アグレ都市デザイン(3467)の株価を分析していきます。
アグレ都市デザインを5つのポイントで説明
- 多摩地区を中心にデザイン性の高い住宅に特化したビルダー
- ターゲット層はパワービルダーと違いミドル層からアッパーミドル層
- 業績拡大期の積極経営なので財務状況は二の次
- 業績は順調で22年3月期も売上と利益共に過去最高を更新予想
- 中間決算発表を前に業績と配当を上方修正
アグレ都市デザインの概要
アグレ都市デザインは、多摩地区を中心に首都圏でデザイン性の高い戸建住宅を販売するビルダーです。
アグレ都市デザインのターゲットとする顧客層は、ミドル~アッパーミドル層になります。
これは他の低価格帯で住宅を供給するパワービルダーとは大きく違う点です。
商品ラインナップも、首都圏でデザイン性の高い戸建住宅を5000万円程度で販売しています。
つまりアグレ都市デザインのライバルは、大手ハウスメーカーやパワービルダーではありません。
ライバルは、地場のビルダーや工務店などのオリジナリティを強みにしている企業です。
アグレ都市デザインのもう一つのコア事業に、アセットソリューション事業があります。
ターゲットは主に富裕層向けのRC賃貸マンションです。
現在は、山手通り内を基準に希少性の高いエリアに展開しています。
アセットソリューション事業部
引用:アグレ都市デザイン
また2019年には、アセットソリューション事業部を設立しています。
アグレ都市デザインは、この分野が今後の有望なマーケットになると考えているからです。
特に大手があまり手がけないコンパクトマンションの分野に注力しています。
なぜなら戸建の小さな現場を管理して販売するので、アグレ都市デザインのノウハウを生かせるからです。
商品ラインナップ
引用:アグレ都市デザイン
アグレ都市デザインは、戸建分譲住宅で3つブランドを設定しています。
それが「アグレシオ、エグゼ、イルピュアルト」です。
販売価格帯は、4500万円~8900万円になっています。
これは「こだわり」を重視する、ミドル~アッパーミドル層の要望を叶えるためです。
日本人がもっとも美しいと感じるアグレシオ
引用:アグレ都市デザイン
社名とブランド名に「アグレシオ」という言葉が使われています。
意味は、「白銀比」または「シルバーレシオ(Ag=銀の元素記号)」です。
日本人は、この「アグレシオ」を最も美しいと感じる比率になっているそうです。
実際に、法隆寺五重塔等にも使われている歴史のある比率になります。
引用:アグレ都市デザイン
事業セグメント
アグレ都市デザインは、2つのセグメントから成り立っています。
- 戸建販売事業:戸建住宅及び住宅用地の分譲販売
- その他事業:注文住宅・戸建建築請負事業、リノベーション・リフォーム事業、不動産仲介・コンサルティング事業等
アグレ都市デザインの売上構成比率(2021年3月期)
アグレ都市デザインの売上の主力は、戸建販売事業になり全体の98.7%を占めています。
またアグレ都市デザインは、戸建販売事業の単一セグメントになっています。
これは、とても分かりやすい事業ポートフォリオです。
アグレ都市デザインの利益構成比率(2021年3月期)
利益の主力も戸建販売事業で、全体の98.3%を占めています。
主力の住宅事業の利益率は14.6%と高い利益率になっています。
アグレ都市デザインのエリア別分譲実績(2021年3月期)
引用:アグレ都市デザイン
アグレ都市デザインの主力分譲エリアは、東京都多摩地区です。
都内の城西・多摩地区の住宅用地は、都心のビル用地などに比べて価格の変動が穏やかです。
積極展開しても価格下落の不安が低いという利点になります。
またアグレ都市デザインは、これらの物件を約8か月のサイクルで分譲住宅が売れています。
なので、不良在庫を長期保有するリスクが少ないと考えています。
株価の推移
月足5年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:6.2倍
- PBR:1.83倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見てみると、好業績を背景に1000円付近に節目があることが分かります。
また高値付近の1100円付近で頭打ちしています。
しかし、9月17日に業績の上方修正と増配のサプライズが発表されました。
この材料で、上場来高値の1265円を超えていくと思われます。
週足5年チャートを見ると、移動平均線の26MAと52MAが上向きなので長期的に上昇傾向です。
13MAは横ばいですが、上方修正で株価が跳ね上がる事を考えると、また上向きになると思います。
株価上昇後は、直近の出来高が急増している1265円付近が節目になると思います。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は直近の2021年に204億円、営業利益の過去最高は2021年の13億円です。
22年3月期の決算も、増収増益予想で過去最高を更新する見込みです。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:6.88%
- ROE:29.61%
- ROA:6.72%
- EPS:174.4円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を上回る企業です。
不動産業の平均営業利益率は11.1%なので、利益率はかなり低い状態です。
直近3年で見るとEPSと営業利益は上昇傾向にあります。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:25.2%
- 有利子負債倍率:2.46倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので大きく下回っています。
不動産業の有利子負債倍率の平均が1.34倍なので、大幅に下回っています。
余剰金は総資産に対して20%しかありません。
しかし、流動性資産の64.3%は「販売用・仕掛販売用不動産」になっています。
不動産の購入には、大きなお金が必要になります。
また設立が2009年と若い企業なので、積極経営を行っている事が分かります。
また直近3年のCFは、改善傾向にあり余剰金も積みあがっています。
これは、本業が順調に成果を出していると判断出来ます。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:53円(2022年3月期)
- 配当利回:4.92%(2021年9月17日)
- 配当性向:30.3%
アグレ都市デザインは、配当性向を30%を目途にしています。
19年と20年はEPSが減少しているので減配しています。
しかし、配当に関しては直近3年のEPSは上昇しているので増配傾向です。
また21年9月に44円の配当を9円増配して、53円に修正しています。
株主優待
毎年3月31日を基準日として、100株以上を保有する株主は1,000円分のクオカードがもらえます。
まとめ
アグレ都市デザインを買うなら、1200円付近で購入するか上昇後調整を狙いたい。
9月17日に配当と業績の上方修正を発表したので9月21日以降は、大幅な上昇が期待できます。
ここで飛びつくのもいいですが、前回はストップ高から大きな陰線をつけて下落しています。
まずは1265円を超えてから株価を固めれるかに注目したいです。
もし一時的に1100円付近まで下落した時は、買い場になると思います。
配当に関しては、4.92%とかなり高配当になります。
しかし財務状況や余剰金は、積極経営を行っているのでしっかり積みあがっていません。
ここは、今後の課題になると思いますが業績は順調に成長しています。
アグレ都市デザインは、配当性向は30%を目途にしています。
業績の成長に伴って、今後も増配や株価の上昇は期待できます。