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株価分析(住宅建設)

三栄建築設計(3228)の株価を分析【グロース銘柄】

三栄建築設計(3228)の株価を分析していきます。

 

三栄建築設計を5つのポイントで説明

  • 売上、利益の主軸は不動産分譲事業
  • 同じものを作らないデザイン力と一貫体制での低価格が強み
  • 経営効率は優秀で財務体質の改善の成果は出ている
  • 週足5年チャートで見ると1600円付近が節目
  • 長期的には上昇傾向

 

 

三栄建築設計の概要

三栄建築設計は、分譲住宅、注文住宅から、分譲マンションや賃貸物件を自社で生産できる「ハウジングデベコン(住宅総合生産企業)」です。

 

 

特に東京を中心に自由設計の注文住宅を設計・施工していて、都市部の狭小地に強みを持っています。

 

その中でも、創業以来木造3階建て住宅を研究していて、3階建て住宅のリーディングカンパニーです。

 

実際に、東京23区の3階建て住宅着工棟数ランキングでトップクラスの実績です。

 

 

三栄建築設計のもう一つの特徴は、分譲住宅なのにデザイン・設計にこだわった住宅を提供している事です。

 

デザインにこだわると、どうしても価格が高くなってしまいます。

 

しかし三栄建築設計は、これらの物件を1000万円台から販売しています。

 

この低価格を実現するのが、「自社一貫体制」です。

 

土地の仕入れから企画・設計施工、アフターメンテナンスまで、全て自社で一貫して提供しています。

 

 

海外は、アメリカとベトナムに進出しています。

 

アメリカでは、2014年にロサンゼルスに進出していて、不動産投資・開発事業を展開しています。

 

また21年4月には、カリフォルニアの建設工事請負業の「Alpha Construction Co.Inc」を子会社にしています。

 

ベトナムでは、ホーチミンとハノイで、マンションと商業施設の複合施設やホテルを手掛けています。

 

同じ家は、作らない

引用:三栄建築設計

 

三栄建築設計のポリシーとして「同じ家は、作らない」ということを全面的に押し出しています。

 

その結果2020年1月度に、3部門でNO.1を獲得しています。

 

実際に「デザイン研究開発室」という部門があります。

 

この部門はデザイン品質を確保と商品価値を向上させることを目的にした部門になっています。

 

サンファースト工法

引用:三栄建築設計

 

三栄建築設計は耐震性・耐久性に優れたサンファースト工法を採用しています。

 

サンファースト工法は、木材の伸縮を最小限に抑え、高い耐震性・耐久性を兼ね備えた工法です。

 

「三栄式羽子板ボルト」によって木材の接合部の緩みを防止する働きが特徴です。

引用:三栄建築設計

 

日本木造分譲住宅協会

また2021年4月に、「一般社団法人 日本木造分譲住宅協会」を設立しました。

 

三栄建築設計を含めた「オープンハウス」、「ケイアイスター不動産」の3社で設立しています。

 

日本木造分譲住宅協会の目的

  • 高品質で安心して住める木造住宅の普及
  • 木造分譲住宅業界の健全な発展
  • 木造分譲住宅における国産木材の利用の促進
  • 温室効果ガス削減
  • 水源かん養(洪水の緩和)
  • 生物多様性の保全の維持回復

 

新たな国産木材の流通

引用:三栄建築設計

 

 

事業セグメント

三栄建築設計は、4つのセグメントから成り立っています。

  • 不動産分譲事業:分譲戸建住宅及び分譲マンションの開発業務の販売に関する事業
  • 不動産販売事業:収益不動産等の取得・運用・販売に関する事業
  • 不動産請負事業: 注文住宅・戸建分譲住宅受注、集合住宅・商業施設・店舗等の建築請負に関する事業
  • 賃貸収入事業:全国主要都市で事業用物件及び居住用物件を購入、賃貸及び管理する事業

 

三栄建築設計の売上構成比率(2021年8月期)

三栄

 

売上の主軸は不動産分譲事業で、全体の約75%を占めています。

 

三栄建築設計の利益構成比率(2021年8月期)

三栄

 

利益の主軸も不動産販売事業で、全体の約86%を占めてしま

 

 

株価の推移

月足10年チャート

引用:株探

 

週足5年チャート

引用:株探

 

株価指標

  • PER:5.1倍
  • PBR:0.71倍

 

不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、割安と判断されています。

 

チャート分析

月足10年チャートを見てみると19年の1500円付近が節目になっているのが分かります。

 

ローソク足は12MAと60MAを割り込んでいますが、24MAに支えられています。

 

週足5年チャートでは、2100円付近を天井に下落しています。

 

また週足移動平均線の13MAと26MAが下落しており、52MAを割り込みそうです。

 

現在の株価は、出来高を減少させながら下落していて1700円付近で横ばいです。

 

直近の下値目途は、過去3年で見ると1600円付近になっています。

 

 

業績と収益性の推移

売上高と営業利益

三栄

引用:株探

 

売上の過去最高は2021年に1340億円、営業利益の過去最高も2021年の115億

 

22年8月期も過去最高の売上高と営業利益を更新予想です。

 

しかし、経常利益やEPSはマイナス予想になっています。

 

経営効率

引用:株探

 

  • 営業利益率:7.79%
  • ROE:13.88%
  • ROA:4.97%
  • EPS:332.5円

 

不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率の良い企業です。

 

不動産業の平均営業利益率は11.1%なので、平均よりも利益率の低い企業です。

 

パワービルダーの中でも低価格帯での戸建供給は、利益率が平均より低い傾向にあります。

 

 

財務状況

三栄

三栄

引用:株探

 

  • 自己資本比率:35.8%
  • 有利子負債倍率:1.27倍

 

自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%になっているので平均的な自己資本比率です。

 

不動産業の平均有利子負債倍率は1.34倍なので、こちらも平均的な有利子負債倍率です。

 

しかし、20年から23年までの中期経営計画で、財務体質の改善をかかげていて改善が見られます。

 

余剰金は、総資産に対して34.1%なので安心感もあります。

 

 

中期経営計画

三栄建築設計は、MELDIA Groupとして2023年までの3か年経営戦略を打ち出してます。

MELDIA Group

引用:三栄建築設計

 

JQに上場している「SEED平和」を含めた、8社の連結子会社と8社の関連会社から成り立っています。

 

売上・利益計画

引用:三栄建築設計

 

2023年までに東京・大阪・名古屋でグループの住宅供給戸数5000棟を目指しています。

 

20年8月の売上高は前年比-5%でしたが、過去10年間で見ると平均11.5%の前年対比で成長しています。

 

その実績を見ても不可能ではない目標設定になっていると思います。

 

資本政策

引用:三栄建築設計

 

23年までに、自己資本比率40%以上、ROE25%以上、配当性向30%の目標です。

 

現在の自己資本率が33.6%ですが、20年8月から停滞していた財務体質を改善しています。

 

 

配当金の推移と株主優待

配当金の推移

三栄

引用:バフェットコード

 

  • 配当金:75円
  • 配当利回:4.42 %(21年12月24日終値)
  • 配当性向:22.5%

 

2022年8月期の配当金は1株75円を予定していて、8年連続減配していません。

 

配当性向は30%以下なので、増配余力はまだまだあります。

 

 

20年10月に配当性向を「15%~20%」から「目標として30%」に引き上げています。

 

なので、21年8月期は27円の大幅増配になっています。

 

ただし、あくまで「目標として30%」という事は、注意して覚えておきたいです。

 

株主優待

残念ながら三栄建築設計は株主優待の設定がありませんでした。

 

 

まとめ

三栄建築設計を買うなら、1600円付近まで下がれば買いを検討したい。

 

22年8月期決算も売上高と営業利益は過去最高を更新予定です。

 

また経営効率も優秀で、財務状況も業界内では平均的です。

 

有利子負債倍率は平均的ですが、改善の効果が出ているので安心です。

 

三栄建築設計は、オープンハウスやケイアイスター不動産同様にデザインと価格を両立しています。

 

現在の住宅需要に非常にマッチした戦略なので、中期経営計画の目標達成も難しくないと思います。

 

 

また気を付けたいのは8月決算なので、他のパワービルダーの第一四半期決算の発表後の動きです。

 

その時は、オープンハウス、ケイアイスター不動産を見てみるといいと思います。

 

 

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