年3月期のグロース事業の売上は106億円なので、進捗は少し遅れています。

 

KPI(重要業績評価指標)

引用:飛島建設

 

財務状況と株主還元は自己資本比率45%、配当性向は30%以上を目標にしています。

 

 

配当金の推移と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:50円(2022年3月期)
  • 配当利回:4.65%(21年7月10日終値)
  • 配当性向:39.8%

 

配当は、16年3月期に26年ぶりの復配してから、6年連続減配をしていません。

 

配当性向も39.8%なので高い水準ではないですが、中期経営計画の30%以上をやや上回っています。

 

しかし決算説明発表を見ると、配当の継続に強いメッセージを感じました。

 

株主優待

残念ながら飛島建設は、株主優待の設定がありませんでした。

 

 

まとめ

飛島建設を買うなら、現在の株価での購入はリスクが大きい。

 

22年3月期の売上は、新型コロナショック前の水準に戻る予定です。

 

しかし、経常利益は新型コロナショック前の水準の約半分程度です。

 

 

もし購入するなら、1050円以下で購入して1080円付近で売りたい。

 

月足チャートを見ると1000円付近が、近年の下値目途になっています。

 

しかし、上値目途が1100円付近なので利幅はとれなさそうです。

 

さらに週足と月足の移動平均線を全て割り込んでいるので、下落傾向である事を頭に入れておきたいです。

 

 

防災や減災の技術に強みを持っていて、再生可能エネルギーに取り組み飛島建設。

 

2000年代の経営危機の苦い経験から立ち直り、今は財務体質の強化を図っています。

 

23年度までの中期経営計画にある、財務体質や利益率の改善がの進捗に注目です。

 

効果が出ていれば、防災減災の復興関連銘柄として株価上昇は期待できると思います。

 

 

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