東京楽天地(8842)の株価はいつ買いなのかを分析していきます。
東京楽天地を5つのポイントで説明
- 錦糸町を中心とした不動産賃貸と映画興行が主力事業
- 23年1月期は外出自粛が収束すれば利益は大きく回復
- 経営効率は平均以下だが、財務はかなり優秀
- 高配当ではないが直近10年は60円を下限に安定配当
- 4150円付近で買いを検討して4400円付近で売りを検討したい
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東京楽天地の概要
東京楽天地は、阪急阪神東宝グループの一員で、東京都の錦糸町を中心に不動産賃貸業と映画やレジャーを提供している会社です。
1937年に「清く正しく美しい娯楽を大衆に提供する」という方針で映画館として創立しました。
しかし現在では、創立当初の映画館だけでなく、様々なサービス事業の多角化や他業種への参入をしています。
これまでに参入してきた事業
- 映画興行
- 不動産賃貸
- 天然温泉サウナ
- フットサル
- 飲食
- 総合ビルメンテナンス
- イベント
さらにこの多くの事業を分社化して、グループ事業として発展しています。
これらの事業展開が出来たのは、不動産賃貸事業の安定した賃貸収入があったからです。
主力事業
不動産賃貸事業
引用:東京楽天地
東京楽天地は、東の副都心「錦糸町」の街づくりで中心的な役割を果たしてきました。
不動産賃貸事業の主力ビルになるのが、錦糸町にある「楽天地ビル」です。
東京楽天地は、錦糸町を中心に12物件を保有しています。
映画興行事業
引用:東京楽天地
東京楽天地は、「TOHOシネマズ錦糸町」として2つの映画館を一体運営しています。
2つの映画館とは、錦糸町駅北口の「TOHOシネマズ錦糸町 オリナス」と南口の「TOHOシネマズ錦糸町 楽天地」です。
事業セグメント
引用:東京楽天地
東京楽天地は、主に3つのセグメントから成り立っています。
- 不動産賃貸関連事業:不動産の賃貸、ビルメンテナンス事業
- 娯楽サービス関連事業:映画館、温浴施設、フットサル場の経営
- 飲食・販売事業:飲食店、楽天地ダービービル売店、東京楽天地浅草ビル内の小売店「まるごとにっぽん」の経営
東京楽天地の売上構成比率(2022年1月期)
東京楽天地の売上の主力は、不動産賃貸関連事業で全体の70.3%を占めています。
東京楽天地の利益構成比(2022年1月期)
22年度1月の利益構成比は、不動産賃貸関連事業のみになります。
不動産賃貸関連事業の利益率は、33.4%とかなり高い利益率です。
新型コロナの影響を大きく受けて、22年1月期の不動産賃貸関連事業以外のセグメントは赤字でした。
元々、東京楽天地の利益構成の約80%以上は、不動産賃貸関連事業の利益でした。
株価の推移
月足10年チャート
引用:株探
週足5年チャート
引用:株探
株価指標
- PER:17.9倍
- PBR:0.81倍
不動産業の平均PERが15.2倍、PBRが1.2倍なので、少し割安と判断されています。
チャート分析
東京楽天地の株価は、4000円が節目になっている事が分かります。
月足10年チャートを見ると移動平均線は、全て下落傾向です。
週足5年チャートを見ると13MAが上向きになってきたので短期的には上昇傾向です。
26MAと52MAはまだ下向きですが、ローソク足は3本の移動平均線より上にあります。
直近6か月は右肩下がりでしたが、やっと上昇に転換しました。
次の節目は4400円付近になるので、売りの目安になります。
業績と収益性の推移
売上高と営業利益
引用:株探
売上の過去最高は1994年に121億円、営業利益の過去最高は2002年の25億円です。
23年1月期は、増収増益予想です。
売上高は微増ですが、利益は大きく回復する予想です。
外出自粛で娯楽サービス関連事業と飲食・販売事業の利益はマイナスになってしまいました。
23年4月以降に外出自粛の影響が少しずつ収束する見通しを前提にしています。
もし外出自粛が続いたり、再開されるような事があれば、利益に響いてくると思います。
経営効率
引用:株探
- 営業利益率:10.56%
- ROE:4.53%
- ROA:3.30%
- EPS:234.2円
不動産業の平均ROEは8.82%、ROAは2.1%なので、経営効率は平均を下回る企業です。
不動産大手28社の平均営業利益率は12%なので、平均を少し下回る利益率です。
財務状況
引用:株探
- 自己資本比率:72.9%
- 有利子負債倍率:0.18倍
自己資本比率は、不動産業の平均が33.4%なので大きく上回る健全な企業です。
有利子負債倍率は、不動産業の平均が1.34倍なので平均を大きく上回る企業です。
直近3年で見ると利益剰余金は、停滞傾向にあります。
しかし、総資産に対して55%以上も積み上げている企業です。
中期経営計画
東京楽天地は2023年までの中期経営計画を発表しています。
事業計画
引用:東京楽天地
経営数値目標
引用:東京楽天地
東京楽天地の主力事業は、不動産賃貸事業や映画興行事業になります。
これらの事業は、大きな初期投資が必要になる施設の運営によって収益を上げるビジネスです。
その為に東京楽天地は、キャッシュの創出力を表すEBITDA(償却前営業利益)を重視しています。
またROEは、将来的に5%を目指しています。
資本政策
引用:東京楽天地
東京楽天地は、連結配当性向30%を目安にして、1株当たりの年間配当金60円を下限に設定しています。
配当金と株主優待
配当金の推移
引用:バフェットコード
- 配当金:60円(2023年1月期)
- 配当利回:1.43%(2022年3月26日)
- 配当性向:25.6%
配当金は、この10年で60円を下限に安定した配当を続けています。
中期経営計画にあるように、配当性向30%、下限を60円と設定してます。
また、財務状況はかなり優秀なので減配のリスクは少ないと思います。
株主優待
引用:東京楽天地
東京楽天地は、1月末と7月末の権利確定日に100株以上を保有すると年2回の株主優待が受けれます。
映画館には、株主カードと株主映画ご招待券の両方必要があります。
まとめ
東京楽天地を買うなら、4150円付近で購入して4400円付近で売りを検討したい。
株価は、23年1月からじわじわと上昇に転換してきています。
まずは4200円をしっかり超えていけるかに注目ですが、次の節目は4400円付近です。
直近3年の業績は、新型コロナの影響から着実に回復しています。
ここに関しては、主力の不動産賃貸関連事業が引っ張ってきました。
23年1月も増収増益予想ですが、新型コロナでの外出自粛が4月以降に収束する事が前提です。
外出自粛が収束する事で娯楽サービス関連や飲食・販売事業の赤字が回復する見込みです。
また東京楽天地の面白いところは、映画興行でヒット作があれば注目されるという事です。
直近では、「鬼滅の刃」、「シン・エヴァンゲリオン劇場版」、「劇場版 呪術廻戦 0」、「竜とそばかすの姫」のヒットがありました。
22年は、「名探偵コナン ハロウィンの花嫁」、「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」の作品が期待されています。
決して高配当とは言えませんが、優秀な財務基盤で安定配当の投資には向いています。