株価分析(設備工事)

ダイダン(1980)の株価を分析【高配当銘柄】

ダイダン(1980)の株価を分析していきます。

 

ダイダンを5つのポイントで説明

  • みどり会に参加する空調系サブコンで管工事業界4位の実績
  • 設備工事事業の単一セグメントで再生医療やフィルタ再生に取組中
  • 経営効率は平均的だが財務体質や利益剰余金は優秀な数値
  • 配当性向は30%以上を目途にしていて9期連続減配無し
  • 株価は週足26MA割り込んでいるので2000円付近で反発出来るかに注目

 

 

ダイダンの概要

ダイダンは、みどり会(MUFGの取引先で構成されるグループ)に所属する空調系サブコンです。

 

サブコンとは

ゼネコンから設備工事の一部を請負う工事業者

 

1903年に創業したダイダンは、建築設備工事業の中で最も歴史のある企業です。

 

老舗企業と言う事もあり官公庁舎、銀行、医療施設、商業施設など全国の歴史に残るような建築物を手掛けてきました。

 

主な実績は、最高裁判所、日本武道館、大阪万博、関西国際空港旅客ターミナルビル等です。

 

管工事の分野では業界4位の企業で、再生医療分野に注力しています。

 

ダイダンの事業内容は、ビルや工場などの建物に各種設備を設計・施工・納入です。

 

その中でも空調、電気、給排水衛生の設備工事事業が主力事業です。

 

再生医療への取り組み

引用:ダイダン

 

ダイダンは、再生・細胞医療の実用化と産業化に向けて、細胞培養加工施設を備えたオープンイノベーション拠点「セラボ殿町」を開設しています。

 

これにより再生医療の周辺産業も視野に入れた新たな事業創出を目指しています。

 

「セラボ殿町」では、再生医療分野の発展・普及に寄与することを目的にオープンイノベーション手法を取入れて、様々な取り組みを行っています。

 

具体的な事例は、再生医療・細胞治療向けの細胞加工に取り組む大学、製薬会社、研究所、ベンチャー企業にクリーンな細胞培養加工環境と機材を提供しながら行う課題の発見と解決への協力です。

 

また材料、試薬、装置のメーカーや除染業者など再生医療サポート企業へ開発製品の評価の場を提供しています。

 

超臨界CO2を用いたエアフィルタ再生

引用:ダイダン

 

ダイダンは、超臨界CO2を利用した有機ガス除去用エアフィルタの再生事業を行っています。

 

これまで有機ガス除去用エアフィルタは廃棄するしかありませんでした。

 

しかしダイダンは、超臨界CO2の技術を活かしてエアフィルタの再生事業を行っています。

 

超臨界CO2とは

超臨界CO2とは、温度31.1℃、圧力7.4MPa(74気圧)以上のCO2(二酸化炭素)で、気体並の高い流動性・浸透性と、液体並の強い溶解力を持った状態

 

超臨界CO2は、環境負荷の大きい有機溶剤の代替となるグリーン溶媒として期待されています。

 

さらに半導体製造装置用エアフィルタの再生サービス事業にも拡大します。

 

 

事業セグメント

ダイダンの事業は、設備工事事業の単一セグメントです。

 

ダイダンのセグメント別受注高(2022年3月)

 

22年3月期のセグメント別受注高の内訳を見ると、空調工事(一般空調、産業空調)が主力になっています。

 

建築設備事業が受注高に占める割合は64%になります。

 

その次に多いのは、水道衛生工事になります。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:7.5
  • PBR:0.59

 

建設業の平均PERが9.8倍、PBRが0.9倍な事を考えると割安と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見ると、2021年から株価は下落傾向です。

 

また直近5年の株価は、2000円から3000円のボックス相場になっています。

 

月足移動平均線は全て下向きで下落傾向です。

 

週足5年チャートを見ると2000円付近が節目になっている事が分かります。

 

週足移動平均線は13MAと52MAが下向きで、株価は26MAを割り込んでいます。

 

26MAを割り込んでいるので、引き続き下落傾向になります。

 

まずは節目のある2000円付近で反発出来るかに注目です。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上高の過去最高は1994年に2269億円、営業利益の過去最高も1994年の132億円です。

 

23年3月期は増収増益を予想しています。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:4.86%
  • ROE:7.80
  • ROA:4.75%
  • EPS:280.4

 

大手空調サブコン5社の平均ROE7.91%、ROA4.11%なので、経営効率は平均的な企業になります。

 

大手空調サブコン5社の平均営業利益が5.01%なので、平均的な利益率です。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:55.4
  • 有利子負債倍率:0.05倍

 

大手空調サブコン5社の自己資本比率の平均が51.8%なので、平均を上回る企業です。

 

有利子倍率は、0.05倍とかなり健全です。

 

利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。

 

剰余金は増加傾向で、総資産に対して45.9%もあります。

 

 

中期経営計画

ダイダンは、2021年年度から2023年年度までの中期経営計画を発表しています。

 

この期間を2030年までの長期ビジョンに対しての「整えるステージ」としています。

 

業績目標

引用:ダイダン

 

ダイダンは、2023年度の連結売上高2000億円、連結営業利益100億円を目標にしています。

 

またROEに関しては8.0%以上に設定しています。

 

配当方針については、配当性向30%以上としています。

 

事業戦略

基幹事業の拡大

引用:ダイダン

 

近年、電子デバイス工場、データセンター、物流施設の拡大が顕著になっています。

 

ダイダンは、これらの需要に対応するために2022年4月より「エンジニアリング事業部」を発足しました。

 

今後は、高度設備に対応できる技術者の強化や産業施設に特化した施工体制の強化を行います。

 

海外事業の強化

引用:ダイダン

 

ダイダンは、海外市場の成長を見据えて、東南アジアでの事業を積極的に展開する計画です。

 

現在は、シンガポール、タイ、ベトナム、台湾に現地法人を設立して事業を展開しています。

 

2023年3月期は、完成工事高125億円を計画しています。

 

最終年計画の2024年3月期は、完成工事高160億円を見込んでいます。

 

技術力の強化

引用:ダイダン

 

新規事業の開拓

引用:ダイダン

 

事業基盤の強化

引用:ダイダン

 

 

配当金の推移と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:100円(2023年3月期)
  • 配当利回:4.75%(2022年10月21日)
  • 配当性向:35.6%

 

ダイダンの配当は、9年連続減配をしていません。

 

中期経営計画で配当性向30%以上としています。

 

23年3月期の配当金は、120周年の記念配当を10円を合わせた100円を予定しています。

 

ダイダンの財務状況と剰余金比率はかなり優秀です。

 

今後の増配や配当維持は問題ありません。

 

株主優待

残念ながらダイダンは、株主優待の設定をしていませんでした。

 

 

まとめ

ダイダンを買うなら、2000円の節目で反発を確認してから購入したい。

 

チャートを見ると直近5年の株価は2000円から3000円のボックス相場でした。

 

現在の株価は、週足26MAを割り込んでいるのでしばらくは下落傾向が予想出来ます。

 

ダイダンの経営効率や利益率は平均的ですが、財務体質はかなり優秀です。

 

配当金は、中期経営計画で配当性向30%以上としています。

 

空調設備に関しては、なくなる事のない事業で多くの産業の設備投資に関わっています。

 

空調設備は、ビルやホテルだけでなく病院や製薬会社、半導体など工場や研究所には欠かせません。

 

その中でもダイダンは、再生医療分野へ新規事業として取り組んでいるのが特徴です。

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