淺沼組(1852)の株価分析と特徴をまとめていきます。
淺沼組を5つのポイントで説明
- 建築工事に強みを持つ「学校の淺沼組」「官公庁の淺沼組」
- 近年はマンションや工場の建築だけでなくリフォーム事業にも積極的
- 中期経営計画では23年度まで配当性向70%以上で連続増配予定
- チャートは中長期的にも上昇傾向で3530円を再び超えれるに注目
- 配当が高い理由は過去のアクティビストからの株主提案の影響が大きい
淺沼組の概要
淺沼組は、マンションや工場などの民間建築を主力に、リニューアル事業にも積極的な中堅ゼネコンです。
1892年に創業した当時から淺沼組は、寺社建築や学校建築を中心に建築を手掛けています。
特に戦前に大阪市から請けた小学校建設で高い評価を受け「学校の淺沼組」と言われるようになります。
その後、経営基盤の拡大の為に官公庁施設の受注を重ね、「官公庁の淺沼組」と呼ばれています。
淺沼組の教育施設と官公庁施設への建築工事の強みは、120年以上経った現在でも受け継がれています。
現在の建築工事の受注の割合で一番大きいのはマンションなどの集合住宅です。
その次に工場・倉庫になるのですが、リニューアル工事も全体の15%の割合を占めています。
また、主要株主の中には住友不動産がいます。
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淺沼組の技術
淺沼組は、構造・材料・土木・リニューアル・環境の分野で様々な技術を開発しています。
超高層RC住宅構法[A-HRC]
超高層RC住宅構法は、超高層集合住宅を鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)でなく、鉄筋コンクリート造(RC造)で建設する構法です。
耐震壁がない柱・梁だけの純ラーメン構造から成っています。
SRC造に比べて低コスト、短工期で建設できるのが特徴です。
無収縮高流動コンクリート[スーパーフィルクリート]
引用:淺沼組
スーパーフィルクリートは、浅沼組が開発した高機能コンクリートです。
スランプフロー60cmの高い流動性と、市販の無収縮モルタルと同等以上の無収縮性を発揮します。
地中連続壁工法[DLW工法]
DLW工法は、構造的に優れた壁間継手を使用する工法です。
これまでのRC地中連続壁に比べて、地下空間を安全性と経済的な施工できます。
RM耐震補強工法
引用:淺沼組
型枠の必要がなく、短工期で耐震補強工事を行うことができます。
事業セグメント
淺沼組は、主に3つのセグメントから成り立っています。
- 建築事業:土木工事全般に関する事業
- 土木事業:建築工事全般に関する事業
- その他事業:不動産事業等
淺沼組の売上構成比率(2023年3月)
売上高の主軸は建築事業になり、全体の80.6%を占めています。
中堅ゼネコン8社の建築工事の割合が約52%になっています。
淺沼組は、建築工事に特化したゼネコンになります。
淺沼組の利益構成比率(2023年3月)
利益の主軸も建築事業になり、全体の69.8%を占めています。
22年度の建築事業の利益率は8.9%、土木事業の利益率は15.6%になっています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:12.4倍
- PBR:1.36倍
建設業の平均PERが14.4倍、PBRが0.9倍な事を考えると割高と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると、13年頃から現在まで上昇傾向にあります。
月足移動平均線は3本共上向きなので、長期的に上昇傾向です。
週足移動平均線も3本共上向きなので、中期的にも上昇傾向です。
現在の株価は、3530円付近の節目に調整を終えようとしている状態です。
まずは、この3530円を超えていけるかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は1997年に3046億円、営業利益の過去最高は1992年の119億円です。
23年3月期の決算は増収増益なっていますが、24年3月期の決算は減収減益の予想です。
しかし、EPSは微増ですが着実に伸長する見込みです。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:2.89%
- ROE:10.97%
- ROA:5.16%
- EPS:281.2円
中堅ゼネコン8社の平均営業利益率は3.18%なので、利益率は平均を下回る企業です。
中堅ゼネコン8社の平均ROEは6.51%、平均ROAは2.83%です。
淺沼組の経営効率は、平均を上回る企業です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:47.3%
- 有利子負債倍率:0.23倍
中堅ゼネコン8社の自己資本比率の平均が43.4%、有利子負債倍率の平均は0.27倍です。
淺沼組の自己資本比率は、平均より高いです。
淺沼組の有利子負債倍率は、平均を下回ります。
利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。
剰余金は毎年増えていて、総資産に対して33.2%もあります。
このことから、淺沼組の財務体質はかなり強固な財務体質と言う事が分かります。
中期経営計画
淺沼組は、2023年に向けた中期経営計画を策定しています。
引用:淺沼組
経営数値目標
引用:淺沼組
23年度に営業利益率は5%以上、23年までの3年間のROEは10%以上を維持を目指しています。
株主還元方針
引用:淺沼組
連結配当性向を建設業界最高水準の50%以上を継続することを宣言しています。
投資計画
引用:淺沼組
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:198円(2024年3月期)
- 配当利回:5.68%(23年8月25日終値)
- 配当性向:70.2%
配当性向が50.3%ですが、中期経営計画にも70%以上としているので問題ありません。
淺沼組の株主還元の基本方針は、株主への利益還元を最重要施策としています。
淺沼組の配当が高い理由は、アクティビストの影響が大きいと思います。
2021年には、旧村上ファンドのストラテジックキャピタルに株主提案をされています。
その内容が政策保有株を1年以内にすべて売却することと、配当性向100%の実現でした。
この株主提案は否決されましたが、株主還元や企業価値向上へ大きく影響を与えました。
現在では、ストラテジックキャピタルの投資銘柄に、淺沼組の名前はありません。
株主優待
残念ながら淺沼組は、株主優待の設定がありませんでした。
まとめ
淺沼組を買うなら、まず3540円を超えてから購入したい。
月足と週足のチャートを見ても息の長い上昇傾向を継続しています。
週足を26MA割り込むこともありますが、反発しているので26MAを割れても買い時です。
短期的には直近20年来の高値3530円を節目に抜けれるかに注目です。
淺沼組の経営効率は、中堅ゼネコンの中でも平均を上回る経営効率です。
また財務面では、中堅ゼネコン平均を上回る財務体質です。
中期経営計画で配当性向は50%以上から70%以上へ変更しました。
23年度までの配当金予想も、配当性向の引き上げで増配をしています。
23年度まで高配当銘柄として投資出来る銘柄です。