中電工(1941)の株価分析と特徴をまとめていきます。
中電工を5つのポイントで説明
- 中国電力グループの電気設備サブコンで業界6位
- 中国電力の依存度は約25%と電力系の電気設備サブコン9社の中でも低い
- 財務体質は健全で電力系の電気設備サブコン9社の中で平均を大きく上回る
- 配当はDOE2.7%を目途にしていて2011年から14年間減配していない
- 株価は週足13MAでサポートされているかを確認したい
中電工の概要
中電工は、中国電力グループの電気設備サブコンで業界6位の企業です。
サブコンとは
中国電力グループなので中国5県にある9支社を中心に67事業所で事業を展開しています。
中国地域以外には東京・大阪・名古屋・四国・九州・沖縄にも進出しています。
海外はマレーシアに進出していて、シンガポールには子会社を展開しています。
事業展開
引用:ユアテック
中電工は、総合設備エンジニアリング企業として、幅広い設備工事を手掛けています。
設備工事の種目は、電気・空調・給排水設備をはじめ、情報通信・環境分野まで対応しています。
配電線・送変電地中線工事では、中国地域の電力の安定供給を支えています。
屋内電気・空調管・情報通信工事では、中国地域だけではありません。
東京・大阪などの都市圏でも事業を展開しています。
事業セグメント
中電工の事業は、2つセグメントで成り立っています。
- 設備工事業:屋内電気工事、空調管工事、情報通信工事、配電線工事、送変電地中線工事の設備工事全般
- その他事業:電気機器・工事材料の販売、工事材料の製造・販売及び保険代理・賃貸等
中電工のセグメント別売上構成比(2024年3月期)
中電工の売上の主力は、設備工事業になり全体の88.7%を占めています。
中電工の部門別売上構成比率(2024年3月期)
中電工の部門別売上の主力は、屋内電気工事になり全体の51.9%を占めています。
2番目に大きいのが配電線工事で18.8%になっています。
3番目が空調管工事で18.7%になります。
電力系の電気設備サブコン9社の空調管工事の売上高は全体の10%台後半です。
空調管工事の売上の比率が11.3%と他の電力系電気設備サブコンの中でも低いです。
中電工の得意先別売上構成比(2024年3月期)
中電工の得意先別売上構成比を見ると、主力は一般得意先で74.5%になります。
中電工の中国電力グループへの依存度は約25.5%です。
電力系の電気設備サブコン9社の電力会社への依存度の平均は33.8%です。
中電工の電力会社への依存度は、電力系の電気設備サブコン9社の中でも低い事が分かります。
中電工のセグメント別利益構成比(2024年3月期)
中電工の利益の主力も設備工事業で全体の93.9%を占めています。
設備工事業の利益率は、6.35%になっています。
しかし、前期の利益率が4.61%だったので利益率は改善しています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:19.5倍
- PBR:0.81倍
電力系の電気設備サブコン9社の平均PERが15.2倍、PBRが0.9倍です。
中電工の株価は、電力系の電気設備サブコン9社の中でも割高と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると、株価は23年から右肩上がりに成長しています。
現在の株価は、3460円の高値をつけて下落しています。
この3460円は、17年10月につけた3490円に近い高値です。
月足移動平均線は全て上向きなので長期的に上昇傾向です。
週足移動平均線も全て上向きなので中期的に上昇傾向です。
直近は、週足13MAでサポートされているかに注目です。
17年10月に高値をつけた時は、約1年半をかけて株価が上昇しました。
しかし、その後1年半をかけて下落しています。
今回も約1年半をかけて上昇し、1年半をかけて下落する事が考えられます。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は1995年に2119億円、営業利益の過去最高は1992年で280億円です。
24年3月期の実績は増収増益を予想しています。
中電工の売上は、12年度から右肩上がりに回復しています。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:5.95%
- ROE:4.17%
- ROA:3.14%
- EPS:162.3円
ROEは10%以上、ROA5%以上あれば経営効率の優秀な企業の目安になります。
電力系の電気設備サブコン9社の平均ROE6.87%、ROA4.16%です。
中電工の経営効率は、平均を下回る経営効率です。
電力系の電気設備サブコン9社の平均営業利益が6.24%です。
中電工の営業利益率は、平均的を少し下回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:75.2%
- 有利子負債倍率:0.00倍
電力系の電気設備サブコン9社の自己資本比率の平均は61.9%、有利子負債倍率は0.15倍です。
これに対して、中電工は大きく上回っているのでかなり優秀な財務基盤です。
電力系の電気設備サブコン9社の利益余剰金の平均は52.2%です。
また、総資産に対して30%以上が安心の目安と言われています。
中電工の利益剰余金は、総資産に対して70.5%となっています。
利益剰余金は増加傾向で、財務体質も健全なので本業が順調と言えます。
総資産の投資有価証券の比率
中電工の総資産の内、40.4%が投資有価証券になっています。
投資有価証券とは、売買目的で保有しているものではありません。
投資目的として1年を超えて長期保有している債権、会社や関連会社の株式です。
また、市場での価格がない有価証券投資信託なども含まれます。
中期経営計画
中電工は、2024年度までの中期経営計画を発表しています。
業績目標
中電工は、24年度の目標を売上高2100億円、営業利益125億円を目標にしています。
また30年までの目標を売上高2500億円、営業利益170億円、ROE5.0%以上を掲げています。
資本政策
持続的な成長のための投資
引用:中電工
中電工は、事業の拡大や人材の確保・育成等、持続的成長に向けて400億円規模の投資を実施します。
株主還元
引用:中電工
中電工は、持続的・安定的な配当を行うことを重視しています。
24年度までの株主還元は、DOE(連結株主資本配当率)2.7%を目途に配当を行うとしています。
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:120円(2024年3月期)
- 配当利回:3.86%(2025年5月17日)
- 配当性向:73.9%
中電工は、DOE2.7%を目途に株主還元をしています。
配当金に関しては2010年度から14年間減配をしていません。
しかし、電力系の電気設備サブコン9社の中で最も高い配当性向になっています。
また中電工の財務状況と剰余金比率は健全なので、今後も減配のリスクは低いです。
株主優待
残念ながら中電工は、株主優待の設定をしていませんでした。
まとめ
中電工を買うなら、週足13MAでサポートされている事を確認して買いたい。
月足と週足の移動平均線は全て上向きです。
しかし、13MAを割り込んだ時は、1年半をかけて下落する事も頭に入れる必要があります。
もし下落した時の下値目途の株価は2600円付近になります。
17年10月の株価が上昇した時も好業績で、移動平均線は全て上向きでした。
中電工の営業利益率と経営効率は、電力系の電気設備サブコン9社の平均を下回ります。
しかし、中電工の財務体質は、電力系の電気サブコンの平均を大きく上回っています。
24年度までの株主還元ついては、DOE2.7%を目途にしています。
現在の配当利回りは3%以上で、直近14年間減配をしていません。
購入するなら週足13MAでサポートされている事を確認してからでも遅くありません。