グッドコムアセット(3475)の株価を分析していきます。
グッドコムアセットを5つのポイントで説明
- 東京23区内を中心に投資用マンションを供給するディベロッパー
- 主力事業は公務員をターゲットにした個人投資家への販売
- 経営効率は優秀で売上と営業利益は6期連続増収増益予想
- 配当金は5期連続増配予想だが配当性向30%がメド
- 株価1000円の2番底を確認して購入したい
グッドコムアセットの概要
グッドコムアセットは、東京23区内を中心に投資用マンションを供給するディベロッパーです。
事業内容は、個人投資家や不動産販売会社へ投資用マンションの販売を行っています。
販売する投資用マンションは全て自社ブランドの「GENOVIA」シリーズです。
筆頭株主の長嶋義和氏は、同社の代表取締役社長で不動産会社で12年の営業経験があります。
2019年12月に不動産DXクラウドファンディング「Good Com Fund」のサイトを立ち上げました。
これは、1口10万円から出資できる小口資産運用のファンドです。
ホールセール
自社ブランド「GENOVIA」
引用:グッドコムアセット
グッドコムアセットは、「GENOVIA」と言う自社ブランドのマンションを供給しています。
全ての「GENOVIA」シリーズを投資物件として販売しています。
「GENOVIA」の特徴は、統一デザインと壁面緑化です。
「GENOVIA」仕様を設定することで、施工業者が違っても同じデザインになるのが特徴です。
またグッドコムアセットは、緑化にも力を入れています。
実際に壁面緑化デザイン「green veil」として商標登録をとってます。
マンションに壁面緑化を取り入れているのはグッドコムアセットだけです。
またグッドコムアセットは、ペット可マンションを推進しています。
ペットの散歩に行けない人のために、マンションの屋上にドッグラン「skyrun」を採用しています。
供給エリア
引用:グッドコムアセット
グッドコムアセットの物件供給エリアは、東京23区が中心になります。
その中でも最寄り駅徒歩十分圏内の中心に新築の投資用マンションを供給しています。
FJネクストもそうですが、東京23区内の単身世帯の需要は増加傾向にあります。
また中古物件の取り扱いはしていません。
オフバランス・スキーム
引用:グッドコムアセット
グッドコムアセットは、独自のオフバランス・スキームを採用しています。
その内容は、まず購入した土地を建設会社等にそのまま売却します。
その次に、売却した建設会社等と仕入契約を結びます。
こうすることで、グッドコムアセットは銀行の借り入れをせずに仕入れる事ができます。
これにより、自己資本比率40%以上をキープしながら仕入れが可能です。
リテールセールス
主要顧客の特徴
引用:グッドコムアセット
リテールセールスの主要顧客は公務員になります。
公務員は、民間企業に比べて景気に左右されにくいので安定的な販売が可能です。
また女性顧客が中心でしたが、男性顧客も増加しています。
また主力エリアは、関東圏から全国にエリアを拡大しています。
2021年に大阪支店を開設することで、販路拡大と新規購入者も増えています。
また近い将来に名古屋や福岡への進出も計画しています。
主要顧客の年齢
引用:グッドコムアセット
主要顧客の年齢層は、30代~40代の所得の安定した世代です。
購入理由
生命保険代わりとして購入
引用:グッドコムアセット
相続税評価額の圧縮を目的として購入
引用:グッドコムアセット
相続税の基礎控除額が改正されて、相続財産は2015年から大幅に増加しました。
現金を投資用マンションにする事で、約7~8割相続税評価額が圧縮されます。
税金負担が軽くなる分、投資用マンションへの切り替えは今後も増加すると見込んでいます。
事業セグメント
グッドコムアセットは、4つのセグメントから成り立っています。
- ホールセール:国内外の不動産運用会社等に自社ブランドの新築マンションを販売
- リテールセールス:国内外の個人投資家に自社ブランドの新築マンションを販売
- リアルエステートマネジメント:販売したマンションの賃貸管理や建物管理業務、顧客に引き渡す前の賃料の受入れ、家賃債務保証事業
- Good Com Fund:不動産特定共同事業法に基づく不動産小口化商品の販売
グッドコムアセットの売上構成比率(2021年10月期)
グッドコムアセットの売上の主力は、ホールセールスになり全体の76.5%を占めています。
21年10月期は、不動産小口化商品の販売実績がありませんでした。
そのためGood Com Fundの売上はありません。
グッドコムアセットの利益構成比率(2021年10月期)
グッドコムアセットの利益もホールセールで、全体85.8%を占めています。
ホールセールの利益率は11.8%、リアルエステートマネジメントの利益率は34.5%になっています。
今期は、リテールセールスが1億4100万円の赤字、Good Com Fundが7700万の赤字になりました。
株価の推移
月足5年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:6.7倍
- PBR:1.7倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、割安と判断されています。
チャート分析
月足5年チャートを見てみると、1000円付近に節目があります。
20年10月に株式分割をしていますが、そこから上値は1500円付近になっています。
月足移動平均線は、12MAが下向きでローソク足は24MAを割り込んでるので下落傾向です。
週足5年チャートを見ると直近の節目1250円を割り込んでしまいました。
週足移動平均線は、13MAと26MAが下向きで52MAを割り込んでいるので下落傾向です。
株価は、1000円付近で反発しているので、まずは1200円まで戻るかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2021年に342億円、営業利益の過去最高も2021年の347億円です。
22年10月期の売上高と営業利益は、過去最高を更新予想です。
22年10月期通期予想
21年10月の決算説明会資料に「2022年の業績予想は保守的に計画」と書かれています。
特に主力事業のホールセールを保守的に計画しています。
条件次第では上振れ余地があるとの事です。
さらに第二四半期に業績偏重しているとあります。
第二四半期の期待は、かなり高くなっているので中間決算の進捗は注目です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:9.01%
- ROE:25.38%
- ROA:11.43%
- EPS:163.0円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を大きく上回る企業です。
大手ディベロッパー28社の平均営業利益率は12%なので、平均を少し下回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:45.0%
- 有利子負債倍率:0.98倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので平均を上回る企業です。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を上回っています。
剰余金も積み重なっていて、総資産に対して34.6%になっています。
今後の成長の為に、自己資本比率40%と有利子負債倍率1倍を基本的にはキープの方針です。
中長期経営計画
グッドコムアセットは、2030年までの中長期経営計画を発表しています。
また2026年10月期までに株式の時価総額1000億円達成に向け、毎期30%の増収増益を掲げています。
経営数値目標
引用:グッドコムアセット
2030年には、売上高6000億円、営業利益600億円を目指しています。
その為のCAGR(年平均成長率)40%超になります。
時価総額ランキング
引用:グッドコムアセット
時価総額ランキングを見て分かるようにトップ3は、財閥系になります。
グッドコムアセットは61位ですが、2030年12月までにトップ5入りを目指しています。
事業ポートフォリオ
引用:グッドコムアセット
新しい事業ポートフォリオ「上場コンサルティング・ベンチャー投資」です。
この事業は不動産とは関係のない事業で、ベンチャー企業の育成が目的です。
事業内容は、未上場企業のIPO支援や上場企業のIR支援です。
具体的には、専門的なアドバイスや細かい書類チェックなどを行います。
20年4月には、IPOや上場会社を支援する「キャピタルサポートコンサルティング」を設立しています。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:グッドコムアセット
- 配当金:53円(2022年10月期)
- 配当利回:4.84%(2022年1月7日)
- 配当性向:32.5%
配当金は、2016年に上場してから5年連続増配中です。
22年10月期は、普通配当を7円増配と上場5周年記念配当3円を合わせた53円を予定しています。
現在の配当性向は32.5%なので、配当性向で見ると増配余力はまだまだあります。
営業利益1000億円くらいまでは、配当性向を30%を維持していくことを方針としています。
株主優待
残念ながら、グッドコムアセットは株主優待の設定はありませんでした。
まとめ
グッドコムアセットを買うなら、1000円台の二番底の反発を確認してから購入したい。
株価は現在1000円台の節目で反発しましたが、1150円付近で戻されました。
週足チャートを見ると週足26MAが下向きでローソク足を割り込んでいます。
しかし今期の業績は、過去最高を更新予想なので過小評価されています。
今後も業績を伸ばすには、借入を繰り返して事業の拡大が必要な時期です。
やはり、金利上昇を受けて借り入れが大きい不動産業には逆風です。
しかし、オフバランス・スキームで借入に関しても十分戦略を立てています。
経営効率は、大手ディベロッパー28社を大きく上回っています。
剰余金は毎年積みあがっていたので、本業は順調です。
営業利益率は10%がメドになっているので、さらなる改善があれば嬉しいです。
配当に関しては、4%を超える高配当銘柄です。
株価時価総額1000億円までは、配当性向30%を目途にしています。
今後の成長を考えると、増配の期待ができます。
事業内容の主力のホールセールは、東京23区内で立地の良い投資用マンションの供給です。
今後も東京23区内の単身世帯の需要は増加傾向なのとエリア拡大で売上の伸びしろがあります。
PERやPBRを見てもまだまだ割安で、今後の成長の期待のできる銘柄です。
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