株価分析(建設・土木)

大末建設(1814)の株価を分析【高配当銘柄】

大末建設(1814)の株価を分析していきます。

 

大末建設を5つのポイントで説明

  • マンションを中心とした民間建築に特化したゼネコン
  • 受注内訳はマンション60%、非住宅分野40%
  • 財務体質は優良だが経営効率は平均的
  • 23年3月期以降は配当性向50%以上に引き上げ
  • 株価1400円を超えてからの購入でも遅くない

 

 

大末建設の概要

大末建設は、分譲マンションの実績を豊富に持つゼネコンです。

 

民間建築が売上の約95%を占める主力事業です。

 

2013年の三井住友トラスト不動産の調べでは、分譲マンションの施工で業界2位の実績を持っています。

 

大末建設の主力事業は、マンション事業、一般建設事業、リニューアル事業の3つです。

 

現在の筆頭株主は、ミサワホームになります。

 

以前は大東建託と資本業務提携を結んでいましたが、2018年に解消しました。

 

解消と同時にミサワホームと資本業務提携を結んでいます。

 

現在は土木事業を行っておりませんが、2026年以降に土木事業への再進出を計画しています。

 

 

事業セグメント

大末建設の事業は、建設事業に関連する事業をまとめた単一事業にしています。

 

大末建設の受注構成比率(2021年12月)

 

売上高の主軸は、民間建築になり全体の97.4%を占めています。

 

大末建設の事業ポートフォリオは、官公庁、民間共に土木工事の実績がありません。

 

用途別構成比率(2021年9月)

 

引用:大末建設

 

21年9月の用途別構成比では、約60%がマンション案件になります。

 

現在注力している非住宅分野は、物流倉庫・工場の割合が大きく伸びています。

 

これにより非住宅分野の割合は約40%まで拡大しています。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:8.4
  • PBR:0.7

 

建設業の平均PERが9.8倍、PBRが0.9倍な事を考えるとやや割安と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見ると、直近10年の高値圏は1400円以上になります。

 

月足移動平均線の60MAは横ばいですが、12MAと24MAは上向きです。

 

週足5年チャートを見ると1400円台に届いた後は調整しています。

 

直近の節目は1300円付近ですが、週足移動平均線は全て上向きで上昇傾向です。

 

過去10年では1400円台からの下落を2回しています。

 

来期の見通しも良ければ増配などでさらに株価の上昇が期待出来ます。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上高の過去最高は1997年に1682億円、営業利益の過去最高は1992年の68億円です。

 

21年3月期は減収減益でしたが、22年3月期は増収増益予想をしています。

 

今期の利益の改善と利益進捗が進んでいるので、上方修正が期待出来ます。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:3.62%
  • ROE:8.43
  • ROA:3.46%
  • EPS:161.2

 

上場企業の平均ROE8%、ROA3%なので、経営効率は平均的な企業になります。

 

大手ゼネコン23社の平均営業利益が6.7%なので、平均を大きく下回る利益率になっています。

 

営業利益率の低さは、大末建設自身も認識しています。

 

今後は、DX化や受注規模の拡大で収益性を改善していく方針です。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:41.0
  • 有利子負債倍率:0.02倍

 

100億円以上の建設業の自己資本比率の平均が44%なので、平均的な企業です。

 

有利子倍率は、0.02倍とかなり健全です。

 

利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。

 

剰余金は増加傾向ですが、総資産に対して31.7%です。

 

 

中期経営計画

引用:大末建設

 

大末建設は、2030年3月期までのビジョンを発表しています。

 

一般建設とリニューアル事業の強化

引用:大末建設

 

今後のマンション市場は、少子高齢化で縮⼩傾向です。

 

主力のマンション事業で売上規模を維持します。

 

今後は、一般建設とリニューアル事業の強化を計画しています。

 

戦略投資

引用:大末建設

 

2025年3月期には、営業利益率5%、ROE、ROIC10%維持を掲げています。

 

具体的な取り組みは、DX化と受注規模の拡大です。

 

また、本業の収益力改善に周辺・新規事業にも50億円の投資を決めています。

 

配当方針

引用:大末建設

 

大末建設は、23年3月期以降から配当性向50%以上を掲げています。

 

 

配当金の推移と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:60円(2022年3月期)
  • 配当利回:4.45%(2022年2月10日)
  • 配当性向:37.2%

 

大末建設は、6年連続減配していません。

 

22年3月期の配当は、20円増配の60円予想です。

 

23年3月期以降の配当性向は、50%以上と発表しています。

 

現在の配当性向37%なので、自社株買いや増配の余力はあります。

 

しかし、直近5年のEPSが横ばいになっているので注意が必要です。

 

株主優待

残念ながら大末建設は、株主優待の設定をしていませんでした。

 

 

まとめ

大末建設を買うなら、1400円を超えてからでも遅くない。

 

株価は、節目の1300円を大きく超えて直近10年の高値圏に挑戦しています。

 

ここから調整する事があれば、1300円付近で買いを検討できます。

 

さらに上昇を続けていく場合は1400円を超えてからの購入でも4%以上の利回りです。

 

配当は6年連続減配をせずに、22年3月期は増配予想です。

 

さらに23年3月期以降の配当性向は50%以上へ引上げました。

 

来期は大幅増配か自社株買いが期待できますが、売上や利益、EPSは直近5年で見ると横ばいです。

 

今後は、優秀な財務体質を利用した営業利益率の向上や非住宅分野の戦略投資に注目です。

 

実際に大末建設自身も営業利益率が低い事を認識しています。

 

マンション建築は利益率が低いのが特徴です。

 

さらに現在は原材料の高騰しているので、今後の原価はさらに厳しくなります。

 

しかしマンション以外の非住宅分野が40%まで拡大してきています。

 

今後のマンション市場は縮小傾向なので、いかに非住宅分野を伸ばせれるかに注目です。

 

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