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株価分析(設備工事)

トーエネック(1946)の株価を分析【高配当銘柄】

トーエネック(1946)の株価を分析していきます。

 

トーエネックを5つのポイントで説明

  • 中部電力グループの電気設備サブコンで業界4位
  • 電気工事と空調管工事に強く中部電力の依存度は約40%と高い
  • 財務体質は健全だが大手電気設備サブコン5社の中では見劣りする
  • 連結配当性向30%の目途を重要視した株主還元
  • 株価3500円の節目を超えれるかに注目だが来期以降の購入でも遅くない

 

 

トーエネックの概要

トーエネックは、中部電力グループの電気設備サブコンで業界4位の企業です。

 

サブコンとは

ゼネコンから設備工事の一部を請負う工事業者

 

中部電力グループなので愛知、長野、岐阜、三重、静岡を中心に事業を展開しています。

 

近年は、首都圏や関西圏へ積極的な進出をしてエリアを拡大しています。

 

トーエネックは、電気設備サブコンの中でも珍しく一般家庭の設備工事も手掛けています。

 

太陽光発電、EV充電設備、蓄電池、エコキュート、IH クッキングヒーターなど電化リフォームまでワンストップで対応しています。

 

海外拠点

引用:トーエネック

 

トーエネックは、1970年代に海外事業をスタートさせました。

 

現在では、アジア8ヵ国に拠点を展開しています。

 

 

事業セグメント

トーエネックの事業は、3つセグメントで成り立っています。

  • 設備工事業:配電線工事、地中線工事、屋内線工事、空調管工事、通信工事の受注施工
  • エネルギー事業:太陽光発電事業、学校空調システムサービス、マンション高圧一括受電サービス事業等
  • その他事業:商品販売、賃貸リース、損害保険代理業等

 

トーエネックのセグメント別売上構成比(2022年3月期)

 

トーエネックの売上の主力は、設備工事業になり全体の92.7%を占めています。

 

その次に、エネルギー事業が5.3%、その他事業が2.0%となっています。

 

トーエネックの部門別売上構成比率(2022年3月期)

 

トーエネックの部門別売上の主力は、配電線工事になり全体の40.3%を占めています。

 

2番目に大きいのが空調管工事で34.5%、3番目に大きいのが通信工事で10.9%になります。

 

電力系電気サブコンの中で、空調管工事の売上の比率が大きいのがトーエネックの特徴です。

 

他の電力系の電気設備サブコンは、空調管工事の売上高は全体の10%台後半です。

 

トーエネックは、設備工事のサブコンとしても高い競争力を持っていることが分かります。

 

トーエネックの得意先別売上構成比(2022年3月期)

 

トーエネックの得意先別売上構成比を見ると、主力は一般得意先で61.6%になります。

 

トーエネックの中部電力グループへの依存度は約40%という事が分かります。

 

この依存度40%と言う数字は、電力系の電気設備サブコンの中でも高い依存度になります。

 

トーエネックのセグメント別利益構成比(2022年3月期)

 

トーエネックの利益の主力は、設備工事業で全体の80.3%を占めています。

 

設備工事業の利益率は7.7%になっています。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:ー
  • PBR:0.54

 

建設業の平均PERが9.8倍、PBRが0.9倍な事を考えると割高と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見ると、月足移動平均線は3本共横ばいです。

 

また、ローソク足は3本の移動平均線を割り込んでいるので長期的には下落傾向です。

 

直近5年では、株価は3500円付近が節目になっている事が分かります。

 

週足5年チャートを見ると13MAは上向きですが、26MAと52MAは横ばいです。

 

ローソク足は、26MAを割り込んでいるのでまだ上昇局面とは言えません。

 

まずは、3500円の節目をしっかり超えれるかに注目です。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上高の過去最高は1994年に2609億円、営業利益の過去最高は2021年で155億円です。

 

23年3月期の実績は増収増益を予想しています。

 

しかし、原材料の高騰の影響で利益面では微増になっています。

 

また、再生可能エネルギー事業に係る固定資産(建設仮勘定)を事業の見通しが不透明になってしまったので、「固定資産の減損に係る会計基準」等に基づいて、特別損失に114.9億円を計上しています。

 

これにより、通期の最終益が従来予想の87億円の黒字から10億円の赤字に下方修正しています。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:5.71%
  • ROE:-0.85
  • ROA:-0.35%
  • EPS:-53.5

 

大手電気設備サブコン5社の平均ROE7.2%、ROA4.23%なので、経営効率は平均を大きく下回る企業になります。

 

大手電気設備サブコン5社の平均営業利益が6.42%なので、平均的を下回る利益率です。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:42.0%
  • 有利子負債倍率:0.72倍

 

トーエネックの財務体質は、自己資本比率40%以上なので健全な財務体質です。

 

しかし大手電気設備サブコン5社の自己資本比率の平均が59.6%なので、平均を大きく下回る企業です。

 

有利子倍率は、1倍を下回る0.72倍なので健全な財務体質です。

 

しかし他の大手電気設備サブコン5社の有利子負債倍率は0.1倍を下回っています。

 

利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。

 

剰余金は増加傾向で、総資産に対して34.9%になります。

 

トーエネックの財務体質は、健全ですが他の大手電気設備サブコンの中では見劣りしてしまいます。

 

 

中期経営計画

トーエネックは、2022年度までの中期経営計画を発表しています。

 

業績目標

引用:トーエネック

 

トーエネックは22年度の目標を売上高2450億円、経常利益120億円、ROE6.5%を目標にしています。

 

しかし、特別損失を114.9億円計上したのでROEの目標達成は厳しいです。

 

事業拡大と基盤強化

営業力の強化

  • 総合営業体制の確立、要因増強などによる受注拡大
  • グループ会社と一体となった受注活動の展開

施工力の向上

  • 施工要員の増強と早期戦力化
  • 継続的な発注などによる協力会社の確保
  • M&Aによる施工力の向上

重点事業エリアの強化・拡大

  • 産業集積エリアである中部圏
  • 建設需要が集中する首都圏
  • 将来性あるアジアでの国際事業

トーエネックは、一般得意先向けの工事で中部圏だけでなく首都圏や関西圏で営業を強化しています。

 

また、ベトナムで大手電気・空調管工事会社の「ハウィー社」に出資をしています。

 

 

配当金の推移と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:135円(2023年3月期)
  • 配当利回:4.12%(2022年12月17日)
  • 配当性向:ー

 

トーエネックは、2017年10月に普通株式5株→1株の割合で株式併合を実施しました。

 

トーエネックの配当は、2年連続で減配をしています。

 

23年3月期は5円増配の140円を予定しています。

 

トーエネックの財務状況と剰余金比率は健全です。

 

今後の配当維持や増配余力に関しては問題ありませんが、連結配当性向30%を目途にしています。

 

あくまでも業績に応じた増配を重要視しています。

 

株主優待

残念ながらトーエネックは、株主優待の設定をしていませんでした。

 

 

まとめ

トーエネックを買うなら、3500円を超えれるかに注目だが、来年度以降に購入しても遅くない。

 

チャートを見ると3500円付近に節目があることが分かります。

 

しかし月足と週足を見てもローソク足が移動平均線を割り込んでいます。

 

また移動平均線を見るとほぼ横ばいになっています。

 

まずは週足移動平均線の26MAを超えていければトレンドの転換になるので様子を見たいです。

 

トーエネックの経営効率は特別損失を計上した事もあり、平均を大きく下回ります。

 

また営業利益率は、大手電気設備サブコン5社の中で平均的な利益率です。

 

財務体質は健全ですが、他の大手4社と比べると大きく下回るので見劣りしてしまいます。

 

株主還元については、連結配当性向30%を目途にする事を重要視しています。

 

23年3月期の配当金は5円増配の140円を予定しています。

 

配当利回り4%以上ですが、配当金は直近2年連続減配しているので注意は必要です。

 

トーエネックは、今期が中期経営計画の最終年度になります。

 

特別損失として114.9億円を計上したので、通期の最終益を下方修正しています。

 

この状況で慌てて購入をする必要はないと思います。

 

購入するなら来期の業績見込みを見てからでも遅くありません。

 

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