スターツ(8850)の株価を分析していきます。
スターツを5つのポイントで説明
- 不動産関連事業を中心にレジャー・金融・福祉等を手掛ける総合生活文化企業
- 主力事業は建設・賃貸仲介・売買仲介・不動産管理事業のストックビジネス
- 営業利益率は平均的だが経営効率と財務状況は平均を上回る
- 23年3月期は売上・利益共に過去最高を更新予想
- 2800円台を守れるかに注目だが決算次第では3200円を超える可能性有
スターツの概要
引用:スターツ
スターツは、不動産関連を中心に金融・ホテル・レジャー・高齢者支援・保育を手掛ける総合生活文化企業です。
主力事業は、建設・不動産仲介・不動産管理を軸にした「積層型ビジネスモデル」です。
また、グループ企業83社を通じてさまざまな事業を展開しています。
例えば、高齢者支援・保育、出版、ホテル・レジャー、コンサルティング等も手掛けています。
積層型ビジネスモデル
スターツの積層型ビジネスモデルは、建設・不動産仲介・不動産管理の3つになります。
建設事業は、顧客の要望と土地の特性に合った有効活用の提案しています。
その中で、集合住宅・商業ビル・オフィスなどを自社の設計施工で手掛けています。
これまでの免震建物の受注が582棟・14,997戸の実績になっています。
不動産仲介事業は、個人・法人に関係なく不動産に関する要望を解決してます。
総合不動産ショップの「ピタットハウス」は、全国で665店舗を展開しています。
その内訳は、スターツ直営店が117店・フランチャイズ店が548店です。
不動産管理事業は、地域密着の強みを生かした不動産管理・総合ビル管理事業です。
実績は、住宅管理戸数791,001戸、商業ビル・施設管理戸数2,526件、駐車場管理台数160,295台です。
海外不動産ネットワーク
引用:スターツ
スターツは、21か国34都市の海外の都市で不動産事業を展開しています。
主な事業内容としては、日系企業の海外進出支援と海外の不動産投資になります。
30年以上の海外展開を行ってきたノウハウとネットワークを活かしたスターツならではの強みです。
海外不動産事業の特徴
- 長年日本で培った不動産の知見をもとに海外でも地域密着でサービスの提供
- 全都市で日本語の対応が可能
- 海外不動産のネットワークを活かし、日系企業の海外進出に役立つ情報の提供
- 弁護士、会計士、内装工事業者などの現地の専門家や業者の紹介
事業セグメント
スターツは、主に10のセグメントから成り立っています。
- 建設事業:建設受注による賃貸住宅等の施工及び注文戸建住宅建設の請負
- 賃貸仲介事業:不動産賃貸借の仲介
- 売買仲介事業:不動産売買の仲介
- 不動産管理事業:不動産の管理並びに賃貸
- 分譲不動産事業:住宅等の分譲
- 出版事業:出版事業
- ホテル・レジャー事業:ホテル・旅館事業、旅行業、飲食店の経営
- 高齢者支援・保育事業:介護サービス、高齢者支援住宅、保育事業
- コンサルティング事業:不動産店舗の経営指導、証券業、投資法人運用業、信託業、保険業、コンサルティング業等
- 物販・文化事業:セキュリティー事業として鍵等の販売、文化事業として美術館の運営
スターツの売上構成比率(2022年3月)
引用:スターツ
売上の主軸は不動産管理事業で全体の42.1%を占めています。
スターツの主力事業は、建設、賃貸仲介、売買仲介、不動産管理事業の4つの事業です。
この4つの主力事業で、売上構成比80%以上になっています。
スターツの利益構成比率(2022年3月)
引用:スターツ
利益の主軸も不動産管理事業で全体の44.6%を占めてます。
2番目に利益の大きいセグントは、建設事業で全体の33.1%を占めています。
不動産管理事業の営業利益は13.2%、建設事業の営業利益率は12.5%になっています。
主力事業の建設、賃貸仲介、売買仲介、不動産管理事業で利益構成比90%以上になっています。
スターツの主力事業は、ストックビジネスとして安定した収益源になっている事が分かります。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:8.4倍
- PBR:1.12倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、かなり割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見てみると、3200円付近になると高値圏と判断されて売られています。
月足移動平均線は、24MAと60MAが上向きになっています。
週足5年チャートを見ると直近3年で3000円を超えると高値圏になっています。
週足移動平均線は、52MAが下を向いていますが13MAと26MAは上向きになっています。
ローソク足も移動平均線より上にいるので、まだ上昇傾向と言えます。
まずは2800円をしっかり守れるかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は2020年の2090億円、営業利益の過去最高は2022年の241億円です。
23年3月期は、増収増益の予想をしていて、過去最高を更新予想です。
工事の受注残、不動産管理物件の手数料収入とメンテナンス売上が順調に推移する見通しです。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:11.59%
- ROE:13.33%
- ROA:6.15%
- EPS:338.3円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均的を大きく上回る企業です。
不動産大手28社の平均営業利益率は12%なので、ほぼ平均的な利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:46.1%
- 有利子負債倍率:0.59倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので平均的を上回る企業です。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を下回る企業です。
利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。
剰余金は増加傾向で総資産に対して40.8%もあります。
スターツグループの事業戦略
スターツの成長モデル
引用:スターツ
スターツは、ストックビジネスでの安定した成長を目指しています。
安定した賃貸管理物件の供給する事で、管理手数料・仲介手数料の増加を見込んでいます。
スターツの業績を見る上で、建設事業、不動産管理事業、賃貸仲介事業の成長しているかに注目です。
事業エリアの拡大
引用:スターツ
スターツは、エリア拡大する事で新たに中核都市での大型受注を目指しています。
特に、フロービジネスになる都市開発事業の案件の受注する事で成長を加速させる計画です。
財務マネジメント
引用:スターツ
スターツは、中期の経営指標としてROE12%、ROA6としています。
財務指標として自己資本比率40%台、有利子負債倍率60%としています。
また配当性向に関しては、25~30%で安定した配当の継続を目指しています。
現状の実績でも、中期目標の数値に近い水準で推移しています。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:80円(2023年3月期)
- 配当利回:2.82%(2022年8月5日)
- 配当性向:23.6%
スターツの配当金は、右肩上がりに増配していて2期連続増配予定です。
23年3月期の配当性向23.6%に対して、中期の配当性向の目標が25~30%です。
業績も過去最高を更新予想で、財務も安定しているので今後の増配も期待出来ます。
株主優待
スターツは、毎年3月末日か9月末日にの権利確定日に株主名簿に記載されている株主に株主優待を実施しています。
- 「ピタットハウス」不動産賃貸及び売買の仲介手数料10%割引(「ピタットハウス」スターツ店のみ利用可)
- 「有料老人ホームうらら・きらら/高齢者賃貸住宅ゆらら」の介護付有料老人ホームの運営管理費・食事が1ヶ月分無料 または、住宅型有料老人ホーム・高齢者賃貸住宅の賃料が1ヶ月分無料(高齢者優良賃貸住宅あんじゅ一之江を除く)
- 「相田みつを美術館」のミュージアムショップでの購入代金30%割引
- 「ホテル エミオン 東京ベイ」の宿泊・食事料金20%割引
- 「ホテル エミオン 京都」の宿泊料金20%割引
- 「ホテル ルミエール グランデ 流山おおたかの森」の宿泊料金20%割引
- 「ホテル ルミエール葛西・西葛西」の宿泊料金20%割引
- 「ホテル ケヤキゲート 東京府中」の宿泊料金20%割引
- 「沖縄ナハナ・ホテル&スパ」の宿泊・食事料金20%割引(スターツツーリスト取扱いのパックツアーでの利用も可)
- 長野・戸倉上山田温泉「信州の湯 清風園」の宿泊料金20%割引
- 日光温泉郷・川治温泉「湯けむりの里 柏屋」の宿泊料金20%割引
- 「旬味 京橋本店」の食事料金20%割引
- 「旬味 新浦安店」の食事料金20%割引
- 「スターツ笠間ゴルフ倶楽部」のゴルフプレーフィー20% 割引
- 「スターツグアムゴルフリゾート」の宿泊料金及びゴルフプレーフィー20%割引
- ハワイ コンドミニアム「ロイヤルクヒオ」の宿泊料金20%割引
- 「ホテル エミオン プノンペン」の宿泊料金20%割引
まとめ
スターツを買うなら、まずは2800円台を守れるかに注目したい。
株価は、月足10年チャートを見ると3000円付近になると高値圏となり売られています。
しかし、23年3月期の業績は過去最高を更新予想です。
決算に対して進捗次第では3200円を超える可能性もあります。
週足と月足の移動平均線も長期的に見ると上昇傾向になっています。
経営効率と財務指標は中期目標の基準内で収まっていて、不動産業界の平均的な数値です。
今後も、主力の建設、賃貸仲介、売買仲介、不動産管理事業の4つの事業の安定成長に注目です。
決算発表では、この数値を初めに確認する必要があります。
その次に、フロービジネスの都市再開発事業やPFI案件を獲得できているかに注目です。
スターツは、安定した収益基盤を基に事業の多角化を行って成長しています。
分譲不動産、ホテル・レジャー、高齢者支援・保育事業は、まだまだ伸びしろがあります。
配当利回りは3%以下ですが、株主優待がある事を考えると高配当銘柄になります。
財務指標も剰余金比率も優秀で、配当性向を25~30%以上に引き上げています。
事業内容もストックビジネスを中心にしているので業績が急に大きく崩れる心配はなさそうです。
この事から考えても、増配余力は十分にあるので高配当投資としても検討出来る銘柄です。