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株価分析(不動産)

日本エスコン(8892)の株価分析と特徴【累進配当の高配当銘柄】

日本エスコン(8892)の株価分析と特徴をまとめていきます。

 

日本エスコンを5つのポイントで説明

    • 中部電力子会社で関西に中心とした不動産開発を行う総合ディベロッパー
    • 売上と利益の主力は不動産販売事業だが収益構造の転換は前倒しで進捗中
    • 営業利益率や経営効率は平均を上回るが財務状況は平均を少し下回る
    • 23年度まで累進配当政策を明言
    • 740円付近で買いを検討したい

 

 

日本エスコンの概要

日本エスコンは、関西を中心にマンション開発と商業施設開発を主力にした総合ディベロッパーです。

 

2020年に北海道日本ハムファイターズが新設する球場のネーミングライツを取得しました。

 

これで日本エスコンの名前を知った人も多いのではないかと思います。

 

10年間超の契約で「ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールドHOKKAIDO)」になりました。

 

また球場を含めた「北海道ボールパークFビレッジ」の不動産開発にも参画しています。

 

2021年には、第三者割当増資を実施した事で中部電力の子会社になりました。

 

これにより、中電不動産と中部エリアで共同プロジェクトを行っています。

 

日本エスコンは、地域密着型の商業施設や運営を行っていて、商業施設ブランド「tonarie」があります。

 

この「tonarie」は現在10つの商業施設が稼働中です。

 

運営はグループ会社「エスコンプロパティ」が行っています。

 

また物流施設の新ブランドとして「LOGITRES」を立ち上げて物流開発事業にも取り組んでいます。

 

その他に大型まちづくり、土地区画整理、賃貸マンション、オフィス開発などの新たなコア事業の確立にも取り組んでいます。

 

海外事業も、2019年のハワイ不動産投資をきっかけに展開しています。

 

23年には、日本エスコンにとって海外初の戸建てプロジェクトをタイで参画しています。

 

中部電力グループ関連事業

第20回アジア競技大会選手村後利用事業

引用:日本エスコン

 

21年6月に愛知県は、「アジア大会選手村跡地の土地利用」について契約候補者を決定しました。

 

その事業者が中部電力を代表とするグループです。

引用:中部電力

 

中電不動産、日本エスコン、マザーズ、矢作地所、同朋学園、大和ハウス工業から構成されています。

 

その中で日本エスコンは、複合商業施設の開発を手掛けます。

 

街びらきは2028年頃を予定しています。

 

世界最大規模の自動化植物工場

引用:中部電力

21年5⽉に中部電⼒、日本エスコン、スプレッドの3社で「合同会社TSUNAGU Community Farm」の設⽴に関する協定を締結しました。

 

これにより21年10月に完全人工光型の自動化植物工場「テクノファーム袋井」を建設中です。

 

24年1月に稼働予定で、世界最大規模の1日10tのレタス生産が可能です。

 

北海道ボールパークFビレッジまちづくり構想

ES CON FIELD HOKKAIDO(エスコンフィールド HOKKAIDO)

引用:日本エスコン

 

日本エスコンは、20年1⽉に北海道⽇本ハムファイターズの新球場周辺街づくりへの参画しています。

 

また球場のネーミングライツも取得しES CON FIELD HOKKAIDO北海道」と命名しました。

 

ここが、2023年から新しく北海道日本ハムファイターズの本拠地となります。

 

レ・ジェイド北海道ボールパーク

引用:日本エスコン

 

また北海道ボールパークFビレッジの一画で、新築分譲マンションを手掛けます。

 

日本エスコンとしては北海道初の新築分譲マンションです。

 

北海道北広島駅「駅⻄⼝エリア活性化事業」

引用:日本エスコン

 

また北海道ボールパークFビレッジへのアクセス拠点となる北広島市駅周辺の開発も⾏っています。

 

海外事業展開

引用:日本エスコン

 

日本エスコンは、ハワイ不動産の投資ファンドへ出資をきっかけに海外事業を展開しました。

 

  • 2019年にタイのバンコクで初めての分譲マンションを手掛ける
  • 2020年にアメリカのカリフォルニアで分譲コンドミニアム開発事業へ参画
  • 2022年にタイで日本エスコンにとって初となる戸建てプロジェクトへ参画

 

 

事業セグメント

日本エスコンは、3つのセグメントから成り立っています。

 

  • 不動産販売事業:分譲マンション・商業施設等の開発・販売、土地の販売等
  • 不動産賃貸事業:不動産賃貸等
  • 不動産企画仲介コンサル事業:不動産関連業務受託、取引仲介、販売代理等

 

日本エスコンの売上構成比率(2022年12月期)

 

日本エスコンの売上の主力は、不動産販売事業になり全体の87.1%を占めています。

 

日本エスコンの売上高は、前年対比で25.8%の増加をしています。

 

また、全てのセグメントで2桁以上の成長をしています。

 

日本エスコンの利益構成比率(2022年12月期)

 

利益の主力も不動産販売事業で、全体77.5%を占めています。

 

日本エスコンのセグメント利益は、前年対比で38.1%の増益となっています。

 

主力事業の不動産販売事業は、30.4%の増益になっています。

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:8.4
  • PBR:1.2倍

不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、割安と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見てみると、直近2年は720円から850円の間で値動きしています。

 

株価は、狭い価格帯の中で横ばいの状態です。

 

月足移動平均線の12MA、24MAも800円付近で横ばいになっていて押さえつけています。

 

週足5年チャートを見ると、コロナショックで一時500円をつけました。

 

しかし720円付近が底値圏にあり、850円付近が高値圏になっています。

 

週足移動平均線は全て横ばいで、ローソク足は3本の移動平均線でサポートされています。

 

日本エスコンの株の買い時は、800円を割り込んできたら段階的に買うのがオススメです。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

引用:株探

 

売上の過去最高は2022年の994億円で、営業利益の過去最高も2022年の154億円です。

 

21年12月期は増収減益でしたが、22年12月期は回復の予想通りで過去最高を更新しています。

 

また、23年12月期も売上高と営業利益共に過去最高を更新予想です。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:14.73%
  • ROE:14.26%
  • ROA:3.56
  • EPS:98.7

 

不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を上回る企業です。

 

大手ディベロッパー28社の平均営業利益率は12%なので、平均を少し上回る利益率です。

 

 

財務状況

引用:株探

 

  • 自己資本比率:25.0%
  • 有利子負債倍率:2.57倍

 

自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので平均を少し下回る企業です。

 

有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので下回っています。

 

剰余金は増加傾向にありますが、総資産に対して14.5%しかありません。

 

 

中期経営計画

引用:日本エスコン

 

日本エスコンは、23年12月期までの中期経営計画を発表しています。

 

業績計画

引用:日本エスコン

 

売上目標の計画を見ると、23年12月期も過去最高の売上と利益を更新予想です。

 

主力の不動産販売事業は、期初の通期計画で9.5%増加の予想です。

 

今後の分譲マンションの販売戸数は、年間1200戸の安定供給を予定しています。

 

経営目標

引用:日本エスコン

 

経営目標の中で、長期収益不動産割合を約2倍まで成長させる計画しています。

 

賃貸利益割合を26%以上に成長させて、収益構造を転換する狙いです。

 

実際に2021年12月期は、ピカソグループを子会社化するなどで不動産賃貸事業を強化しています。

 

これにより安定収益を確保し、収益構造の転換を前倒しで進捗しています。

 

投資計画

引用:日本エスコン

 

21年から23年までの3年間のグロス投資額は2200億円になります。

 

内訳は、収益不動産への投資が半分以上を占めています。

 

これにより、長期収益不動産額を3年間で約5.6倍へ成長を見込んでいます。

 

配当政策

引用:日本エスコン

 

21年度から23年度までの中期経営計画期間中は累進配当政策の継続を明言しました。

 

これより23年度まで38円以上の配当が維持されます。

 

 

配当金と株主優待

配当金の推移

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:38円(2023年12月期)
  • 配当利回:4.59%(2023年2月22日)
  • 配当性向:38.5%

 

配当金は10年間、減配していませんが、直近3年間は増配せず配当を維持しています。

 

23年12月期も配当維持の38円を予定しています。

 

日本エスコンは、23年度までの中期経営計画の中で累進配当政策を明言しています。

 

高配当投資家にとっては、かなり安心できる材料です。


収益構造の変革期の22年度から過去最高益を更新ステージと設定
していました。

 

計画通りに進捗しているので増配の期待もありましたが、配当金は維持の結果でした。

 

23年12月期の増配の可能性は低いと考えられます。

 

しかし、配当利回り4%以上で収益構造の転換と成長をしているので魅力的な銘柄です。

 

株主優待

日本エスコン

引用:日本エスコン

 

日本エスコンは、毎年6月末日に1000株以上を1年以上継続保有する株主に株主優待を実施しています。

 

さらに2年以上継続保有で、クオカードの金額が上がります。

 

 

まとめ

日本エスコンを買うなら、800円割れで段階的に購入したい。

 

中期経営計画を見ると23年12月期も過去最高の売上高と営業利益を達成予想です。

 

今回の中期経営計画で長期収益不動産への収益構造の転換と言う事がキーワードになっています。

 

21年12月期には、ピカソグループを子会社化するなど不動産賃貸事業を強化をしています。

 

その結果、収益構造の転換は前倒しで進捗しています。

 

経営効率に関しては、大手ディベロッパー28社の平均を少し上回っています。

 

財務状況は、大手ディベロッパー28社の平均を少し下回っています。

 

しかし、自己資本比率と有利子負債倍率は改善傾向にあります。

 

21年に入ってから日本エスコンの株価は横ばいで、出来高も少なくなっています。

 

株価は、長期で見ても600円から1000円の間で動いています。

 

しかし、直近3年は720円から850円の値幅で動いている時期が多いです。

 

また740円付近で反発している傾向があります。

 

この740円付近で購入を検討したいです。

 

配当に関しては、23年度まで累進配当政策を掲げています。

 

累進配当政策を掲げている間は、大きな値下がりがあってもすぐに回復するか底堅いと思います。

 

逆に株価1000円台などの高値圏に値段をつけると下落する可能性があるので注意が必要です。

 

事業内容に関しては、中部電力の子会社になることでシナジーは生まれています。

 

商業施設、物流施設、まちづくりなど事業を多角化させているのも手堅い印象も見えました。

 

高配当投資として、23年度まで安心して保有出来る銘柄です。

 

決算の確認で中期経営計画の目標を達成しているかは、必ず確認したいです。

 

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