株価分析(住宅建設)

大和ハウス工業(1925)の株価分析と特徴【13年連続増配の高配当銘柄】

大和ハウス工業(1925)の株価分析と特徴をまとめていきます。

 

大和ハウス工業を5つのポイントで説明

  • 売上と利益の主力はビジネス分野の事業施設や商業施設
  • 住宅・建設業界1位の事業規模
  • 非住宅分野の売上高はスーパーゼネコンにも匹敵
  • 海外事業は世界25の国と地域に進出
  • チャートは下落傾向で株価3200円台半ばで反発出来るかに注目

 

 

大和ハウス工業の概要

大和ハウス工業は、日本で初めてプレハブ住宅を開発したパイオニア企業で、住宅業界の中で最大規模かつ最大手企業です。

 

売上高は4兆円を超えていて、積水ハウスの約2倍を稼いでいます。

 

しかし、住宅の販売戸数は積水ハウスが業界1位で、大和ハウス工業は業界6位です。

 

実は大和ハウス工業の強みは、物流施設や商業施設等のビジネス分野にあります。

 

実際に非住宅分野の売上高は、スーパーゼネコンと肩を並べる1兆7500億円規模もあります。

 

賃貸事業の販売戸数は大東建託に続く2位、リフォーム事業は積水ハウス、住友林業に続く3位です。

 

特に国内のリフォーム市場は増加傾向にあるので、これからも期待出来ます。

 

海外事業

引用:大和ハウス工業

 

大和ハウス工業の海外事業は、自社でゼネコンを持っていることが強みです。

 

子会社の「FUJITA」を中心に中国、東南アジア、アメリカなどの25の国と地域に展開しています。

 

海外売上高と投資計画ではバランスが良く、今後も海外のエリアバランスの取れた収益を築こうとしています。

 

24年3月期までの中期経営計画でも、ASEANと北米に注力をして、海外事業を売上高5400億円を目指しています。

 

 

事業セグメント

大和ハウス工業は、7つのセグメントから成り立っています。

 

  • 戸建住宅事業:戸建住宅の注文請負・分譲
  • 賃貸住宅事業:賃貸住宅の開発・建築、管理・運営及び仲介
  • マンション事業:マンションの開発・分譲・管理
  • 住宅ストック事業:増改築の請負・不動産の買取再販及び売買仲介等
  • 商業施設事業:商業施設の開発・建築、管理・運営
  • 事業施設事業:物流・製造施設、医療介護施設等の開発・建設及び仮設建物の建築・管理・運営
  • その他事業:建設支援事業、健康余暇事業、エネルギー事業及びその他の事業

 

大和ハウス工業の売上構成比率(2023年3月期)

引用:大和ハウス工業

 

売上の主力は、セグメント別に見ると事業施設事業と賃貸住宅事業になります。

 

その次に大きいセグメントは商業施設事業になっています。

 

大和ハウス工業の利益構成比率(2023年3月期)

引用:大和ハウス工業

 

営業利益の主力は、商業施設事業で全体の30%を占めています。

 

商業施設事業の利益率は、12.1%になります。

 

その次に賃貸住宅事業が全体の25%、事業施設事業が全体の23%を占めています。

 

賃貸住宅事業の利益率は9.5%、事業施設事業の利益率は8.8%になります。

 

商業施設と事業施設の割合が50%以上を占めるので、非住宅分野に強みを持っている事が分かります。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:9.6倍
  • PBR:1.05倍

 

建設業の平均PERが13.6倍、PBRが0.9倍な事を考えると、現在の株価は割安と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見ると、12MAと24MAが上向きですが、60MAは下向きです。

 

また直近5年の株価は、3900円付近で頭打ちになっています。

 

週足5年チャートを見ると、週足移動平均線は全て上向きになっています。
しかし、株価は下落し始めているので、まずは26MAを割り込まないかに注目です。

 

また、月足10年チャートで3250円付近が支持線や抵抗線になっている事が多いのが分かります。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上の過去最高は2023年に4兆9081億円、営業利益の過去最高も2023年の4653億円です。

 

24年3月期は増収減益予想ですが、17年から22年の売上を比べると5年で約1.29倍に成長しています。

 

大きい売上規模に関わらず成長を続けていて、創業100年の2055年までに売上高10兆円を目指しています。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:7.72%
  • ROE:10.94%
  • ROA:4.07%
  • EPS:380.5円

 

大手ハウスメーカー5社の平均営業利益率は8.4%なので、平均を下回る利益率です。

 

大手ハウスメーカー5社の平均ROEは13.4%、ROAは5.8%なので、平均を下回る経営効率です。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:37.2%
  • 有利子負債倍率:0.85倍

 

大手ハウスメーカー5社の自己資本比率の平均が44.0%、有利子負債倍率の平均は0.80倍です。

 

大和ハウス工業の自己資本比率は、平均を少し下回る自己資本比率です。

 

大和ハウス工業の有利子負債倍率は、ほぼ平均的な有利子負債倍率です。

 

利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。

 

剰余金は毎年増えていますが、総資産に対して27.8%です。

 

財務状況は、積水ハウスやスーパーゼネコンと比べても見劣りしてしまいます。

 

 

中期経営計画

数値目標

引用:大和ハウス工業

 

事業セグメント別の業績目標

引用:大和ハウス工業

 

大和ハウス工業は、2026年度に4つの事業セグメントで営業利益1000億円を目指します。

 

また、戦略的な観点から環境エネルギー事業を新しいセグメントとして開示します。

 

海外事業の成長加速

引用:大和ハウス工業

 

大和ハウス工業は、25の国と地域で地域密着型の事業を展開しています。

 

2026年度には、売上高1兆円・営業利益1000億円を目指します。

 

各エリアの事業展開

引用:大和ハウス工業

 

円内の数字は、2026年度の各エリアの売上高計画(単位:億円)です。

 

投資計画

引用:大和ハウス工業

 

大和ハウス工業は、2026年度までの7次中計で約2.2兆円規模の投資計画を予定しています。

 

経営基盤の強化

引用:大和ハウス工業

 

キャピタルアロケーションと株主還元

引用:大和ハウス工業

 

大和ハウス工業は、2026年度までの配当性向を35%以上かつ1株当たり配当金額の下限を130円に設定しています。

 

 

配当金の推移と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:135円(24年3月期)
  • 配当利回:3.69 %(23年7月14日終値)
  • 配当性向:35.4%

 

配当金は13期連続増配していて、23年度の配当金は1株135円を予定しています。

 

配当利回は3%以上なので、建設業の中でも高配当銘柄になります。

 

26年3月までの配当性向を35%以上、1株当たり配当金額の下限を130円に設定しています。

 

 

株主優待

毎年3月末現在の株主名簿に記録された、100株以上を保有する株主にたいして実施しています。

 

  1. .全国のダイワロイヤルホテルの各種サービス(宿泊、ホテル内でのお食事、お買い物など)
  2. .ダイワロイヤルホテルシティでの宿泊(他の入居店舗では利用出来ません)
  3. ダイワロイヤルゴルフでの各種サービス(プレーフィー、ゴルフ場内での飲食など)
  4. 全国のロイヤルホームセンターの各種商品(一部取扱品を除く)
  5. ダイワロイネットホテルズでの宿泊(他の入居店舗では利用出来ません。)
  6. スポーツクラブNASの各種サービス(入会金、各種レンタル料など)
  7. 大阪第一ホテルでの宿泊(他の入居店舗では利用出来ません。)
  8. ラ・ジェント・ホテルでの宿泊(他の入居店舗では利用出来ません。)
  9. 株主優待専用グルメギフト
  10. 社会貢献寄付制度

 

贈呈基準

引用:大和ハウス工業

 

 

まとめ

大和ハウス工業を買うなら、高配当銘柄として3200円台前半から半ばで買いたい。

 

現在のPBRとPERを見ると現在の株価は割安となっています。

 

また月足10年チャートでも3250円付近が支持線や抵抗線になっている事が多いのが分かります。

 

24年3月期は増収減益を予想しています。

 

大和ハウス工業のリフォーム工事やストック事業は、積水ハウスと同様にこれからまだまだ伸びていくと思います。

 

海外事業の比率は積水ハウス、住友林業と比べて遅れています。

 

しかし、2026年度までに北米やASEANを中心に海外売上高1兆円を目指しています。

 

また大和ハウス工業の規模感で毎年成長を続けています。

 

2055年度の売上規模10兆円の計画も期待が出来ます。

 

こちらもCHECK

積水ハウス(1928)の株価分析と特徴【12年連続増配の高配当銘柄】

積水ハウス(1928)の株価分析と特徴をまとめていきます。   積水ハウスを5つのポイントで説明 国内着工戸数NO1、累計建築戸数世界NO1 売上の主力は建築請負ビジネスだがバランスの取れた ...

続きを見る

こちらもCHECK

住友林業(1911)高配当銘柄の株価分析【特徴とまとめ】

住友林業(1911)の株価分析と特徴をまとめていきます。   住友林業を5つのポイントで説明 国内では取扱高NO.1の木材・建材商社 売上・利益共に主力事業は海外住宅・建築・不動産事業 木造 ...

続きを見る

こちらもCHECK

積水化学工業
積水化学工業(4204)の株価分析と特徴【ペロブスカイト太陽電池で注目】

積水化学工業(4204)の株価分析と特徴をまとめていきます。   積水化学工業を5つのポイントで説明 プラスチック成型加工のパイオニアでペロブスカイト太陽電池で国内トップ 売上の主力は住宅事 ...

続きを見る

 

あなたのクリックが励みです!
にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ

-株価分析(住宅建設)