大手マリコン3社を22年度の決算を元にランキング形式で発表します。
マリコンとは、港湾・護岸工事、海底トンネル工事などの海洋土木に特化したゼネコンの事です。
ランキング結果
五洋建設
東亜建設工業
東洋建設
五洋建設(1893)
引用:五洋建設
- 売上高:5022億円
- 営業利益:41億円
- 利益率:0.82%
- ROE:0.43%
- ROA:0.14%
- 自己資本比率:30.9%
- 有利子負債倍率:0.60倍
22年度の決算で売上高1位、営業利益3位だったのが五洋建設。
22年度は、海外の複数の工事で160億円の工事損失を計上した事で大幅な減益になってしまいました。
しかし、23年度は売上高、営業利益で過去最高を更新予想です。
五洋建設の特徴
- 海洋土木首位だけでなく海外にも強み
- 今後は洋上風力発電の建設工事に注力
- 売上と利益共に国内土木事業が主軸
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東亜建設工業(1885)
引用:東亜建設工業
- 売上高:2135億円
- 営業利益:65億円
- 利益率:3.07%
- ROE:5.54%
- ROA:2.20%
- 自己資本比率:39.1%
- 有利子負債倍率:0.46倍
22年度の決算で、売上高と営業利益共に2位が東亜建設工業です。
23年度の決算予想では、増収増益で配当金も増配予想です。
東亜建設工業の特徴
- マリコン業界2位の海洋土木に特化した中堅ゼネコン
- 冷凍冷蔵技術の差別化と洋上風力や医療施設などに注力
- 海外事業は東南アジアを中心に中東・アフリカでの土木工事が中心
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東洋建設(1890)
引用:東洋建設
- 売上高:1683億円
- 営業利益:89億円
- 利益率:5.34%
- ROE:8.08%
- ROA:3.19%
- 自己資本比率:46.7%
- 有利子負債倍率:0.07倍
22年度決算で売上高3位、営業利益1位で財務体質が最も健全だったのが東洋建設です。
23年度の決算予想では、増収増益で配当金も大幅増配の予想です。
東洋建設の特徴
- 港湾・海岸・海洋の土木を中心に強みを持つマリコン
- 財務状況は大手マリコン3社の中でダントツ
- 今後は洋上風力・環境施設・アフリカに注力
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まとめ
大手マリコン3社の中で、23年度は五洋建設の業績回復に期待。
基本的に大手マリコン3社は、どの企業も財務体質が高いです。
五洋建設は、国内のマリコンとして首位の準大手ゼネコンです。
売上の主力は、国内土木事業ですが、国内建築や海外土木の比率もバランスが取れています。
海外では、エジプト。カタール、イラン、シンガポール、韓国、香港、マレーシアなど、多くの国で受注や施工の実績があります。
また、作業船をすでに持っているので、今後の洋上風力発電施設の建設工事案件に期待出来ます。
22年度は、海外の複数の工事損失160億円を計上したので、大幅な減益となりました。
23年度は、業績回復予定で売上高、営業利益は過去最高を更新予想です。
東亜建設工業は、五洋建設と比べて大きく放されていますが業界2位のマリコンです。
マリコンならではの港湾に関する耐震・免震・津波対策・液状化技術を多く持っています。
また、建築技術の方では、冷凍冷蔵倉庫の耐震や耐火技術に強みをもっていています。
主要株主には旧村上ファンド系の野村絢、シティインデックスイレブンスが入っています。
シティインデックスイレブンスが保有してきた銘柄は上昇傾向にあるので注目です。
23年度は、増収増益で配当金も増配予想です。
東洋建設は、22年度の決算で売上高3位、営業利益1位で財務体質が最も健全な企業です。
海外事業は東南アジアとアフリカに進出していて、売上の約10%を占めています。
最重要拠点のフィリピンを中心にベトナム、インドネシア、カンボジア、ミャンマーに進出しています。
またアフリカのケニアを拠点国にしていて、モンバサ港コンテナターミナル建設工事を受注しています。
また東洋建設は、インフロニアHDの完全子会社化を目指しています。
しかし、主要株主にWK1、WK2、WK3がいます。
これは、Yamauchi-No.10 Family Officeの100%資金により運用されている投資会社です。
Yamauchi-No.10 Family Officeは、任天堂創業家一族である山内家を背景に持つファミリーオフィスです。
YFO側の動きに対抗するため、東洋建設は配当政策を大幅に転換しています。
今後もYFOと東洋建設の動きには注目です。
大手マリコン3社は、23年度の業績は増収増益傾向です。
また、洋上風力に注力しているので引き続き注目です。