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株価分析(不動産)

平和不動産(8803)の株価を分析【高配当銘柄】

平和不動産(8807)の株価を分析していきます。

 

平和不動産を5つのポイントで説明

    • 国内の各証券取引所や主要都市でオフィスビル賃貸を行う「兜町の大家さん」
    • 売上と利益の主軸は東京を中心としたオフィスビルの賃貸事業
    • 22年3月期は売上と利益共に過去最高を更新予想
    • 利益率は高いが財務基盤は平均的
    • 過去10年の株価は右肩あがりだが現在3400円で調整中

 

 

平和不動産の概要

平和不動産は、証券取引所の賃貸を主軸に国内でビルの賃貸を行う総合不動産ディベロッパーです。

 

特に日本橋兜町に多くのビルを保有している事から「兜町の大家さん」と言われています。

 

 

設立のきっかけは、戦後の1947年に日本証券取引所(当時は半官半民の営団組織)の解散です。

 

新たな証券取引所および証券業者等に施設を賃貸することを目的でした。

 

その財産を現物出資して設立されたのが平和不動産です。

 

 

主要株主の中で2番目に株を保有しているのが三菱地所です。

 

平和不動産は、2011年に三菱地所と資本業務提携を発表しました。

 

これにより第三者割当増資を三菱地所が引き受けたからです。

 

平和不動産の保有物件

全国の証券取引所ビルを所有

平和不動産

引用:平和不動産

 

平和不動産は、東京、大阪、名古屋、福岡の各証券取引所ビルを保有しています。

 

全国の主要都市でビル賃貸事業の展開

引用:平和不動産

 

平和不動産は、東京の日本橋兜町を中心に、各主要都市に50棟以上のビルを保有しています。

 

大阪では北浜、名古屋では栄、福岡では天神、札幌では大通り公園エリアになります。

 

地域別割合と用途別割合

平和不動産

引用:平和不動産

 

地域別の割合で最も比率が高いのは東京で44%を占めています。

 

用途別の割合で最も比率が高いのはオフィスで68%を占めています。

 

 

事業セグメント

平和不動産は、2つのセグメントから成り立っています。

 

  • ビルディング事業:証券取引所、オフィス、商業施設及び住宅等の開発、賃貸、管理、運営ならびに売却等
  • アセットマネジメント事業:平和不動産リート投資法人の資産運用及びハウジングサービス株式会社による不動産の仲介等

 

平和不動産の売上構成比率(2021年9月期)

 

平和不動産の売上の主力は、ビルディング事業になり全体の96.1%を占めています。

 

平和不動産の利益構成比率(2021年9月期)

 

利益の主力もビルディング事業で、全体87.8%を占めています。

 

ビルディング事業の売上総利益率は18%と高い利益率です。

 

しかし、アセットマネジメント事業の売上総利益率は61.5%とかなり高い利益率になっています。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

平和不動産

引用:株探

 

週足3年チャート

平和不動産

引用:株探

 

株価指標

  • PER:17.0
  • PBR:1.02倍

不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、株価は妥当と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見てみると、綺麗な右肩上がりに株価は上昇しています。

 

月足移動平均線は、全て上向きなので長期的には上昇傾向です。

 

しかし直近の節目の3500円を割っており、24MAでサポートされているように見えます。

 

この24MAでしっかり反発出来るかを確認したいです。

 

 

週足3年チャートを見てみても週足移動平均線は、13MAと26MAは下向きになっています。

 

さらにローソク足は、全ての移動平均線を下回っています。

 

節目の3500円付近で調整後に下落し、現在は3400円付近で調整中です。

 

さらに下落する場合は3100円付近まで下落する事を覚悟した方がいいです。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上の過去最高は2009年に519億円、営業利益の過去最高は2021年の112億円です。

 

21年度3月期の売上は落としましたが、利益面では過去最高を達成しています。

 

22年3月期の売上高、利益面では過去最高を更新予想になっています。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:20.25%
  • ROE:6.01%
  • ROA:1.94
  • EPS:199.4

 

不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を少し下回る企業です。

 

大手ディベロッパー28社の平均営業利益率は12%なので、平均を大きく上回る利益率です。

 

また、21年3月期の営業利益率は32.04%と大手ディベロッパー28社の中でトップです。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:32.3%
  • 有利子負債倍率:1.64倍

 

自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なのでほぼ平均的な企業です。

 

有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので少し下回っています。

 

剰余金は増加傾向にありますが、総資産に対して12.7%しかありません。

 

 

中期経営計画

引用:平和不動産

 

平和不動産は、23年3月期までの中期経営計画を発表しています。

 

経営数値目標

引用:平和不動産

 

中期経営計画の利益目標は、23年度EPSが200円以上、連結営業利益が120億以上に設定しています。

 

資本効率のROE目標は6%以上、連結総還元性向70%程度になっています。

 

22年3月期の決算予想ではEPSが199.4円、営業利益115億円、ROE6.01%です。

 

23年度のEPS、営業利益、ROEの中期経営計画の目標数値の達成は手堅い状態です。

 

投資計画

引用:平和不動産

 

事業戦略

再開発事業

日本橋兜町・茅場町の再活性化

引用:平和不動産

 

兜町・茅場町再開発の第1弾プロジェクトが「KABUTO ONE」です。

 

この「KABUTO ONE」は、国家戦略特区のプロジェクトとして認定されています。

 

 

このエリア内の新金融拠点「FinGATE」として、4つのオフィスを開設しました。

 

「FinGATE」とは、これからの金融を担う独立系資産運用会社やFintech等の金融系ベンチャー企業の起業・発展を支援するインキュベーション活動の総称です。

 

このように平和不動産は「国際金融都市・東京」構想の実現に貢献する取り組みをしています。

 

札幌再開発事業化の推進

平和不動産

引用:平和不動産

 

平和不動産は、札幌再開発事業の推進しています。

 

  1. 道銀ビルディングの再開発の検討
  2. 札幌駅南口北4西3地区(札幌駅前合同ビル所在街区)市街地再開発事業への参画

 

ビルディング事業

外部成長戦略
  • 東京都心および主要都市のオフィスビルをメインターゲットとして、新規賃貸資産の積み上げを目指す
  • 従来の投資ペースを上回る4年間で約600億円(ネット投資400億円)の投資を計画

 

内部成長戦略
  • 賃貸オフィス市場の動向に基づいた賃料増額改定に取り組む(2023年度までの増額改定:約7億円)
  • ビルの価値を維持・向上させ、運営管理サービスの水準引き上げによりテナント満足度を高めながら増額改定に取り組む

 

 

配当金と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

  • 配当金:82円(2022年3月期)
  • 配当利回:2.42%(2021年11月19日)
  • 配当性向:41.1%

 

配当金は、8期連続減配をせず5期連続増配中です。

 

平和不動産は、中期経営計画で連結総還元性向70%、連結結配当性向50%としています。

 

配当金は1株82円ですが、株主優待でクオカード1000円(100株を3年未満の保有)がもらえます。

 

また自社株買いは直近3年間は毎年行っています。

 

株主優待

引用:平和不動産

 

平和不動産は、毎年3月末日に100株以上保有する株主に株主優待を実施しています。

 

内容は、3年未満の保有で1000円分のクオカードがもらえます。

 

また300株以上を連続3年以上の保有すると3000円分のクオカードがもらえます。

 

 

まとめ

平和不動産を買うなら、3400円で下げ止まったことを確認してから買いたい。

 

主力事業のビルディング事業は、全国の主要都市のビルの賃貸になります。

 

ビルを保有しているエリアは、東京の兜町、名古屋の栄、大阪の北浜などの一等地なので手堅い事業です。

 

 

平和不動産の22年3月期決算予想では、売上高と利益共に過去最高を更新予想です。

 

通期進捗率も5年平均の54.8%を上回る66.6%と業績は順調です。

 

また中期経営計画で掲げている数値目標も達成は射程距離範囲内です。

 

営業利益率は高いのですが、経営効率や財務状況が平均並みなのが少し残念です。

 

 

しかし株主還元に関しては積極的な企業です。

 

総還元性向70%に設定していて、5期連続増配中です。

 

 

チャートは株価は3600円で調整をして、3400円まで下落して再び調整中です。

 

さらに下落すると次は3200円付近まで下落する事を考えておきたいです。

 

しかし月足10年チャートをみると、過去10年間で右肩上がりに株価は成長してきました。

 

 

 

「国際金融都市・東京」を目指す中で、恩恵を受けるのはこの平和不動産になります。

 

高い利益率と安定した収益源があり、株主還元も積極的なので長期保有を検討出来る銘柄です。

 

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