オープンハウスグループ(3288)の株価分析と特徴をまとめていきます。
オープンハウスグループを5つのポイントで説明
- 狭く小さい土地での戸建住宅の販売に強み
- 売上と利益の主力は戸建関連事業だが利益率はマンション事業が一番高い
- 経常利益率は大手住宅会社5社の平均を大きく上回る
- 子会社化にプレサンスコーポレーションと三栄建築設計
- 11期連続過去最高の業績だが24年度は増収減益を予想
- 株価5000円を超えれるかに注目
オープンハウスグループの概要
オープンハウスグループは東京都に本社を置く総合不動産ディベロッパーです。
今最も勢いのあるディベロッパーと言っても過言ではありません。
筆頭株主である荒井正昭氏は、同社の代表取締役社長で営業畑の叩き上げです。
創業してわずか16年で東証一部に上場させています。
オープンハウスグループは、狭小地での住宅建築に強みをもっています。
土地の仕入れも含めて一貫しており、都内23区の住宅供給戸数はNO1です。
また戸建住宅だけでなく分譲マンションの「オープンレジデンシア」シリーズも手掛けています。
2017、2018年の東京23区のマンション供給戸数は最多を記録しています。
「オープンレジデンシア」シリーズは、主要駅の近くに安く建てて資産価値を見出す戦略です。
全物件に入居者の理想をかなえるオーダーシステムが強みです。
またマンション市場に関して言うと、2021年1月にプレサンスコーポレーションを連結子会社化しています。
その他にも中古マンションやオフィスビルなどをリフォームして投資用不動産として販売も行っています。
M&Aの実績
引用:オープンハウスグループ
オープンハウスグループはM&Aを積極的に行う事で大きく成長してきました。
21年1月には、プレサンスコーポレーションを子会社化。
23年11月には、三栄建築設計を子会社化しています。
しかし、直近は三栄建築設計の経営の安定化が重要な課題です。
三栄建築設計を完全子会社化
23年11月に、経営が不安定になっていた三栄建築設計を完全子会社化しています。
完全子会社となることで三栄建築設計は信用力を回復し、経営の正常化を実現する見通しです。
まずは、三栄建築設計の経営正常化に向け役員体制を一新しています。
期待されるシナジー
引用:オープンハウスグループ
RCのゼネコン機能が強化
引用:オープンハウスグループ
トラックレコード
引用:オープンハウスグループ
事業セグメント
オープンハウスは、主に5つのセグメントから成り立っています。
- 戸建関連事業:不動産の仲介(オープンハウス)、都心部新築分譲戸建(オープンハウス・ディベロップメント)、注文住宅、法人向け建売住宅の建築請負、ビルやマンションの総合建設(オープンハウス・アーキテクト)、準都心部戸建分譲事業(ホーク・ワン)
- マンション事業:新築分譲マンションの販売
- 収益不動産事業:大都市圏のオフィスビル、マンション、複合施設を購入してリノベーションした後に、投資用不動産として販売
- その他事業:日本国内の法人や個人向けに行っているアメリカの不動産の投資
- プレサンスコーポレーション:プレサンスコーポレーションの業績
オープンハウスの売上構成比率(2023年9月)
売上の主軸は戸建関連事業で全体の約51.4%を占めています。
プレサンスとマンション事業を合わせると集合住宅関連は約24.9%になります。
オープンハウスグループの事業は、バランスの取れたポートフォリオです。
オープンハウスの利益構成比率(2023年9月)
利益の主軸も戸建関連事業で全体の約44.2%を占めています。
戸建関連事業の利益率は、10.7%なので高い利益率になります。
前期の利益率が12.1%だったので、利益率は悪化しています。
前期、一番利益率が高かったのがマンション事業です。
今期のマンション事業の利益率は、20.1%と戸建関連事業の利益率と比べると約2倍です。
また、前期の利益率は17%だったので、利益率が改善しています。
もう1つのマンション事業にプレサンスコーポレーションがあります。
23年度のプレサンスコーポレーションの利益率は15.9%でした。
マンション事業同様に高い利益率で利益の主力になっていると言えます。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:6.1倍
- PBR:1.30倍
不動産業の平均PERが14.0倍、PBRが1.5倍で見ると、かなり割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見てみると、21年11月まで株価は右肩上がりに成長しました。
現在の株価は、5000円に節目がありますが月足60MAにサポートされています。
月足移動平均線は60MAは上向きですが、12MAと24MAが下向きになっています。
週足移動平均線は13MAは上向きですが、26MAと52MAが下向きになっています。
まずは、直近の節目になっている5000円を超えれるかに注目です。
24年度の業績は増収減益予想ですが、金利上昇局面では厳しい状況です。
売上高と営業利益の推移
売上高と営業利益
引用:株探
2013年に上場してから11期連続増収増益です。
売上の過去最高は2023年の1兆1484億円、営業利益の過去最高も2023年の1423億円です。
しかし、24年度は増収減益の見通しです。
減益の要因は、戸建関連事業、マンション事業で減収減益になる見込みです。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:9.54%
- ROE:21.48%
- ROA:7.16%
- EPS:776.5円
大手住宅会社5社の平均ROEは13.0%、ROAは5.7%です。
オープンハウスグループの経営効率は、大手住宅会社5社の平均を大きく上回っています。
大手住宅会社5社の平均営業利益率は8.1%です。
オープンハウスグループの営業利益率は、大手住宅会社5社の平均を上回っています。
また、同じ低価格帯の住宅販売をしている、ケイアイスター不動産や飯田HDと違い利益率は高いです。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:34.7%
- 有利子負債倍率:1.38倍
大手住宅会社5社の自己資本比率の平均は44.1%です。
オープンハウスグループの自己資本比率は、大手住宅会社5社の平均を大きく下回っています。
大手住宅会社5社の有利子負債倍率の平均は0.8倍です。
オープンハウスグループの有利子負債倍率は、大手住宅会社5社の平均を大きく上回っています。
大手住宅会社5社の利益余剰金の平均は30.2%です。
また、総資産に対して30%以上が安心の目安と言われています。
オープンハウスグループの利益剰余金は、総資産に対して30.1%となっています。
利益剰余金は増加傾向ですが、自己資本比率と有利子負債倍率があまり変わりません。
中期経営計画
オープンハウスグループは2024年度から2026年度までの中期経営計画を発表しています。
3ヵ年(2024.9~2026.9)の利益前提及び方針
引用:オープンハウスグループ
財務方針
引用:オープンハウスグループ
成長投資方針
引用:オープンハウスグループ
株主還元方針
引用:オープンハウスグループ
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:166円(24年9月期)
- 配当利回:3.53%(23年3月15日)
- 配当性向:21.3%
2013年の上場から毎年10%は増配を継続してきました。
24年度の配当は2円増配して166円を予定しています。
配当性向は21.3%なので増配の余力はあります。
しかし、これまでの増配率から見ると物足りなさがあります。
株主優待
残念ながら、オープンハウスグループは株主優待の設定はありませんでした。
まとめ
オープンハウスグループを買うなら5000円を超えれるかに注目。
オープンハウスグループは、オーナー企業、11期連続増収増益、経営効率も高い企業です。
事業内容にもありますが、都内23区での住宅供給量はNO1で狭小地に強みを持っています。
また首都圏だけでなく大阪、名古屋、福岡等の都市部にも着々と進出しています。
価格も大手ハウスメーカーと比べコストパフォーマンスが高いのが特徴です。
オープンハウスグループは、M&Aに積極的で着実に実績を残してきました。
21年1月にプレサンスコーポレーション、23年11月に三栄建築設計を子会社化しています。
コストパフォーマンスの高いミドルレンジ層のマンションディベロッパーには脅威です。
プレサンスの用地調達能力や都市部での賃貸マンションや投資用不動産のノウハウ手に入れた事で確実にシナジー効果が出ています。
直近は、三栄建築設計の経営正常化が課題ですが、着実に正常化に向かっています。
今後もオープンハウスグループが仕掛けるM&Aに注目です。
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