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株価分析(建物管理)

共立メンテナンス(9616)の株価を分析【インバウンド銘柄】

共立メンテナンス(9616)の株価を分析していきます。

 

共立メンテナンスを5つのポイントで説明

    • 学生寮や社員寮、ホテルの運営管理を手掛ける企業
    • 主力事業はホテル事業なのでインバウンド需要に注目
    • 新型コロナの影響で経営効率と財務状況は平均を大きく下回る
    • 目標配当性向20%を基準だがこれ以上の減配の可能性は低い
    • インバウンド再開の期待で株価は上昇中

 

共立メンテナンスの概要

共立メンテナンスは、ホテル事業と寮事業が主力の運営・管理会社。

 

共立メンテナンスは、1979年に給食受託事業からスタートしました。

 

そこから、学生寮・社員寮を運営する「寮事業」を手掛けてきました。

 

現在では、ビジネスホテル・リゾートホテルを運営する「ホテル事業」へ事業領域の拡大しています。

 

主力事業のホテル事業や寮事業の大きな特徴は、寮やホテルを持たない事です。

 

ホテルや寮の物件をリースして、ホテルや寮の管理・運営のみを行っています。

 

ビジネスモデル

引用:共立メンテナンス

 

共立メンテナンスの大きな特徴として、ホテルや寮の物件をリースしていることです。

 

共立メンテナンスの事業は寮やホテル等の管理・運営です。

 

自社で土地や建物を保有することが目的ではありません。

 

土地・建物の保有者から長期間一括借受けし、サブリースすることを前提に事業を展開しています。

 

自社で土地や建物を持たないので価値が落ちても、減損のリスクがないことがメリットです。

 

 

事業セグメント

共立メンテナンスの事業は、6つのセグメントから成り立っています。

  • 寮事業:学生寮・社員寮・ドミール・受託寮の管理運営事業
  • ホテル事業:ドーミーイン(ビジネスホテル)事業、リゾート(リゾートホテル)事業
  • 総合マネジメント事業:オフィスビルマネジメント事業、レジデンスビルマネジメント事業 
  • フーズ事業:外食事業、受託給食事業、ホテルレストラン等の受託運営事業
  • ディベロップメント事業:建設・企画・設計・仲介事業、分譲マンション事業、不動産流動化事業、その他開発付帯事業
  • その他事業:シニアライフ事業(高齢者向け住宅の管理運営事業)、PKP事業(自治体向け業務受託事業)、単身生活者支援事業、保険代理店事業、総合人材サービス事業、融資事業及び事務代行業、その他の付帯事業

 

共立メンテナンスの売上構成比率(2022年3月期)

引用:共立メンテナンス

 

共立メンテナンスの売上の主力は、ホテル事業で全体の36%を占めています。

 

またホテル事業の次に主力になっているのが寮事業とディベロップメント事業です。

 

寮事業は全体の27%、ディベロップメント事業は全体の23.7%を占めています。

 

共立メンテナンスの利益構成比率(2022年3月期)

 

共立メンテナンスの利益の主力は、ディベロップメント事業で全体61.9%を占めています。

 

ディベロップメント事業の利益率は21.1%になっています。

 

売上の主力になっているホテル事業は、94億5000万の損失を出しています。

 

これは、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出された影響です。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:207
  • PBR:2.91倍

 

大手管理会社3社の平均PERが15.0倍、PERが1.65倍になります。

 

この事から考えると共立メンテナンスの株価は、かなり割高と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見てみると、新型コロナショックから回復してきています。

 

また上場来高値の6370円に着実に近づいてきています。

 

月足移動平均線は全て上向きなので、長期的には上昇傾向です。

 

週足5年チャートを見ると株価は5000円、その次は5700円に節目があることが分かります。

 

週足移動平均線も全て上向きなので中期的に見ても上昇傾向です。

 

経済再開でのホテル事業の改善とインバウンド再開を見越した期待が先行しています。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上の過去最高は2022年に1737億円、営業利益の過去最高は2019年の145億円です。

 

売上高は1998年から2022年の間で減収したのは、2021年の新型コロナショックの一回のみです。

 

しかし直近3年の業績は、新型コロナウイルスの影響を大きく受けている事が分かります。

 

これは、共立メンテナンスの主力事業がホテル事業だからです。

 

緊急事態宣言で休業要請を受けて、主力事業のホテルを休館した事が大きな損失の原因です。

 

しかし主力事業がホテル事業なので、インバウンド銘柄して注目出来ます。

 

共立メンテナンスは、他の管理会社と違って観光業に近い銘柄になります。

 

23年3月期の売上高は過去最高の更新予想ですが、営業利益の回復は遅れています。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:1.72%
  • ROE:1.41%
  • ROA:0.42
  • EPS:25.6

 

ROEは10%以上、ROA5%以上あれば経営効率の優秀な企業の目安になります。

 

大手管理会社3社の平均ROEが11.12%、ROAが7.38%になります。

 

共立メンテナンスの経営効率は、平均を大きく下回る経営効率です。

 

大手管理会社3社の平均営業利益率が6.06%になります。

 

共立メンテナンスの営業利益率は、平均的を少し下回る利益率です。

 

経営効率と営業利益率も平均を大きく下回っていますが、回復傾向です。

 

インバウンドが再開すれば、共立メンテナンスの経営効率や利益率の改善されると思います。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:30.2%
  • 有利子負債倍率:1.89倍

 

大手管理会社3社の自己資本比率の平均は66.9%、有利子負債倍率は0.03倍です。

 

この数字を見ると共立メンテナンスは、平均を大きく下回る財務基盤です。

 

これは、21年3月期に行った大幅な長期借入の影響が大きく反映されています。

 

利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。

 

直近3年の剰余金は減少傾向で、総資産に対して20.8%しかありません。

 

 

中期経営計画

共立メンテナンスは、2018年から2022年までの中期経営計画を発表していました。

 

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、見直しています。

 

 

配当金と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:20円(2023年3月期)
  • 配当利回:0.38%(2022年8月26日)
  • 配当性向:78.1%

 

配当金は、新型コロナウイルスが発生した21年3月期から20円に大幅減配しています。

 

共立メンテナンスの目標配当性向は20%を基準にしています。

 

23年2月期の配当性向は78.1%になり、直近2年は目標配当性向を大幅に上回っています。

 

株主優待

共立メンテナンスは、毎年3月末日と9月末日に100株以上を保有する株主に株主優待を実施しています。

 

株主優待割引券

引用:共立メンテナンス

 

共立メンテナンス、またはグループ会社運営施設で利用できる券面額1000円の割引券です。

 

この割引券は、年2回発行しています。

 

長期保有株主優待制度

引用:共立メンテナンス

 

毎年3月末時点で3年以上継続保有する株主に「株主さまご優待割引券」を発送しています。

 

リゾートホテル優待券

引用:共立メンテナンス

 

リゾートホテル限定の優待券を年2回発行しています。

 

共立メンテナンスが運営するリゾートホテル(ラビスタ・ドーミー倶楽部を含む)で利用できます。

 

割引率の目安は、平日(及び一部特定期間)の通常料金の約30%割引です。

 

休前日・特日等が通常料金の約10%割引になります。

 

あくまで目安ですのでホテルや季節により、割引率やお食事の設定が異なります

 

 

まとめ

共立メンテナンスを買うなら、5000円の押し目で購入したい。

 

月足と週足の移動平均線は3本共上向きなので上昇傾向です。

 

週足13MAまで株価が下がれば購入を検討出来ます。

 

事業内容に関しては、ホテル事業のと寮事業が主力事業です。

 

建物管理と言っても共立メンテナンスは、観光業などのインバウンド関連銘柄なります。

 

業績は、過去25年間で売上高を前年割れしたのは21年3月の1回だけです。

 

この21年3月期は、新型コロナウイルスの影響によるものです。

 

23年3月の売上高は過去最高を更新予想ですが、利益面は底打ち予想です。

 

現在の株価は、インバウンド再開による期待が大きく株価に乗っている事が分かります。

 

配当金に関しては、目標配当性向を20%を基準にしています。

 

23年3月期の配当性向は78.1%なのでかなり財務状況を圧迫しています。

 

また自己資本比率、有利子負債倍率、利益剰余金比率も平均以下なので厳しい財務基盤です。

 

しかし業績が底打ち予想なので、現在の20円を下回る可能性は少ないと思います。

 

株主優待も100株以上で1000円分の割引がもらえます。

 

今は、優待目的ではなくインバウンド関連銘柄として注目出来る銘柄です。

 

インバウンドが再開されれば、期待が織り込まれている分、株価が落ち着く可能性があります。

 

優待目的として購入する場合は、それからでも問題ないと思います。

 

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