アズーム(3496)株価分析と特徴をまとめていきます。
アズームを5つのポイントで説明
- 月極駐車場の検索サイトや駐車場サブリースサービスを展開する不動産テック企業
- 主力事業はストックビジネスの駐車場サブリースで全体の91%を占める
- 経営効率や財務体質はかなり優秀で業績は8期連続過去最高を更新予想
- 4期連続増配予定だがプライム市場移行の為に純資産50億円クリアを優先中
- 5900円で反発して週足26MAを超えれるかに注目
アズームの概要
アズームは、月極駐車場の検索サイトや駐車場サブリースサービスを展開する不動産テック企業です。
主力事業は、「遊休資産活用事業」になります。
「遊休資産活用事業」は、月極駐車場の検索サイト「カーパーキング」の運営をしています。
この「カーパーキング」を通じて、「月極駐車場紹介サービス」を提供しています。
また、アズーム自身が貸し手となる「月極駐車場サブリースサービス」も手掛けています。
20年9月期からは、「ビジュアライゼーション事業」をセグメント化しています。
「ビジュアライゼーション事業」は、3DCG 技術等の専門的なスキルを活用して、建物や空間の利用方法や完成イメージをグラフィックデータとして制作・販売しています。
対象は、建築・内装・不動産業界を中心に大規模開発や商業施設、不動産開発(新築、リニューアル・リノベーション等)に係わる企業です。
国内最大級の掲載件数
アズームは不動産×ITを軸に「世の中の遊休不動産を活躍する不動産に」を企業理念に掲げています。
まずは、駐車場ビジネスにITを導入する事で空き駐車場問題の解決に貢献してきました。
これがアズームの高い成長を実現してきました。
実際に、アズームの運営する「カーパーキング」の掲載物件数は国内最大級の約5.3万件になります。
運営サービス
引用:アズーム
ユーザー向けのサービス、オーナー向けのサービスがメインになります。
少し毛色が違いますが金融系の滞納保証サービスも始めています。
また、子会社にCGworksというコンピュータグラフィックスの制作会社を持っています。
事業セグメント
アズームは、2つの事業から成り立っています。
- 遊休資産活用事業:駐車場の紹介を行う月極駐車場紹介サービス、駐車場オーナーから空き駐車場をマスターリース(一括借り上げ)して月極駐車場としてユーザーにサブリース(貸し付け)を行う月極駐車場サブリースサービス
- ビジュアライゼーション事業:不動産の情報や活用方法を視覚的に伝えるために3DCG技術やVR技術を活用した建物や空間の利用方法や完成イメージをグラフィックデータの制作と販売。
アズームの売上構成比率(2023年9月期)
アズームの売上の主力は、遊休資産活用事業で全体の97.4%を占めています。
主力の「遊休資産活用事業」の駐車場サブリースサービスの賃料収入は、ストックビジネスです。
駐車場サブリース契約の積み上げに伴って、年度後半にかけて売上が増加する傾向があります。
特に2Q後半の3月頃は、引越し等の繁忙期シーズンのため大きく売上増加する傾向があります。
アズームのサービス別売上構成比率(2023年9月期)
引用:アズーム
サービス別売上構成比を見てみると、「月極駐車場サブリースサービス」が全体の91.0%を占めています。
「月極駐車場サブリースサービス」は、駐車場オーナーからの駐車場受託台数の増加と稼働率の維持・向上が賃料収入の拡大に結び付くストック型の収益モデルです。
2番目に大きいサービスは「月極駐車場紹介サービス」になりますが、全体の5.2%になっています。
「月極駐車場紹介サービス」は、「カーパーキング」を通じた紹介件数の伸びが手数料収入の拡大に結び付くフロー型の収益モデルです。
アズームの収益構造は、フロービジネスとストックビジネスの合わさった収益構造になっています。
「カーパーキング」を通じて獲得した情報やユーザーを「紹介サービス」から「サブリースサービス」へと展開する収益拡大モデルが特徴です。
アズームの利益構成比(2023年9月期)
アズームの利益の主力は、遊休資産活用事業で全体の98.8%を占めています。
遊休資産活用事業の利益率は15.7%になっています。
前期の利益率が13.8%なので、利益率が改善されています。
株価の推移
月足5年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:32.3倍
- PBR:13.9倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、かなり割高と判断されています。
チャート分析
現在の株価は、上場来高値の8470円から下落し5900円付近の節目で反発しようとしています。
月足移動平均線は全て上向きですが、株価は12MAを割り込んでいます。
週足移動平均線は52MAは上向きですが、13MAと26MAが下向きになっています。
まずは、直近の節目になっている5900円で反発して週足26MAを超えれるかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2023年に82億円、営業利益の過去最高も2023年の12.8億円です。
24年度の売上高と営業利益は、8年連続の過去最高を更新予想です。
23年度の本決算から売上高20.9%増、営業利益40.4%増、EPS31.7%増です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:18.00%
- ROE:43.11%
- ROA:29.55%
- EPS:196.6円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を大きく上回る企業です。
大手ディベロッパー28社の平均営業利益率は12%なので、平均を大きく上回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:64.1%
- 有利子負債倍率:0.04倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので平均を大きく上回る企業です。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を大きく下回る企業です。
また、総資産に対して30%以上が安心の目安と言われています。
アズームの利益剰余金は、総資産に対して47.0%となっています。
利益剰余金は増加傾向で、財務体質がかなり健全な企業です。
中期経営計画
アズームは、2025年9月期までの中期経営計画を発表しています。
経営数値目標
引用:アズーム
アズームは、2025年9月期に売上高125億、営業利益25億、営業利益率20%以上の成長を計画しています。
月極駐車場受託台数推移
引用:アズーム
アズームは、2025年9月期までに月極駐車場受託台数3万台以上を目指しています。
アズームの主力事業は、ストックビジネスの月極駐車場サブリースサービスです。
この「駐車場受託台数」と「稼働率」が KPI (重要業績評価指標)になってきます。
KPI推移
引用:アズーム
中期成長戦略
引用:アズーム
既存領域(サブリース)のストック拡大
駐車場事業における事業領域
引用:アズーム
駐車場・自動車保有の動向
引用:アズーム
国内駐車場台数は微増ですが、国内自動車保有台数は7000万台後半で推移しています。
つまり、空き駐車場が増え続けているということが分かります。
空き駐車場をサブリースして収益化していくことで、ストック領域の拡大が考えられます。
成長ポテンシャル
引用:アズーム
アズームは、首都圏以外にも札幌、名古屋、大阪、福岡に展開をしています。
現在は、首都圏が中心ですがその他のエリアを強化中です。
また新たに東北や中国、四国などの地域への進出も検討しています。
関連する新領域でのストック獲得
鉄壁
引用:アズーム
「鉄壁」は、月極駐車場特化型の滞納保証サービスを提供する企業です。
月極駐車場運営における重要事項の1つに、賃料滞納への対策が上げられます。
1.5万台を超える月極駐車場を運営する上で、滞納督促業務のDX化に取り組んでいます。
「鉄壁」は、その中で培われたノウハウやリソースを全国の月極駐車場オーナーへ提供しています。
CarParking One
引用:アズーム
アズームは、「クラウド型管理システム CarParking One」を開発しました。
「CarParking One」は、駐車場オーナーがオンライン上で申し込みや契約締結などを行えるサービスです。
CarParking One に登録した情報は「CarParking」に無料で掲載されます。
インターネットで駐車場を探している人にアピールできるので、効率的に集客できるのが強みです。
Tomemiru(トメミル)
引用:アズーム
「Tomemiru(トメミル)」は、車両保有法人向けサービスです。
駐車場手配から契約後の管理業務まで一元化が出来るのが特徴です。
これは、業界初の社用車駐車場に特化した駐車場サービスです。
事業領域の拡大
引用:アズーム
主力の駐車場プラットフォーム運営やサブリースを中心に、遊休資産の収益化全般へのビジネス展開を拡大していきます。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:25円(2024年9月期)
- 配当利回:0.39%(2024年3月15日)
- 配当性向:12.7%
アズームは、プライム市場に早期の以降を目指しています。
純資産50億円という要件をクリアするために「利益配分を進めつつ内部留保も行い、純資産を貯めることを意識している」との事です。
株主優待
残念ながらアズームは、株主優待の設定をしていません。
まとめ
アズームを買うなら、上場来高値を更新してかた投資しても遅くない。
業績は、7期連続で過去最高の売上と利益を更新しています。
また24年9月期も増収増益予想です。
事業内容は、ストックビジネスの駐車場サブリースが主力事業になっています。
このストックビジネスが売上の91%を占めているので、かなり手堅い収益構造です。
このストックビジネスが主力なので、売上が前年割れする事はあまり考えられません。
株価は、上場来高値をつけて下落しています。
週足移動平線の13MAと26MAが下向きになっています。
まずは、節目の5900円を守って週足26MAを超えれるかに注目です。
アズームの経営効率はROE35%以上、営業利益率20%以上の水準の維持を掲げているほど優秀です。
売上高や営業利益率などの指標も大事ですが、「駐車場受託台数」と「稼働率」の KPI (重要業績評価指標)に注目です。
また、プライム市場へ早期移行のために純資産50億円以上の要件をクリアしようとしています。
プライム市場への移行が出来ると、さらに資金も集まるので今の内に投資するのも面白いと思います。
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