ソネック(1768)の株価を分析していきます。
ソネックを5つのポイントで説明
- 民間建築を得意とする地域密着型のゼネコンで売上の8割が兵庫県下の工事
- 営業利益率と経営効率は平均を上回る優秀な企業
- 無借金経営で社債残高も全くない
- 増配余力はまだまだあるが財務強化に注力している
- 株価1060円付近で購入したいがしばらく様子を見てからでも遅くない
ソネックの概要
ソネックは、兵庫県を中心に建築工事を主力にする地域密着型のゼネコンです。
実際にソネックの売上の8割が兵庫県下の案件になります。
この数字から分かるようにソネックは、兵庫県の南部で成長をしてきました。
その他の兵庫県の拠点は、本社の高砂市以外に神戸市と姫路市に支店を構えています。
また名古屋への進出の歴史は古く、本社の次に古いのが名古屋支店です。
建設事業の主力は、建築工事になっていて売上の約90%を占めています。
建築工事は、オフィスビル、商業施設、マンション、病院、福祉施設、学校、文化施設、工場などを手がけています。
土木の分野では、河川、道路、公園、橋梁、上下水道整備などを行っています。
またソネックは、ゼネコンとしては珍しく、子会社のケミカル運輸で運輸事業を行っています。
事業所は本社と、山口県に営業所を構えています。
事業内容は、ケミカル運輸と言う名前の通り石油製品やケミカル製品等の陸上輸送です。
事業セグメント
ソネックは、2つのセグメントから成り立っています。
- 建設事業:建築・土木その他建設工事全般に関する事業及び不動産に関する事業
- 運輸事業:貨物の運送に関する事業
ソネックの売上構成比率(2021年3月)
セグメント別構成比率
売上高の主軸は、建設事業で全体の98.7%を占めているので分かりやすい事業内容です。
受注別売上構成比率
ソネックの受注先で、全体の82.8%を占めているのが民間建築です。
20年度の完成工事高の中で、サムティが10.6%を占めていました。
サムティは、関西を中心に愛知県でも開発に乗り出しています。
関西、東海エリアの開発が続く限りは、恩恵を受けれる関係だと言えます。
しかし21年度の完成工事高でサムティは、10%以下の比率になりました。
これは、サムティの関西や東海での開発がひと段落したと予測できます。
20年度の完成工事高で最も多かったのが、兵庫県高砂市で15.2%です。
ソネックの地元の高砂市に強みをもっている事が分かります。
しかし高砂市は、約8.7万人の都市です。
今後も大きな案件が継続して出る可能性は低いです。
実際に21年度の完成工事高では、高砂市も10%以下の比率になりました。
ソネックの利益構成比率(2021年3月)
利益の主軸も建設事業で、全体の99.4%を占めています。
21年3月期の建設事業の利益率は7.4%、運輸事業の利益率が3.3%です。
売上総利益の内、販管費及び一般管理費が32%なので問題ないと言えます。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:8.9倍
- PBR:1.06倍
建設業の平均PERが9.8倍、PBRが0.9倍な事を考えるとほぼ平均的な企業と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると、株価は右肩上がりに上昇しています。
月足移動平均線は全て上向きなので、長期的に上昇傾向です。
週足5年チャートを見ると、長い間900円が大きな壁になっていました。
この900円の壁を21年7月に突破して1000円台になっています。
また週足移動平均線も全て上向きなので、中期的にも上昇傾向です。
しかし、現在は上昇した分の株価を1100円付近で調整中です。
出来高の増加から見ても1120円を突破出来るかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は1998年に182億円、営業利益の過去最高は2021年の12億円です。
22年3月期の決算予想は、昨年に引き続き増収増益予想です。
売上高は過去最高ではありませんが、利益やEPSは過去最高を更新予想です。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:7.26%
- ROE:11.84%
- ROA:9.71%
- EPS:121.0円
上場企業の平均ROE8%、ROA3%なので、経営効率は平均を上回る企業になります。
大手ゼネコン23社の平均営業利益が6.7%なので、平均を上回る利益率になっています。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:67.5%
- 有利子負債倍率:ー
100億円以上の建設業の自己資本比率の平均が44%なので、平均を大きく上回る企業です。
直近3年の自己資本比率は上昇傾向にあり、無借金なので有利子負債倍率も0倍です。
余剰金も増加傾向で、総資産に対して56.3%もあります。
営業CFは3期ぶりのプラスになっています。
財務CFは、無借金経営なので配当金の支払いによるものです。
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:30円(2022年3月期)
- 配当利回:2.77%(2021年10月8日)
- 配当性向:24.7%
現在のソネックの配当は、期末配当のみになっています。
配当金に関しては、5年連続減配無しで22年3月期は配当維持予想です。
22年3月期の配当性向は、24.7%になります。
余剰金や財務体質と合わせて考えると増配余力はまだまだあると考えられます。
ソネックの利益配分については、長期的に安定した配当の実施としています。
しかし財務体質を強化に重きを置いている事を基本方針しています。
株主優待
毎年9月末を基準日として、100株以上を保有する株主は1000円分のクオカードがもらえます。
また1000株以上保有すると2000円分のクオカードがもらえます。
まとめ
ソネックを買うなら1060円付近で購入したいが、しばらく様子を見てもいい。
ソネックの株価は、900円台を超えて上昇をして一時1330円をつけました。
そのあと1060円付近まで下落し、1180円付近まで上昇して、また1030円まで下落しました。
このように大きく上昇をした調整を行っていると考えられます。
週足と月足の移動平均線は全て上向きになっているので、今後も上昇傾向です。
しかし現在、週足12MAをローソク足は割り込んでいます。
この事を考えると様子を見て1100円を超えてからでも遅くないと思います。
経営指標を見るとROEとROAは、ゼネコンの中でも平均を上回っています。
財務体質は、高い自己資本比率と無借金経営で社債残高0です。
余剰金も総資産に対して56.3%、配当性向は24.7%なので減配の可能性は低いです。
しかし利益配分は、財務体質の強化に注力しています。
現状でもかなり強力な財務体質なので、まだ財務体質の強化を図るのは少し残念です。
ソネックの営業拠点は、兵庫県に3支店、大阪に1支店、名古屋に1支店、東京に1営業所です。
海外はベトナムのハノイに駐在所があります。
今後の事業展開ですが、まずは国内での事業拠点の拡大が必要だと思います。
ソネックは、従業員約100名の企業です。
また現在の売上と利益の主力は民間建築で、全体の82.8%を占めています。
事業規模の大きさから獲得できる案件も限られてきます。
景気が好調な時は、民間建築の需要は高まるので恩恵を受けれます。
しかし景気が厳しくなると民間建築の減少の影響を大きく受ける傾向にあります。
また20年度のサムティからの受注が全体の約10%を占めていたので、関係は深いと思います。
引き続き、サムティの関西と東海圏での開発計画に連動すると思うので注目です。
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