エクシオグループ(1951)の株価を分析していきます。
エクシオグループを5つのポイントで説明
- 電気通信設備のサブコンで業界2位
- 主力事業はNTTグループ向けの通信キャリア事業
- 営業利益率と経営効率は大手通信設備3社の中でも平均的
- 配当金は11年連続増配予定で財務体質はかなり優秀
- 株価は底打ち感があるが週足移動平均線の26MAを超えれるかに注目
エクシオグループの概要
エクシオグループは、電気通信設備のサブコンで業界2位の企業です。
サブコンとは
エクシオグループは、1951年に日本中を電気と電話で繋ぐ会社として創業しました。
創業当初は、NTTの電話工事会社として電気通信工事をメインにスタートしています。
そこから建物や電気設備へと提供する領域を広げてきました。
エクシオグループの実績は、プラントや地下鉄、鉄道などの都市全体のシステムを繋いでいます。
現在は、5Gやクラウドを通して人々がより快適に繋がるシステムを提供しています。
海外はシンガポールに統括本部を設置していて、フィリピンとタイに進出しています。
1963年からこれまで世界で約90か国の大型プロジェクトに参画してきました。
エクシオグループは、世界中の通信ネットワークに携わっています。
エクシオグループの事業
エクシオグループのセグメントは、通信キャリア、都市インフラ、システムソリューションの3つになります。
その中でもエンジニアリングソリューションとシステムソリューションの2つに分類されています。
エンジニアリングソリューションは、通信キャリアと都市インフラになります。
通信キャリア事業
引用:エクシオグループ
通信キャリア事業者向けサービスを全国規模で提供しています。
日本の通信インフラを支えるだけでなく、高度化に貢献しています。
都市インフラ事業
引用:エクシオグループ
通信・電気・土木・環境に関するサービスを提供しています。
また再生エネルギー関連の工事だけでなく、廃棄物処理プラントなども手がけています。
システムソリューション
引用:エクシオグループ
ICT活用によるソリューションを日本市場で提供しています。
海外市場でも多彩なサービスを展開しています。
M&Aの推進
エクシオグループの連結子会社
引用:エクシオグループ
エクシオグループは、107社の連結子会社で構成されています。
107社以外にも非連結子会社19社、関連会社18社があります。
M&Aの推進
引用:エクシオグループ
エクシオグループは、都市インフラとシステムソリューション事業をさらに拡大しています。
2030年度の各セグメントの売上高を同じくらいまで成長させる戦略を掲げています。
成長を実現するためにもM&Aを積極的に実施しています。
実際に2021年度にM&Aでグループに加入した企業は6社です。
事業セグメント
引用:エクシオグループ
エクシオグループの事業は、通信キャリア、都市インフラ、システムソリューションの3つセグメントで成り立っています。
エクシオグループのセグメント別売上構成比(2022年3月期)
引用:エクシオグループ
エクシオグループの売上の主力は、通信キャリア事業で全体の48.6%を占めています。
その内、NTTグループ向けの通信キャリア事業は全体の38.1%を占めています。
いかにNTTグループが重要な顧客になっているかが分かります。
また、都市インフラ事業が25.4%、システムソリューション事業が26%になっています。
エクシオグループの売上は、バランスの取れたセグメントになっている事が分かります。
エクシオグループのセグメント別利益構成比(2022年3月期)
エクシオグループの利益の主力は、通信キャリア事業で全体の56.6%を占めています。
通信キャリア事業の利益率は8.3%になっています。
都市インフラ事業は8.5%、システムソリューション事業は3.6%になっています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:8.8倍
- PBR:0.75倍
建設業の平均PERが9.8倍、PBRが0.9倍な事を考えると割安と判断されています。
チャート分析
月足10年チャートを見ると、月足移動平均線は3本共下向きです。
また、ローソク足は3本の移動平均線を割り込んでいます。
22年に入ってからは、2000円付近が下値目途になっていて、横ばいで推移しています。
週足5年チャートを見ると2200円付近が上値の節目になっている事が分かります。
週足移動平均線は13MAと26MAが底打ちをしていますが、52MAは下向きです。
ローソク足は3本の移動平均線を割り込んでいるので下落トレンドです。
まずは週足移動平均線の26MAをしっかり超えていけるかに注目です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は2022年に5948億円、営業利益の過去最高も2022年で423億円です。
23年3月期は、増収減益を予想しています。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:6.42%
- ROE:8.52%
- ROA:4.92%
- EPS:236.7円
電気通信設備サブコン3社の平均ROE8.19%、ROA5.14%です。
コムシスグループの経営効率は平均的な企業になります。
電気通信設備サブコン3社の平均営業利益が6.17%なので、平均的な利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:56.6%
- 有利子負債倍率:0.26倍
エクシオグループの財務体質は、優秀な財務体質を維持しています。
電気通信設備サブコン3社の自己資本比率の平均が58.9%です。
エクシオグループの自己資本比率は、3社のなかでも平均的な企業です。
しかし、有利子倍率は0.26倍なのでかなり健全な財務体質です。
利益剰余金の安心できる目安は、総資産に対して30%以上です。
剰余金は増加傾向で、総資産に対して45.7%もあります。
2030年ビジョンと中期経営計画
2030年ビジョン
引用:エクシオグループ
エクシオグループは、2030年度までの長期ビジョンを発表しています。
中期経営計画
業績目標
引用:エクシオグループ
エクシオグループは、2025年度の売上高6300億円、営業利益470億円を目標にしています。
配当の方針については、「安定的かつ継続的な配当を基本方針」としていますが、具体的な数値は設定していません。
セグメント別戦略
引用:エクシオグループ
通信キャリア事業は、5Gが普及するにつれて基地局は非常に小さくなっています。
基地局が小さくなれば、多くの5G基地局を作る必要があります。
エクシオグループは、この5G基地局の需要に対して積極的に取り組んでいます。
都市インフラ
エネルギー
引用:エクシオグループ
土木
引用:エクシオグループ
システムソリューション
引用:エクシオグループ
株主還元
引用:エクシオグループ
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:102円(2023年3月期)
- 配当利回:4.89%(2022年11月4日)
- 配当性向:43.0%
エクシオグループの配当は、2011年3月期から10年連続増配をしています。
23年3月期の配当金は、102円を予定しているので11年連続増配予定です。
エクシオグループの財務状況と剰余金比率はかなり優秀です。
今後の配当維持や増配余力に関しては問題ありません。
株主優待
エクシオグループは、毎年3月末日時点に1000株以上保有でクオカードがもらえます。
- 保有期間3年未満:1000円相当のクオカード
- 保有期間3年以上:2000円相当のクオカード
まとめ
エクシオグループを買うなら、週足移動平均線の26MAを超えてから購入したい。
チャートを見ると月足と週足を見てもローソク足が移動平均線を割り込んでいます。
株価は底打ち感がありますが、移動平均線を見ると下落傾向になっています。
直近の上値目途は2200円付近で下値目途は2030円付近になっています。
まずは週足移動平均線の26MAを超えていければトレンドの転換になるので様子を見たいです。
エクシオグループの経営効率や利益率は大手通信設備3社の中でも平均的です。
財務体質も平均的ですが、数値はかなり優秀です。
株主還元についても、配当金を11年連続増配予定です。
今後の増配の余力は、優秀な財務体質なので増配余力は十分あります。
エクシオグループの主力事業は、NTTグループの通信キャリア事業になります。
しかしKDDI、ソフトバンク、楽天の受注もあるので今後も安定しています。
また今後の成長に関してM&Aを重要視していて積極的です。
海外も含めたM&Aの展開には注目です。
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