サンフロンティア不動産(8934)の株価を分析していきます。
サンフロンティア不動産を5つのポイントで説明
- 東京都心部で中小型オフィスビルに特化した不動産再生に強み
- 売上高は新型コロナ前まで8年連続2桁成長
- 財務状況と経営効率は平均を上回る優秀な企業
- 配当は10期連続減配をしない予定
- 株価1130円を反発したのを確認して購入したい
サンフロンティア不動産の概要
サンフロンティア不動産は、東京の都心部で中小規模のオフィスビルに特化した、リプランニング(不動産再生)に強みを持つ企業です。
引用:サンフロンティア不動産
リプランニング(不動産再生事業)とは、中小規模のビルを買取してリノベーションします。
その後にテナントをつけて、投資家等に販売する事業です。
またサンフロンティア不動産は、幅広いビジネス領域を持っています。
具体的には、仲介・リノベ・管理・ホテル開発・証券化・貸会議室・海外・家賃保証・建築です。
このように不動産に関する事業を一貫して行える事が、サンフロンティア不動産の強みになります。
実際に受託数は、右肩上がりになっていて、400棟を超えています(21年8月現在)。
ホテル事業では、全国に20店舗展開しています。
その中でも自社が展開するホテルは、全国に11店舗あります。
海外事業は、台湾、ベトナム・インドネシアに進出しています。
現在は、ベトナムで住宅関連事業に注力しています。
ベトナムの実績は、ダナンでホテルや分譲マンション、複合施設を手掛けています。
東京都心部の中小型ビルに特化
引用:サンフロンティア不動産
これは、サンフロンティア不動産の本支店・中核エリアです。
この通りサンフロンティア不動産は、東京都心部の中小型ビルに特化しています。
東京都心部にこだわる理由は、日本のオフィスビルの7割は東京に集中しています。
さらに東京の中でも、その内の7割が都心5区になるからです。
参考
サンフロンティア不動産は、東京都心に集中して営業拠点を構えています。
東京都心に営業拠点を構えているので、土地勘を活かした「テナント斡旋力」が強みです。
不動産に関する悩みをワンストップで解決
引用:サンフロンティア不動産
サンフロンティア不動産は、不動産に関する様々な問題を解決する事ができます。
また、ワンストップでビルオーナーの抱える問題を解決できるのも強みです。
事業セグメント
サンフロンティア不動産は、4つのセグメントから成り立っています。
- 不動産再生事業:リプランニング事業、賃貸ビル事業
- 不動産サービス事業:プロパティマネジメント事業、ビルメンテナンス事業、売買・賃貸仲介事業、貸会議室事業、滞納賃料保証事業等
- ホテル・観光事業:ホテル開発・運営事業等
- その他事業:海外開発事業及び建設事業等
サンフロンティア不動産の売上構成比率(2022年6月期)
サンフロンティア不動産の売上の主力は、不動産再生事業になり全体の87.9%を占めています。
サンフロンティア不動産の利益構成比率(2021年3月期)
利益の主力も不動産再生事業で、全体86.7%を占めています。
主力の不動産再生事業の利益率は30%と高い利益率になっています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:7.7倍
- PBR:0.82倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見てみると、1250円付近に節目があります。
月足移動平均線は60MAが横ばいですが、12MAが上昇し始めました。
まだ12MAが60MAより下にいるので、強い上昇傾向とは言えません。
週足を見てみると節目は1000円付近になっています。
しかし、直近の動きを見ると1130円付近が下値目途になります。
週足5年チャートを見ると、移動平均線は全て上向きなので中期的には上昇傾向です。
しかし1250円付近で押し戻されているので、調整に入ったと思われます。
このまま下落する場合は、次の下値目途が1130円付近なのでしっかり反発出来るか注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2020年に732億円、営業利益の過去最高も2020年の165億円です。
21年3月期は、新型コロナの影響で大幅な減収減益になりました。
しかしそれまでの20年3月期までは、8期連続で2桁増収をしていました。
22年3月期の決算は、増収増益予想で売上高の過去最高を更新する見込みです。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:15.79%
- ROE:10.65%
- ROA:5.85%
- EPS:152円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を上回る企業です。
不動産業の平均営業利益率は11.1%なので、利益率も高い企業です。
直近3年で見るとEPSと営業利益は上昇傾向にあります。
また新型コロナの影響で売上利益は半分以下になってしまいました。
しかしそれ以前の数字を見ると、元々は営業利益と経営効率がかなり高い企業です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:52.9%
- 有利子負債倍率:0.71倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので大幅に上回っています。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので大幅に上回っています。
余剰金は総資産に対して38.1%もあり、毎年しっかり積みあがっています。
サンフロンティア不動産は、本業が順調で倒産リスクの低い会社と言えます。
中期経営計画
サンフロンティア不動産は、21年3月期から25年3月期までの中期経営計画を発表しています。
当初は、19年3月期から23年3月期までの5年間でした。
しかし新型コロナの影響で、21年3月期を起点に見直しをしています。
経営数値目標
引用:サンフロンティア不動産
利益計画では、売上高1000億、営業利益200億、純利益140億を目標にしています。
売上高は22年3月期の760億を達成したとして、残り3年で240億円です。
これまでの10%以上の成長と、売上営業利益20%以上に回復すれば達成できます。
経営指標目標では、自己資本比率50%の水準を維持、ROE10%以上を目標にしています。
自己資本比率は、現在で十分クリアしています。
ROEは22年度で10%以上を達成予想です。
売上高構成比
引用:サンフロンティア不動産
サンフロンティア不動産は、フローとストックの事業バランスでも成長を目指しています。
特にストック事業は、現在の2.4倍の拡大です。
特にホテル運営事業は、ストック事業の中で主力事業に成長させようとしています。
投資計画
引用:サンフロンティア不動産
オフィスビル事業では、都心の中小型オフィスビルの再生事業を中心にしています。
また再生事業だけでなく、低層店舗開発や新築ビルにも取り組みます。
ホテル事業と海外事業を成長戦略にしています。
特に海外事業は、ベトナムでのマンション開発を含めた関連事業を一貫して行う予定です。
株主還元
引用:サンフロンティア不動産
配当性向については触れていませんが、10期連続減配をしない予定です。
現在の配当性向も低いので、引き続きEPSが増加すれば増配が期待できます。
もし、また一時的に悪化すれば配当維持が予想できます。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:42円(2022年3月期)
- 配当利回:3.59%(2021年9月17日)
- 配当性向:27.6%
サンフロンティア不動産は、22年3月期より中間配当の実施をしています。
配当性向の目安を明確にはしていませんが、30%以下になっていて増配余力はあります。
昨年は大幅な減収減益だったのですが、配当維持をしています。
株主優待
毎年3月31日を基準日として、100株以上を保有する株主は1,000円分の優待割引券がもらえます。
株主優待の内容
引用:サンフロンティア不動産
対象ホテル
引用:サンフロンティア不動産
まとめ
サンフロンティア不動産を買うなら、1130円付近で反発したところを買いたい。
新型コロナの影響で大幅な減収減益でしたが、期初予想を上方修正して達成しています。
ただし、22年3月期の第一四半期決算短信で「東京ビジネス地区(都心5区/千代田・中央・港・新宿・渋谷)の平均賃料11カ月連続の下落、平均空室率は6.19%と16カ月連続の悪化」とあります。
この事を考えると景気後退や働き方の変化の影響で、22年3月期だけで回復するは厳しそうです。
しかし、低金利を背景に着実に投資意欲が回復しているのも事実です。
チャートを見る限り、週足移動平均線は全て上向きなので中期的には上昇傾向です。
ただし、短期的には1263円をつけて調整していると思われます。
次の下値目途は、1130円付近なのでしっかり反発出来れば購入を検討したいです。
配当に関しては、配当利回りが3.59%なので高配当になります。
22年3月期の配当性向は、30%以下と増配余力もあります。
また、財務状況や余剰金はしっかり積みあがっているので減配する可能性は低いです。
実際に21年3月期は、新型コロナの影響でEPSを大きく下げましたが、配当を維持しました。
EPSが過去最高を更新すれば、増配の可能性も十分にあります。
配当目的の長期保有も検討していい銘柄です。
1年や2年で業績を回復させて、過去最高を更新するのは厳しいです。
もともとサンフロンティア不動産は、経営効率と営業利益が高い企業です。
25年3月期までに掲げている中期経営計画は、十分達成できると思います。