東建コーポレーション(1766)の株価を分析していきます。
東建コーポレーションを5つのポイントで説明
- 売上の主力は不動産賃貸事業で仲介件数は業界3位
- 97%の高い入居率と独自の高耐震性技術に強み
- 今後は高級賃貸とワンルームマンションに注力
- 無借金経営で財務状況、経営効率も優秀なので長期保有にオススメ
- 週足13MAでサポートされている事を確認して購入したい
東建コーポレーションの概要
東建コーポレーションは、賃貸仲介件数が業界3位の東海出身の企業です。
東建コーポレーションの賃貸建物の入居率は97%と高い水準を保っています。
これは業界トップの大東建託と比べても引けを取らない入居率です。
東建コーポレーションは、これまでに全国で数多くの賃貸マンション・アパートを設計施工しました。
その中でも高い耐震性を持つ独自の技術に定評があります。
これまで培った技術を新築の賃貸マンション・アパートから戸建てのリフォームまで提供しています。
ナスラックという名古屋のキッチンやユニットバスの住設メーカーを傘下にしていることも有名です。
2019年2月には名古屋の栄に都市型高級賃貸マンションを完成させています。
名古屋の住宅業界で話題になった高齢者向けの高級賃貸「栄タワーヒルズ」は大盛況でした。
高耐震技術
引用:東建コーポレーション
東建コーポレーションの手掛ける「シェルルシリーズ」には高い耐震性があります。
その耐震性は、建築基準法で要求される1.5倍の構造強度を実現しています。
特に高耐震鉄骨造アパート「シェルル・ロココモダンX」は、独自開発の制震フレームを標準搭載しています。
他には、独自開発した「鉄骨地中梁基礎工法」の高耐震アパートへの採用しています。
サブリース経営代行システム
引用:東建コーポレーション
東建コーポレーションは「サブリース経営代行システム」を導入しています。
これは、賃貸マンション・アパートを最長35年間東建ビル管理が一括して借り受けるシステムです。
オーナーから見た入居者は東建コーポレーションになります。
万が一の空室や家賃滞納が発生しても毎月安定した賃料収入が確保できる仕組みです。
事業セグメント
東建コーポレーションは、3つのセグメントから成り立っています。
- 建設事業:土木・建築その他建設工事全般に関する事業及びそれに付随する事業
- 不動産賃貸事業:不動産の賃貸、仲介及び管理に関する事業
- その他事業:総合広告代理店業、旅行代理店業及びゴルフ場・ホテル施設の運営に関する事業
東建コーポレーションの売上構成比率(2021年4月期)
売上の主軸は不動産賃貸事業で、全体の約60%を占めています。
東建コーポレーションの利益構成比率(2021年4月期)
利益は、建設事業と不動産賃貸事業のバランスが取れています。
建設事業の利益率は約9.3%、不動産賃貸事業の利益率は6.1%になっています。
意外にも建設事業の方が利益率が高いです。
新型コロナショックの影響で、その他事業の旅行代理店、ゴルフ場・ホテル運営は、赤字になっています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:12.0倍
- PBR:1.31倍
建設業の平均PERが9.8倍、PBRが0.9倍なので、割高と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると12MAと24MAは上向きです。
16年12月の高値10190円が現在の株価のサポートになっているようにも見えます。
週足5年チャートを見ると移動平均線は26MAと52MAは上向きです。
また11000円付近が節目になっていて、21年3月もここで押し戻されています。
ローソク足は13MAより上にありますが、下向きなので注意が必要です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2018年に3285億円、営業利益の過去最高も2018年の196億円です。
22年4月期も増収増益予想で、新型コロナショックの影響を着実に回復させています。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:5.01%
- ROE:10.87%
- ROA:5.9%
- EPS:853円
建設業の平均ROEは11%、ROAは0.6%なので、経営効率は非常に良い企業です。
建設業の平均営業利益率は7.3%なので、利益率は平均より少し低いです。
ライバルの大東建託の利益率が7.7%、ROEが20.75%、ROEが7.07%なので少し見劣りしてしまいます。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:54.3%
- 有利子負債倍率:無し
自己資本比率は40%を超えていているので健全な会社です。
東建コーポレーションは無借金経営なので有利子負債倍率はありません。
ライバルの大東建託も財務状況は健全でしたが、東建コーポレーションの方がより健全です。
過去3年で見るとフリーCFと営業CFは、21年4月期に大幅に改善されています。
しかし投資CFは大幅に減少していますが、新型コロナの影響もあるので正しい判断だと思います。
財務CFも減少していて、余剰金が51.8%もあるのに増加傾向です。
これは、本業が順調に成長しているという事が分かります。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:84円(2022年4月期予定)
- 配当利回:2.44%(21年7月9日終値)
- 配当性向:25.7%
配当利回りは2.44%ですが、100株からでも最低4000円分の株主優待があります。
ゴルフ好きの方には、5000円分のゴルフ場割引券が4枚なので最大20000円分の株主優待になります。
配当性向30%を目途にしていて、11期連続減配無しの予定です。
株主優待
株主優待商品「毎年4月末(期末)時点 弊社株式所有の株主対象」
引用:東建コーポレーション
随時適応される株主優待商品
引用:東建コーポレーション
東建コーポレーションで賃貸マンション・アパートの工事請負契約を締結すると、ナスラック社の商品が付与サービスされます。
賃貸マンション・アパート仲介手数料割引サービス
引用:東建コーポレーション
100株以上所有している株主を対象に仲介手数料の割引が受けられます。
対象は本人か三親等までの家族が、ホームメイトの仲介で賃貸マンション・アパートに入居する時です。
まとめ
東建コーポレーションを買うなら、10000円台で週足13MAのサポートを確認して買いたい。
高配当銘柄として長期保有を検討されている人は、財務と経営効率が優良なのでオススメ出来ます。
直近に10000円を割って反発していますが、週足13MAがまだ下向きになっています。
この週足13MAがサポートされている事を確認して購入したいです。
キャピタルゲインを目的とする場合は、直近高値の11280円が節目になるので値幅は少ないように思います。
今後は、政令指定都市や主要都市での高級賃貸マンションの開発とウェイトが低かったワンルーム賃貸マンションの開発をしていくとの事です。
実際に「栄タワーヒルズ」を代表する高級賃貸は今後も需要があると思います。
しかし賃貸マンションの開発は少し遅れているように感じます。
東海圏では、すでに関西系のマンションディベロッパーがシェアを伸ばしているからです。
また、ウッドショックや鋼材や銅の高騰は22年4月期に反映されるはずです。
来期の建設事業の利益率は、今期と比べて下がることが予想できます。