駒井ハルテック(5915)の株価を分析していきます。
駒井ハルテックを5つのポイントで説明
- 大手の橋梁専業メーカーで国内唯一中型風車メーカー
- 今後は大型再開発案件、高速道路の大型PJ、風車事業に注力
- 財務体質は優良だが経営効率や営業利益率は平均を下回る
- 安定配当が基本方針で直近5年は赤字でも配当維持
- 1600円から2200円のボックス相場が意識されているかに注目
駒井ハルテックの概要
駒井ハルテックは、大手橋梁専業メーカーとして橋梁と鉄骨に軸足を置いている企業です。
また日本で唯一の中型風車メーカーでもあります。
業界トップクラスの橋梁メーカーとして、積算から現場施⼯まで橋梁建設のすべてを担っています。
駒井ハルテックが取り組んでいるのは、鋼橋分野だけではありません。
鋼・コンクリート複合橋梁や橋梁の⻑寿命化のための予防保全⼯事などにも取り組んでいます。
インフラ環境事業
引用:駒井ハルテック
駒井ハルテックは、日本で唯一の中型風車メーカーです。
⾵況調査から建設⼯事、保守点検まで、⾵⼒発電のトータルソリューションを提供をしています。
また 離島のマイクログリッドにも対応しているのも強みです。
今後は、国内で⾼い需要が⾒込まれる1000KWの⾵⾞の開発を推進しています。
国内有数の「Sグレード」認定2⼯場を保有
引用:駒井ハルテック
駒井ハルテックは、「Sグレード」認定の2工場を保有しています。
⽇本橋、⼋重洲、品川、新宿、渋⾕、六本⽊などで超⾼層ビルの建設案件が増えてきています。
超⾼層ビルの難易度の⾼い鉄⾻製作が可能なのは「Sグレード」のみです。
またBIM設計、製造、施⼯まで、すべての⼯程を担うことが可能です。
事業セグメント
駒井ハルテックは、主に4つの事業から成り立っています。
- 橋梁事業:橋梁の設計・製作及び現場架設、現場工事の施工、維持補修
- 鉄骨事業:鉄骨・鉄塔の設計・製作及び現場建方、建築工事の企画・設計・施工・監理及びコンサルティング業務
- インフラ環境事業:風力発電等による環境事業、インフラを中心とした海外事業
- 不動産事業:大阪市西淀川区にある大阪事業所の未利用地部分等について賃貸による不動産事業
- その他事業:「リース取引に関する会計基準」に基づく賃貸収入等
駒井ハルテックのセグメント別売上構成比率(2022年3月)
売上高の主軸は、鉄骨事業になり全体の55.8%を占めています。
しかし、橋梁事業も全体の41.9%を占めています。
駒井ハルテックの主力事業は、橋梁・鉄骨事業と言うことが分かります。
駒井ハルテックの利益構成比率(2022年3月)
利益の主軸は、橋梁事業になり全体の50.0%を占めています。
橋梁事業の利益率は12.4%、鉄骨事業の利益率は7.4%になっています。
インフラ事業は、2億300万の受注残高になっています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:19.5倍
- PBR:0.27倍
チャート分析
月足10年チャートを見ると、直近10年の株価はゆるやかな右肩下がりになっています。
2021年からは1600円付近を底値に、2500円付近が高値になっています。
月足移動平均線の24MAは上向きですが、12MAが24MAを割り込もうとしています。
週足5年チャートを見ても1600円付近に節目があることが分かります。
この1600円を割り込むと次の節目は1550円付近になります。
週足移動平均線は、13MAと26MAは下向きでローソク足も割り込んだ位置にあります。
中期的には下落傾向ですが、1600円から2200円までのボックス相場が続くか注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は2009年に593億円、営業利益の過去最高は1994年の66億円です。
23年3月期は増収減益を予想しています。
売上高は、前期受注残⾼の既受注⾼で大幅な回復を見込んでいます。
しかし、利益面で原材料とエネルギー価格の高騰で減益予想です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:1.43%
- ROE:1.37%
- ROA:0.76%
- EPS:85.9円
大手橋梁専業メーカー4社の平均ROE8.39%、ROA4.58%になります。
駒井ハルテックは経営効率は、平均を下回る経営効率です。
大手橋梁専業メーカー4社の平均営業利益が8.02%です。
駒井ハルテックの営業利益率は、平均を大きく下回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:55.4%
- 有利子負債倍率:0.31倍
大手橋梁専業メーカー4社の自己資本比率の平均が56.2%なので、平均的な企業です。
大手橋梁専業メーカー4社の有利子負債倍率の平均が0.17倍なので、平均を下回る有利子負債倍率です。
利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。
剰余金は増加傾向ですが、総資産に対して24.1%しかありません。
業績目標
駒井ハルテックは、2026年3月期までの業績目標を発表しています。
基本方針
環境事業
引用:駒井ハルテック
駒井ハルテックは、⾵⾞事業へ積極的に経営資源を投下して環境事業を成長させます。
既存コア事業
引用:駒井ハルテック
⾼付加価値案件の取り込みとDXによる収益⼒の強化でコア事業の技術力を成長させます。
経営数値目標
引用:駒井ハルテック
主力事業の鉄⾻・橋梁事業を安定的に成⻑させる計画です。
さらに環境事業の成⻑を加速させることで、業績全体の拡⼤を⽬指しています。
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:70円(2023年3月期)
- 配当利回:4.17%(2022年7月15日)
- 配当性向:81.4%
駒井ハルテックの配当金の推移は、減配をせずに配当を維持しています。
配当性向80%を超えているので、増配は厳しい状況です。
しかし、直近5年で配当性向100%以上を超えても配当を維持してきました。
安定配当が基本方針ですが、堅実な財務状況だから出来る事です。
株主優待
残念ながら駒井ハルテックは、株主優待の設定をしていませんでした。
まとめ
駒井ハルテックを買うなら、1600円から2200円までのボックス相場が続くか注目したい。
月足10年チャートを見ると、直近10年の株価はゆるやかな右肩下がりになっています。
週足5年チャートを見ても1600円付近に節目があることが分かります。
週足移動平均線は、13MAと26MAは下向きなので中期的には下落傾向です。
しかし、1600円から2200円までのボックス相場になっているの事も注目です。
事業内容は、他の橋梁専業メーカーと同じ橋梁・鉄骨事業が主力です。
今後は、高速道路の新設橋梁や首都圏の再開発を中心に受注の拡大を目指しています。
しかし直近5年の業績を見ても売上高や営業利益が安定していません。
配当に関しては、「安定配当が方針」としています。
直近5年の赤字の時期も配当を維持した企業です。
財務体質は健全なので、今後も減配の可能性は少ないかもしれません。
配当性向が高いことに変わりはないので、配当目的の投資はオススメ出来ません。
しかし、国内で唯一の中型風車メーカーと言うのは魅力的です。