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株価分析(設備工事)

四電工(1939)の株価分析と特徴【20年以上減配していない高配当銘柄】

四電工(1939)の株価分析と特徴をまとめていきます。

 

四電工を5つのポイントで説明

  • 四国電力グループの電気設備サブコンで業界7位
  • 工事部門別売上の比率はバランスが取れているが四国電力の依存度は約40%と高い
  • 財務体質は健全だが電力系の電気設備サブコン9社の中では平均的
  • 配当は連結配当性向40%が目安だが極力配当を維持する方針
  • 上昇傾向が終わり直近3500円の節目を守れるかに注目

 

 

四電工の概要

四電工は、四国電力グループの電気設備サブコンで業界7位の企業です。

 

サブコンとは

ゼネコンから設備工事の一部を請負う工事業者

 

四国電力グループなので四国4県にある4支社を中心に23事業所で事業を展開しています。

 

四国地域以外には首都圏・関西圏に進出していて、海外はベトナムに進出しています。

 

四電工は1990年代から中小規模の太陽光発電工事を数多く手掛けてきました。

 

現在でも各地でメガソーラー建設工事が急増していますが、四電工も多くの設計・施工をしています。

 

事業概要

引用:四電工

 

事業拠点

引用:四電工

 

PFI・指定管理者事業

PFI

PFIとは、公共施設の設計から施設整備・運営管理までを民間企業の持つ資金力や経営能力・技術力により行うことで公共サービスの質の向上を目指す事業です。

 

四電工は、宇多津新給食センター整備事業をはじめ、多くのPFI事業に取り組んでいます。

 

四電工の強みである施設整備事業だけでなく、公共サービスの運営管理にも挑戦しています。

 

指定管理事業

指定管理者事業とは、公共施設の運営管理を民間企業が行うことで、公共サービスの品質 向上を目指す事業です。

 

四電工は、香川県立丸亀競技場と香川県立武道館、高松市屋島競技場の指定管理者として、施設の運営管理を行っています。

 

 

事業セグメント

四電工の事業は、2つセグメントで成り立っています。

 

  • 設備工事業:屋内電気工事、空調管工事、情報通信工事、配電線工事、送変電地中線工事の設備工事全般
  • その他事業:電気機器・工事材料の販売、工事材料の製造・販売及び保険代理・賃貸等

 

四電工のセグメント別売上構成比(2024年3月期)

 

四電工の売上の主力は、設備工事業になり全体の88.7%を占めています。

 

四電工の部門別売上構成比率(2024年3月期)

 

四電工の部門別売上の主力は、屋内電気工事になり全体の42.5%を占めています。

 

2番目に大きいのが電気・計装工事で30.2%になっています。

 

3番目が空調管工事で12.6%になります。

 

電力系の電気設備サブコン9社の空調管工事の売上高は全体の10%台後半です。

 

空調管工事の売上の比率が11.3%と他の電力系電気設備サブコンの中でも低いです。

 

四電工の得意先別売上構成比(2024年3月期)

 

四電工の得意先別売上構成比を見ると、主力は四国電力グループで48.8%になります。

 

電力系の電気設備サブコン9社の電力会社への依存度の平均は33.8%です。

 

四電工の電力会社への依存度は、電力系の電気設備サブコン9社の中でも高い事が分かります。

 

四電工のセグメント別利益構成比(2024年3月期)

 

四電工の利益の主力も設備工事業で全体の80.3%を占めています。

 

設備工事業の利益率は、5.96%になっています。

 

しかし、前期の利益率が4.52%だったので、利益率は改善しています。

 

今期、一番利益率が高かったのが太陽光発電事業です。

 

太陽光発電事業の利益率は、35.85%になっています。

 

しかし、前期の利益率が37.4%だったので、利益率は少し悪化しています。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:14.4
  • PBR:0.93

 

電力系の電気設備サブコン9社の平均PERが15.2倍、PBRが0.9倍です。

 

四電工の株価は、電力系の電気設備サブコン9社の中でも割安と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見ると、株価は23年から右肩上がりに成長しています。

 

現在の株価は、4370円の高値をつけて下落しています。

 

この4370円は、91年4月につけた4238円に近い高値です。

 

月足移動平均線は全て上向きなので長期的に上昇傾向です。

 

週足移動平均線は26MAと52MAが上向きですが、13MAが下向きに転換しています。

 

また、ローソク足は26MAを割り込んでいるので上昇傾向が終わったと言えます。

 

直近は、3500円の節目を守れるかに注目です。

 

この節目を割り込むと3400円、3000円が節目になっています。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上高の過去最高は2022年に926億円、営業利益の過去最高は2024年で64億円です。

 

24年3月期の実績は増収減益を予想しています。

 

四電工の売上は、17年度から右肩上がりに回復しています。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:6.00%
  • ROE:6.48%
  • ROA:3.88%
  • EPS:254.1円

 

ROEは10%以上、ROA5%以上あれば経営効率の優秀な企業の目安になります。

 

電力系の電気設備サブコン9社の平均ROE6.87%、ROA4.16%です。

 

四電工の経営効率は、ほぼ平均的な経営効率と言えます。

 

電力系の電気設備サブコン9社の平均営業利益が6.24%です。

 

四電工の営業利益率は、ほぼ平均的な利益率です。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:59.8%
  • 有利子負債倍率:0.16倍

 

電力系の電気設備サブコン9社の自己資本比率の平均は61.9%、有利子負債倍率は0.15倍です。

 

これに対して、四電工はほぼ平均的ですがかなり優秀な財務基盤です。

 

電力系の電気設備サブコン9社の利益余剰金の平均は52.2%です。

 

また、総資産に対して30%以上が安心の目安と言われています。

 

四電工の利益剰余金は、総資産に対して50.1%となっています。

 

しかし利益剰余金は増加傾向で、財務体質も健全なので本業が順調と言えます。

 

 

中期経営計画

四電工は、2025年度までの中期経営計画を発表しています。

 

業績目標

引用:四電工

 

四電工は、25年度の目標を売上高1000億円、営業利益60億円を目標にしています。

 

また経営効率を示すROEの目標を8.0%に掲げています。

 

工事種類別売上高推移(連結)

引用:四電工

 

地域別売上高推移(連結)

引用:四電工

 

 

配当金の推移と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:140円(2025年3月期)
  • 配当利回:3.91%(2023年1月7日)
  • 配当性向:55.0%

 

四電工は、連結配当性向40%以上を目安にしています。

 

また「一時的に減益となった場合でも極力、配当水準の維持をする事に努める」と宣言しています。

 

四電工の財務状況と剰余金比率は健全です。

 

今後の配当維持や増配余力に関しては問題ありません。

 

株主優待

残念ながら四電工は、株主優待の設定をしていませんでした。

 

 

まとめ

四電工を買うなら、3500円の節目を守れるかを確認してから買いたい。

 

月足と週足の移動平均線を見ると週足13MA以外は全て上向きです。

 

しかし、13MAが下向きになっていて、チャートも週足26MAを割り込んでいます。

 

このことから上昇傾向はいったん終わったと考えられます。

 

直近の節目は3500円になりますが、その次は3400円が節目になっています。

 

四電工の営業利益率と経営効率は、電力系の電気設備サブコン9社で平均的です。

 

四電工の財務体質も、電力系の電気設備サブコン9社の中で平均的です。

 

株主還元ついては、「連結配当性向40%」を目途にしています。

 

さらに「一時的に減益となった場合でも極力、配当水準の維持をする事に努める」と宣言しています。

 

現在の配当利回りは3%以上で、直近14年間減配をしていません。

 

購入するなら、直近の節目になっている3500円を守れるかに注目です。

 

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