北海電気工事(1932)の株価分析と特徴をまとめていきます。
北海電気工事を5つのポイントで説明
- 北海道電力グループの電気設備サブコンで業界8位
- 北海道電力グループへの依存度は約65%でかなり高い
- 2027年頃までのラピダスの恩恵を受ける可能性が高いが過熱感に注意
- 配当金は13年間減配をしていないが25年3月期は中間配当に記念配当10円
- 月足と週足の移動平均線は全て上向きだが直近5年間の株価は700円台で横ばい
北海電気工事の概要
北海電気工事は、北海道電力グループの電気設備サブコンで業界8位の企業です。
サブコンとは
北海道電力グループなので北海道にある11支社を中心に34事業所で事業を展開しています。
北海道以外には東京にも進出しています。
北海電気工事の実績は、札幌市内を代表するランドマークが多数存在します。
その一部が札幌ドーム、札幌コンサートホールKitara、札幌コンベンションセンター、北海道警察本庁舎などです・
事業セグメント
北海電気工事は、設備工事業の単一セグメントで成り立っています。
北海電気工事の部門別売上構成比率(2024年3月期)
北海電気工事の部門別売上の主力は、配電線工事になり全体の44.6%を占めています。
2番目に大きいのが発送変電工事で15.9%になっています。
北海電気工事の得意先別売上構成比(2024年3月期)
北海電気工事の得意先別売上構成比を見ると、主力は北海道電力関係で65.8%になります。
電力系の電気設備サブコン9社の電力会社への依存度の平均は33.8%です。
北海電気工事の電力会社への依存度は、電力系の電気設備サブコン9社の中でもかなり高いです。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:15.6倍
- PBR:0.74倍
電力系の電気設備サブコン9社の平均PERが15.2倍、PBRが0.9倍です。
北海電気工事の株価は、電力系の電気設備サブコン9社の中でも割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると、株価は24年に入ってから急激な上昇をしていました。
現在の株価は、30年ぶりの高値を更新して1583円をつけて下落しています。
月足移動平均線は全て上向き始めているで長期的に上昇傾向です。
週足移動平均線は全て上向きなので中期的に上昇傾向です。
しかし、チャートは週足13MAを割り込んでいます。
北海電気工事の株価は、直近5年間で700円台をほぼ横ばいで推移していました。
チャートが下落している事を考えると、ラピダス関連銘柄として過大評価されていたようです。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は2023年に710億円、営業利益の過去最高は2024年で28億円です。
25年3月期の実績は増収減益を予想しています。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:3.20%
- ROE:4.72%
- ROA:3.04%
- EPS:68.5円
ROEは10%以上、ROA5%以上あれば経営効率の優秀な企業の目安になります。
電力系の電気設備サブコン9社の平均ROE6.87%、ROA4.16%です。
北海電気工事の経営効率は、平均的を下回る経営効率です。
電力系の電気設備サブコン9社の平均営業利益が6.24%です。
北海電気工事の営業利益率は、平均的を大きく下回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:64.2%
- 有利子負債倍率:ー
電力系の電気設備サブコン9社の自己資本比率の平均は61.9%、有利子負債倍率は0.15倍です。
これに対して、北海電気工事は少し上回っていますがかなり優秀な財務基盤です。
電力系の電気設備サブコン9社の利益余剰金の平均は52.2%です。
また、総資産に対して30%以上が安心の目安と言われています。
北海電気工事の利益剰余金は、総資産に対して46.4%となっています。
利益剰余金は増加傾向で、財務体質も健全なので本業が順調と言えます。
中期経営計画
北海電気工事は、2025年度までの中期経営計画を発表しています。
業績目標
引用:北海電気工事
北海電気工事は、25年度の目標を売上高650億円以上、営業利益20億円以上を目標にしています。
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:20円(2025年3月期)
- 配当利回:2.11%(2024年5月17日)
- 配当性向:29.1%
北海電気工事の配当金は、13年間減配していません。
25年3月期の配当は、中間配当に記念配当で10円を増配しています。
北海電気工事の財務状況と剰余金比率は健全です。
今後の配当維持や増配余力に関しては問題ありません。
株主優待
残念ながら北海電気工事は、株主優待の設定をしていませんでした。
まとめ
北海電気工事を買うなら、ラピダス関連銘柄として過熱感に注意したい。
現在の株価は、30年ぶりの高値を更新して900円台まで下落しています。
月足10年チャートを見ると移動平均線は全て上向き始めています。
週足5年チャートを見ると週足の移動平均線も全て上向きです。
しかし、チャートは週足13MAを割り込んでいます。
直近5年間のチャートは700円付近を横ばいで推移していました。
北海電気工事の株価は、700円付近が実力とみられています。
北海電気工事の経営効率は、電力系の電気設備サブコン9社の平均を下回っています。
また財務体質は、電力系の電気設備サブコン9社の平均を少し上回っていて健全です。
株主還元の方針については明言していませんが、北海電気工事は13年間減配していません。
また25年3月期は、中間配当として10円の記念配当を実施予定です。
24年3月期は、ラピダスが建設している北海道千歳市の工業団地での工事などが増え、利益面を押し上げました。
ラピダスは、25年4月に試作ラインの稼働を目指していて27年頃に量産化を目指しています。
北海電気工事はラピダスの恩恵を引き続き受けると思いますが、過熱感に注意が必要です。