サムティ(3324)の株価分析と特徴をまとめていきます。
サムティを5つのポイントで説明
- 売上と利益の主軸は賃貸マンション・オフィスビル・ホテル等の開発と供給
- 25年12月までにインカムゲイン中心の収益構造へ転換
- 過去に2年連続で決算発表の延期をしている
- 24年12月期は売上と利益共に過去最高予想でEPSも改善予想
- 2500円付近を反発したことを確認して買いたい
サムティの概要
サムティは、収益不動産の企画開発・再生・販売や不動産投資ファンドの運用・管理・投資を行う、関西の総合ディベロッパーです。
用地の仕入から企画開発、賃貸募集、物件管理、保有や売却、REIT等のファンド運用、マネジメントを自社のグループ内で完結できることが強みです。
プレサンス、エスリード、日商エステムと並ぶ関西の4大ディベロッパーです。
しかし分譲マンションには手を出さず、賃貸マンションの供給のみです。
事業エリアは国内全域で、全国8拠点の主要都市に支店を展開しています。
またホテル賃貸・運営事業では、全国に18件(2762部屋)を運営しています。
今後も、全国の政令指定都市や地⽅の主要都市圏への戦略的投資を継続していく予定です。
サムティの資産構成
引用:サムティ
賃貸用不動産は、レジデンス、ホテル、オフィスなどを含めて152物件を保有しています。
これは、簿価合計で約1486億円(2023年11月末日時点)になります。
また、レジデンスの稼働率は約93%と引き続き堅調に推移しています。
テーマパーク事業
テーマパーク事業は、賃貸マンションやホテルに次ぐ国内第3の柱としています。
ネスタリゾート神戸
引用:サムティ
サムティは、2022年7月に兵庫県三木市にある大型複合リゾート施設「ネスタリゾート神戸」の経営に参画しています。
「ネスタリゾート神戸」の経営は、森岡毅氏が率いる株式会社刀と共同出資で新会社を設立し、連結子会社化しています。
JUNGLIA
引用:サムティ
沖縄は、2030年には世界的観光都市と同等まで成長すると見込まれています。
そこでサムティは、2025年誕生予定の沖縄北部新テーマパーク 「JUNGLIA」 に出資ました。
また、テーマパークとの連携を目指したオフィシャルホテルや従業員向け住宅等の開発を計画しています。
海外事業
引用:サムティ
サムティは、中間所得層と都市部の人口が急増しているASEAN諸国をターゲットにしています。
その中で、2020年12月にベトナムのハノイに分譲住宅事業を進出させました。
それはベトナム最大手の不動産ディベロッパーの「VINHOMES」とスマートシティ開発です。
このベトナムでの分譲住宅事業「THE SAKURA プロジェクト」の販売も順調です。
さらに、同国ホーチミン市で分譲住宅事業「THE STAR プロジェクト」が始動しています。
サムティのビジネスモデル
引用:サムティ
事業セグメント
サムティは、主に6つのセグメントから成り立っています。
- 不動産開発事業:自社ブランド「S-RESIDENCE」シリーズ等の企画開発・販売
- 不動産ソリューション事業:収益不動産等の取得・再生・販売
- 海外事業:海外での投資、住宅分譲事業
- 不動産賃貸事業:マンション、オフィスビル、商業施設の賃貸
- ホテル賃貸・運営事業:ホテルの賃貸及び管理
- 不動産管理事業:マンション、オフィスビル、商業施設の管理
成長と安定を両立する2つのビジネス
キャピタルゲインビジネス
引用:サムティ
キャピタルゲインビジネスは、不動産の開発や売買によって得る投資利益を収益源としています。
サムティグループの成長ドライバーになっています。
インカムゲインビジネス
引用:サムティ
保有資産から得る賃料やホテルの客室収入、各種マネジメントフィーなどを収益源としたビジネスです。
サムティグループの安定した収益基盤になっています。
サムティの売上構成比率(2023年11月期)
売上の主軸は、売上の51%を占める不動産開発事業になります。
また不動産ソリューション事業も売上の26.6%を占めています。
サムティの主力事業は、不動産開発と不動産ソリューションになります。
サムティの利益構成比率(2023年11月期)
利益の主軸も不動産開発事業になっていて、利益全体の56.9%を占めてます。
不動産開発事業の利益率は、15.78%と高い利益率になります。
しかし、前期の利益率が21.2%だったので、利益率は悪化しています。
今期、一番利益率が高かったのが不動産賃貸事業です。
自動販売機事業の利益率は、46.32%になっています。
前期の利益率が48.1%だったので利益率はわずかに悪化しています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:11.4倍
- PBR:1.21倍
不動産業の平均PERが14.8倍、PBRが1.7倍なので、割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見てみると、株価は右肩上がりに成長しています。
現在の株価は、直近に過去最高の2893円をつけて下落しています。
月足移動平均線は全て上向きなので長期的に上昇傾向です。
週足移動平均線も全て上向きなので中期的に上昇傾向です。
まずは、過去最高の2500円付近の節目で反発出来るかに注目です。
業績も過去最高を更新予想なので長期的にも上昇傾向だと言えます。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2023年に1986億円、営業利益の過去最高も2023年の195億円です。
24年12月期も売上高と営業利益は過去最高を更新予想です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:10.24%
- ROE:ー
- ROA:ー
- EPS:224.7円
総合ディベロッパー7社の平均ROEは9.3%、ROAは2.69%です。
サムティは、24年度から11月から12月へ決算期を変更したのでROEとROAは出ていません。
総合ディベロッパー7社の平均営業利益率は19.72%です。
サムティの営業利益率は、総合ディベロッパー7社の平均を大きく下回っています。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:25.5%
- 有利子負債倍率:2.49倍
自己資本比率は、総合ディベロッパー7社の平均が29.31%です。
サムティの自己資本比率は、総合ディベロッパー7社の平均を下回っています。
有利子負債倍率は、総合ディベロッパー7社の平均が1.34倍です。
サムティの有利子負債倍率は、総合ディベロッパー7社の平均を大きく上回っています。
不動産業の特徴として、長期借入金が多くなる傾向にあります。
それは、銀行から長期で融資を受けて、物件の開発・販売をするという流れだからです。
利益剰余金は、総資産に対して30%以上が安心の目安と言われています。
サムティの利益剰余金は、総資産に対して15.2%となっています。
しかし、利益剰余金も安定して積みあがっています。
サムティ強靭化計画
経営数値目標
引用:サムティ
サムティは、25年11月期に売上⾼・営業利益を現在の約2倍にする事を目指しています。
投資計画
引用:サムティ
25年11月期までに約7500億円の投資を計画しています。
海外事業では、「THE SAKURA PJ」と同規模のプロジェクト「THE STAR PJ」に着手しています。
23年11月時点で6583億円の投資を行っていて、進捗率が87.8%です。
収益構造の転換
引用:サムティ
25年11月期までに、インカムゲインの比率を高めて収益構造の転換を目指しています。
また海外事業を、今後の新たな成長戦略にしています。
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:94円(2024年12月期)
- 配当利回:3.36%(24年4月19日)
- 配当性向:38.4%
配当金は、13期連続減配無しの予定です。
配当利回りは3%超えで、さらに200株から3000円分の株主優待があります。
株主優待を入れた総配当利回りは4%以上になるので、かなり高配当銘柄になります。
株主優待
毎年11月末現在の株主名簿に記載または記録された株主を対象に、株主優待を実施しています。
優待内容
引用:サムティ
優待対象ホテルと利用枚数
引用:サムティ
隠れ株主優待
サムティには、隠れ優待があります。
それは、株主総会の議決権を行使するとクオカード1000円分がもらえます。
その代わり、株主総会の出席者へのお土産がなくなりました。
まとめ
サムティを買うなら、2500円付近で反発を確認してから買いたい。
23年11月期は増収増益で、売上高と営業利益で過去最高を更新しました。
また、24年12月期も過去最高の売上と利益を更新予想です。
チャートを見ると、月足と週足の移動平均線は全て上向きです。
しかし、株価は過去最高の2893円付近をつけて、2500円台まで下がってきました。
様子見して2500円で反発したのを確認してからでも十分だと思います。
ただし、サムティは2年連続で決算発表の延期をしているので注意が必要です。
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