レイズネクスト(6379)の株価を分析していきます。
レイズネクストを5つのポイントで説明
- ENEOSグループのユーザー系プラントエンジニアリング企業
- ENEOSへの依存度は約35%でエンジニアリングとメンテナンスの比率は2:1
- 財務体質はかなり健全で経営効率や営業利益率は平均を上回る
- 配当は連結配当性向40%以上が目安
- 月足移動平均線60MA付近で購入したい
レイズネクストの概要
レイズネクストは、ENEOSグループのユーザー系プラントエンジニアリング企業です。
ユーザー系プラントENGとは
主に石油、石油化学、一般化学等のプラント関連のメンテナンスやエンジニアリングを基盤にしてます。
レイズネクストは、石油・石油化学プラントのメンテナンスに強みを持つ「新興プランテック」が、ENEOSグループのの「JXエンジニアリング」を吸収合併して発足しました。
エンジニアリング分野では、一般化学、電子材料などの高機能製品製造プラント、カーボンニュートラル関連の工事の拡大しています。
メンテナンス分野では、国内の石油・石油化学プラント業界でトップクラスのシェアを持っています。
特に京浜工業地帯では、40~50%を占めています。
また、前身のJXエンジニアリング時代から日本有数の総合タンクメーカーでもあります。
国内有数の総合タンクメーカー
レイズネクストは、国内でも有数の総合タンクメーカーです。
エネルギーや資源の貯蔵システムの設計、建設、補修などを一貫して手掛けています。
備蓄基地など大規模なものやプラントに付随する特殊なタンク、また地上式、地中式、浮き屋根式、常温・低温・常圧・低圧・高圧・危険物などの様々な種類まで対応しています。
これまでの建設基数は、約5,300基にもなります。
非鉄金属事業
非鉄金属の総合メーカーのJX金属を中心に金属メーカーのプラント・設備・機器の新設から補修、メンテナンスまでトータルでサポートしています。
銅を中心に資源開発、金属精錬、電材加工、環境リサイクルに関する幅広い事業を行っています。
また独自で開発した縦型銅めっき装置やPCB含有機器処理装置や様々な非鉄金属の製造・リサイクル設備も提供しています。
事業セグメント
レイズネクストは、2つの事業から成り立っています。
- エンジニアリング事業:プラントの日常的な保守や点検、定期修理、プラントの改造・改修や建設
- その他事業:不動産の賃貸、保険代理店業務など
しかし、「その他事業」の業績の重要性が乏しいので、記載が省略されています。
レイズネクストの完成工事高の構成比率(2022年3月)
レイズネクストの報告セグメントはエンジニアリング事業のみです。
しかし、完成工事高の内訳を見ると主力は、エンジニアリングで全体の67.1%を占めています。
2番目に大きいのがメンテナンスになっていて、32.8%を占めています。
レイズネクストは、ENEOSグループのプラントエンジニアリング企業です。
売上高に占めるENEOSの比率は、34.4%になっています。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:10.8倍
- PBR:0.86倍
建設業の平均PERが9.8倍、PBRが0.9倍な事を考えると妥当と判断されています。
チャート分析
レイズネクストの株価は、直近10年で右肩上がりに上昇しています。
月足10年チャートを見ると、月足移動平均線は3本共上向きになっています。
60MAを割り込んだ時は、買い時になっているのが分かります。
週足5年チャートを見ても、週足移動平均線は3本共上向きになっています。
直近5年でみると、1200円付近に節目があることがわかります。
しかし、1300円を超えると売られる傾向にあるので注意です。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上高の過去最高は2021年に1459億円、営業利益の過去最高は2022年の109億円です。
23年3月期は増収減益を予想しています。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:6.91%
- ROE:7.96%
- ROA:6.11%
- EPS:116.3円
上場企業の平均ROE8%、ROA3%なので、経営効率は平均を上回る企業になります。
建設業の平均営業利益が4.4%なので、平均を大きく上回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:78.0%
- 有利子負債倍率:0.00倍
100億円以上の建設業の自己資本比率の平均が44%なので、平均を大きく上回る企業です。
有利子倍率は、0.00倍なのでかなり健全です。
利益剰余金の安心できる目安は、総資産対して30%以上です。
剰余金は増加傾向で、総資産に対して60.5%もあります。
中期経営計画
引用:レイズネクスト
レイズネクストは、2021年から2024年の4年間に対して第二次中期経営計画を発表しています。
経営数値目標
引用:レイズネクスト
24年度の業績目標として完成工事高1450億円、営業利益105億、当期純利益70億円としています。
またROE8%以上、連結配当性向を40%以上に設定しています。
シナジー効果
引用:レイズネクスト
2025年3月期までの累計で売上高200億円以上、経常利益20億円以上の実現を目指しています。
配当金の推移と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:58円(2023年3月期)
- 配当利回:4.6%(2023年1月6日)
- 配当性向:49.8%
レイズネクストは、配当方針として40%以上の連結配当性向を目標にしています。
23年3月期の配当性向は49.8%になっています。
レイズネクストの財務体質は、かなり健全なので減配の心配は少ないです。
株主優待
残念ながらレイズネクストは、株主優待の設定をしていませんでした。
まとめ
レイズネクストを買うなら、月足移動平均線60MA付近で購入したい。
レイズネクストは、ENEOSグループのユーザー系プラントエンジニアリング企業です。
エンジニアリング事業は、建設と改造・修理を行うエンジニアリングと日常保全・定期修理を行うメンテナンスの2つになります。
エンジニアリングは、一般化学、電子材料などの高機能製品製造プラント、カーボンニュートラル関連の工事の拡大しています。
メンテナンスでは、国内の石油・石油化学プラント業界でトップクラスのシェアをもっています。
経営効率や営業利益率は、プラント業界の中でも平均を上回っています。
また財務体質は、自己資本比率78%、有利子負債倍率0倍、剰余金比率60%とかなり健全です。
チャートを見ると過去10年で株価はゆるやかですが右肩上がりに上昇しています。
しかし1300円を超えると売り込まれてしまう傾向にあるので、注意が必要です。
プラント業界は、新設・改造を担う「エンジニアリング」と稼働後の保全・補修を担う「メンテナンス」に大きく二分されます。
残念ながら国内での石油・石油化学プラントの建設は減少傾向にあります。
しかし、LNG・医薬品・化学・新エネルギーは今後国内でも新規建設が予想されます。
高度経済成長期に建てられた石油・石油化学プラントの老朽化が進んでいて、メンテナンスの必要性が高まっています。
レイズネクストは、エンジニアリングとメンテナンスを一緒に出来る強みを持つ企業です。