エスリード(8877)の株価を分析していきます。
エスリードを5つのポイントで説明
- ファンダメンタルは、大手ディベロッパーと比べても優秀
- 販売戦略も財務体質もローリスク経営志向
- 分譲マンションが主体だが、その他事業の成長にも注目したい
- 10期連続減配しない予定
- 週足13MAに押さえつけられているが、移動平均線は上昇傾向
エスリードの概要
エスリードは、森トラストの連結子会社で、関西を中心に分譲マンションを供給するディベロッパーです。
またプレサンス、サムティ、日商エステムと並ぶ関西の4大ディベロッパーです。
エスリードの2020年の全国供給戸数は第5位、近畿圏ではプレサンスに次いで第2位の実績です。
1物件の集中販売することで短期完売を基本戦略としています。
その結果、5期連続完成在庫ゼロを達成していて、エスリードの人気と営業力の高さが表れています。
このように、徹底したローリスクの経営志向も特徴です。
その結果、上場した98年から売上高は、09年から11年の3年以外は右肩上がりです。
この3年間は、サブプライムローン問題と東日本大震災があった時期です。
事業セグメント
エスリードは、主に2つのセグメントから成り立っています。
- 不動産販売事業:マンションの分譲事業
- その他事業:不動産賃貸・管理事業、電力供給事業、建設・リフォーム事業、不動産の仲介・買取再販事業、戸建分譲事業、宿泊施設の運営・管理事業及びマンション・ビルの清掃事業等
エスリードの売上構成比率(2020年3月期)
売上の主力は不動産販売事業になります。
エスリードの利益構成比率(2021年3月期)
利益の主軸も不動産販売事業になり約70%を占めてます。
しかし、その他事業のマンション周辺事業が約30%もあります。
人口減少でマンション販売が厳しくなるので、その他事業の収益は今後も注目していきたいです。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:5.1倍
- PBR:0.49倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍な事を考えると、かなり割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると、21年3月に節目の1600円を突破して1900円付近まで上昇しました。
また6MAと12MAはゴールデンクロスしていて、24MAにサポートされています。
現在はやや調整中ですが、1600円より高値で維持しています。
週足は13MAが株価を押さえつけていますが、移動平均線が3本共上向きなので上昇傾向です。
まずは、1750円をしっかり超えていけるかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は21年3月に689億円で、10期連続増収しています。
経常利益の過去最高は2020年の2806億円です。
22年3月期は、売上高、営業利益共に過去最高更新予定です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:11.07%
- ROE:9.68%
- ROA:4.72%
- EPS:320.8円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%、営業利益率は11.1%です。
この指標に対して、エスリードは全て上回っています。
EPSも基本的には右肩あがりに上昇しています。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:48.8%
- 有利子負債倍率:0.73倍
不動産業の自己資本比率の平均が33.4%、有利子負債倍率の平均が1.34倍です。
エスリードは、平均を大きく上回る優秀な財務状況です。
剰余金に関しても、総資産に対して約44%あるので安心です。
総資産の急拡大で、自己資本比率が低下し、有利子負債倍率は増加傾向にあります。
これは、マンション周辺事業の運転資金を新たに調達したので借入金が増加したので、問題ありません。
今後の戦略
名古屋エリア
引用:エスリード
プレサンス、オープンハウス、サムティに続いて名古屋ではエスリードが着実に増えてきています。
20年6月に第一号の分譲を開始したばかりなので、名古屋エリアでの販売の成果が期待できます。
関連事業の充実
引用:エスリード
戸建分譲では、兵庫県川西市で36区画の新築戸建をわずか3か月で完売させています。
メガソーラーに関しては、子会社の綜電が北海道千歳市に5基目となるメガソーラーを取得しています。
戸建て分譲やメガソーラーなどの新規事業だけでなく、グループ会社も充実しています。
- 管理事業:マンション管理戸数は30,000戸以上
- 賃貸事業:賃貸管理を受託するマンションは15,000戸以上
- 電力供給事業:マンション居住者向けにEVのカーシェア事業を開始
- 建設事業:子会社のイーエル建設が他社物件の施工を受注
- ホテル事業:エスリードホテル難波サウスⅢが20年12月に開業
- 清掃事業:室内環境洗浄化プログラムをホテルや個人宅を中心に販売予定
- 不動産仲介事業:MAツールを22年3月期中に導入予定
私募ファンド・REIT
引用:エスリード
21年3月にエスリード・アセットマネジメントを設立しました。
エスリードも私募ファンド・REITなどの不動産証券化に向けた準備を着実に進めています。
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:40円(2022年3月期予定)
- 配当利回:2.44%(21年5月28日終値)
- 配当性向:12.4%
配当利回りは2.44%ですが、100株から3000円分の株主優待があります。
株主優待を入れた総配当利回りは、4.26%になるので、高配当銘柄になります。
IRでは、株主還元については触れていませんでしたが、配当金は10期連続減配無しの予定です。
株主優待を入れた配当性向が21.8%です。
また財務状況が優良な事を考えると、増配余力はまだまだあります。
株主優待
引用:エスリード
まとめ
エスリードを買うなら、今から買いを検討していきたい。
全国での供給戸数が5位に入るエスリードの経営効率、財務状況はかなり優秀です。
新規市場として2020年に名古屋エリアに進出しましたが、他社と比べて時期は遅れています。
ここもローリスク経営志向の影響なのかもしれません。
しかし、一番早かったプレサンスを筆頭に成功しているので、今後の分譲供給戸数に注目です。
チャートを見ると、近年の節目は1600円付近になっています。
週足の移動平均線が3本共上向きなので上昇傾向で、月足24MAもサポートしています。
直近の目途は1750円を超えていけるかに注目です。
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