関電工(1942)の株価を分析していきます。
関電工を5つのポイントで説明
- 東京電力系の総合設備会社で電気設備業界2位のサブコン
- 首都圏での電気設備工事実績NO.1で発電事業も手掛ける
- 経営効率は平均的だが財務体質はかなり優秀
- 配当性向を30%以上に設定していて配当金は12年連続減配無し
- チャートは下落傾向だが目先の節目870円を超えれるかに注目
関電工の概要
関電工は、東京電力系の総合設備会社で電気設備業界2位のサブコンです。
サブコンとは
関電工は、1944年に関東電気工事株式会社として設立された企業です。
現在では国内外の134拠点(国内131:拠点、海外:3拠点)で事業を展開しています。
海外は、シンガポール支社を中心にミャンマー、台湾に関電工の事業所があります。
海外関係会社は、タイ、ベトナム、フィリピンにもあります。
また子会社には、ビルや工場の空調・衛生工事が得意な川崎設備工業があります。
発電事業
引用:関電工
関電工は、2012年度から再生可能エネルギーの発電事業を行っています。
現在は、太陽光発電所を12か所、風力発電所を2か所、水力発電所を3か所、バイオマス発電所を1か所を稼働させています。
首都圏NO.1の施工実績
関電工の施工実績は、首都圏でNO.1の実績を持っています。
代表的な施工実績は、東京スカイツリー、東京タワー、虎ノ門ヒルズ、羽田空港国際線ターミナルがあります。
直近では、東京オリンピックのメインスタジアムである新国立競技場も手掛けました。
首都圏で主要なビルのほとんどは、関電工が手掛けたとも言われています。
事業セグメント
関電工の事業は、主に2つのセグメントから成り立っています。
- 設備工事業:電気・管工事その他設備工事全般に関する事業
- その他事業:電気機器販売業、不動産事業、リース業及び発電事業
関電工のセグメント別売上構成比(2022年3月期)
関電工の売上の主力は、設備工事業で全体の98.1%を占めています。
関電工の部門別売上構成比(2022年3月期)
関電工の部門別での売上の主力は、屋内線・環境設備部門になり全体の54.6%を占めています。
屋内線・環境設備部門は、建築物の電気設備、空調・衛生設備工事などの設計・施工・メンテナンス・リニューアルになります。
2番目に大きいのが配電線部門で23.4%、3番目に大きいのが工務関係部門で11%になります。
関電工の得意先別売上構成比(2022年3月期)
関電工の得意先別売上構成比を見ると、主力は一般得意先で74.6%になります。
東京電力系の企業ですが、東京電力グループの売上高は約25%です。
関電工のセグメント別利益構成比(2022年3月期)
関電工の利益の主力は、設備工事業で全体の95%を占めています。
設備工事業の利益率は5.9%になっています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:8.3倍
- PBR:0.60倍
建設業の平均PERが9.8倍、PBRが0.9倍な事を考えると割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると、直近5年の株価の動きは高値圏から下落して横ばいです。
また800円付近が下値目途になっている事が分かります。
月足移動平均線は3本共下向きでローソク足は24MAと60MAを割り込んでいます。
週足5年チャートを見ても900円付近が節目になっている事が分かります。
週足移動平均線は52MAは下向きですが13MAと26MAは上向きに転換しています。
次は、目先の節目になっている870円を超えていけるかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は2020年に6161億円、営業利益の過去最高も2020年で346億円です。
23年3月期は、増収増益を予想しています。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:5.90%
- ROE:7.16%
- ROA:4.61%
- EPS:101.8円
大手電気設備サブコン5社の平均ROE7.2%、ROA4.23%なので、経営効率は平均的な企業になります。
大手電気設備サブコン5社の平均営業利益が6.42%なので、平均的を少し下回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:60.3%
- 有利子負債倍率:0.05倍
関電工の財務体質は、年々改善傾向になっています。
大手電気設備サブコン5社の自己資本比率の平均が59.6%なので、平均的な企業です。
有利子倍率は、0.05倍とかなり健全です。
利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。
剰余金は増加傾向で、総資産に対して54.7%もあります。
中期経営計画
関電工は、2021年度から2023年度までの中期経営計画を発表しています。
業績目標
引用:九電工
関電工は、2023年度の売上高5800億円、営業利益360億円を目標にしています。
経常利益率は8%以上、ROIC(投下資本利益率)も8%以上を目指しています。
配当性向は、30%以上としています。
主要施策
引用:関電工
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:30円(2023年3月期)
- 配当利回:3.53%(2022年11月4日)
- 配当性向:29.4%
関電工の配当は、2011年3月期から12年連続減配をしていません。
配当金に関しては、配当性向30%以上としています。
23年3月期の配当金は、30円の配当維持を予定しています。
関電工の財務状況と剰余金比率はかなり優秀です。
今後の配当維持や増配余力に関しては問題ありません。
株主優待
残念ながら関電工は、株主優待の設定をしていませんでした。
まとめ
関電工を買うなら、870円の節目を超えてから購入したい。
チャートを見ると直近は800円付近が下値目途になっています。
月足移動平均線は三本共下向きなので、長期的には下落傾向です。
しかし、週足移動平均線の13MAと26MAが上昇傾向に転換してきています。
ローソク足も移動平均線の上にあるので、直近高値の870円を超えれるかに注目です。
23年3月期は、増収増益予想で売上高は過去最高を更新予想です。
関電工の経営効率や利益率は平均的ですが、財務体質はかなり優秀です。
配当金は、配当性向を30%以上に設定していて12年連続減配していません。
関電工は、首都圏での実績NO.1の強みを持っています。
しかし、最近の首都圏の電気設備工事では九電工が攻勢を強めています。
いくら関電工が首都圏での実績NO.1と言っても影響は少なくないはずです。
今後は、これまでの実績を武器にリニューアル工事をいかに受注出来るかに注目です。
また、他の電力会社系の電気設備サブコンと比べても発電事業を手掛けているのが特徴です。
この発電事業や再生可能エネルギー関連工事の受注増にも注目していきたいです。
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